宅建試験には2018年(平成30年度)に初めて挑戦し、そこで(ギリギリでしたが)合格することができています。
正直なところ、宅建試験はかなり難しいものだというイメージがあり、初回のチャレンジで合格することができてしまうとは思いもしませんでした。というか今考え直しても微妙に信じられません…
しかし、ちゃんと合格できたということは何らかの理由があってのことであるはずです。
ということで今回は、宅建試験の試験対策を開始し、それに合格するまでの過程や勉強していたときに感じたことなどを、いくつかピックアップして記載していくことにします。
2019年(令和元年度)やそれ以降に宅建試験を受験する方にとって、ほんの少しでも参考になりそうなことがあれば良いなと思います。
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8月の初旬に宅建の試験対策をスタート
まず、宅建の試験対策を始めたのは本試験と同じ年の「8月の頭」です。ここからおよそ2ヶ月半の期間で本試験がやってくることになりますから、普通に考えれば最悪とも呼べる作戦です。
ちなみにテキストについてはあらかじめ購入して本棚に仕舞い込んでありましたし、受験申請も既に済ませた状態から勉強をスタートしました。
ここからしばらくの期間はテキストを用いてインプットの学習でした。8月中に一旦全ての試験範囲を1周し、そこから範囲ごと、細かい内容まで勉強していくという感じで行きました。
ちなみに今は行政書士試験対策で似たようなことをやっていますが、こちらは一層難易度が高いようで、宅建のときのように上手くいくとは思えません…
テキスト・問題集は各1冊、ともに「きんざい」のものを使用
宅建の試験対策期間全体を通して使った参考書籍は2つ、まずテキストに関してはFP技能検定では試験実施団体にもなっている「きんざい」のものを、宅建の勉強をすることを見越して先に購入してありました。
「FP2級を取得している(または金融機関で働いている)」ことを前提としたもので、そこから宅建に合格することができるまでの知識を補完していくのにちょうど良いものでした。
そして、問題集も同じシリーズのものを選択しようということで、それとセットになっているものを後から購入し、本試験まで使い続けました。
宅建の試験対策で使った問題集は、どちらかといえば「過去問集」に該当するもので、実際の本試験問題を本試験と同様の形式で出題し、それに詳細な解説がついてくるといった感じのものでした。
正直、この2つの参考書籍はかなり使い易く、かなり短い期間でも効率よく勉強を進めることができたと思っています。他の変なテキスト・問題集を選択していた場合には、おそらく宅建試験の一発合格はなかったのではないかといったところです。
「法令上の制限」と「不動産に関する税」ではFPの知識がかなり活きた
宅建の試験対策は、まずテキストで一番最初になっていた「法令上の制限」がらはじめていきました。
そしてこの範囲、かつてFP2級の試験対策をしていた際に「不動産運用設計」の分野で勉強した内容との重複がかなり多くなっていました。
もちろん、宅建試験の「法令上の制限」の方がFP2級の「不動産運用設計」と比べてどの論点も内容が細かく、また、論点によっては初見のものもいくつかありましたし、マイナー論点としていくつかの法律(聞いたこともない)が紹介されていたりはしました。
しかし、この範囲全体を通して考えると「FP2級のときに学習した内容」との重複がほとんどであり、それゆえかなり有利に勉強を進めていくことができたと考えています。
さらにそこから続く「不動産に関する税」の範囲では、それこそFP2級の試験対策で勉強したものと全く同じといっても良いほどのことが宅建のテキストにも記載されていました。
宅建試験での税金関連の出題は2題だけですが、ここでもFP2級の知識があったおかげで時間を短縮することができ、以降の「メインとなる範囲」に試験対策時間を残すことができました。
これは2ヶ月半しか勉強できなかった身にとってはかなりラッキーなことだったといえそうです。
「権利関係」に固執し、メインの「宅建業法」が疎かに…
そこから先は宅建試験での出題数が最も多い「宅建業法」と、2番目の「権利関係」を中心に勉強を進めていきました。
そして両者のうち「権利関係」について、民法や判例の知識などといった「子それまで触れたことがなかった内容のもの」かつ「非常に複雑で難解」であるということがわかり、以降重点的に試験対策をしていきました。
しかし、冷静に考えてみれば難しくてなかなか覚えられない権利関係よりも出題数が多く、また、結構覚え易い内容である宅建業法の方にもっと時間を割くべきであったはずです。
というか権利関係の問題についてはある程度「捨て問」となることも覚悟して、基本的な部分のみしっかり押さえ、宅建の本試験で出題される可能性の薄い論点についてはザックリ切り捨てるべきだったかもしれません。
まぁ、切り捨てるとまではいかないにしても、どちらかといえば「宅建業法」を優先して勉強し、次いで「権利関係の頻出論点」、そして余裕があればその細かい部分を押さえていく、というやり方にするべきだったと思っています。
試験対策をしていた当時、つまりまだ宅建の本試験を一度も受験していない状態ではそのようなことに気付くはずもなく、ひたすら「権利関係をなんとかしなくては」という考えにとらわれていました。
ここはひとつ、宅建の試験対策全体を通しての反省点であるといえそうです。
直前期は問題集を何度も解いた
そんんこんなでテキストを用いた宅建の試験対策は多少の失敗もありながら、FP2級で得た知識にも助けられて進めていったわけですが、本試験の直前には問題集を何度も解き、試験問題への対応を図りました。
やはり、テキストで勉強してわかっていたつもりの論点であっても、実際に問題を解いてみると意外と理解していなかったり、勘違いで間違えてしまったりすることが多かったと記憶しています。
しかし、何度も問題を解き、何か間違えたりわからないことがあればその都度テキストに戻って確認することにより、次第にある程度の問題はすんなりと解答できるようになってきました。
この「問題集の反復」をすることの効果は宅建試験に限らず、ほとんどの資格試験で有効であるはずです。本試験直前には必ず、余裕がある場合にはもっと早い段階からやっておくべきでしょう。
およそ2ヶ月半の勉強後、宅建の本試験にチャレンジ
およそ2ヶ月半に及ぶ試験対策の後、平成最後の宅建試験にチャレンジしました。この試験は受験者数が毎年20万人以上とかなり多く、それゆえか試験会場もいくつもあるようで、かなり近所で受験することができました。
で、本試験直後には「今年は簡単だった」とか「合格基準点が異常に高くなるかも」というような情報が飛び交っていました。そしてその時点での自分の感覚は「この出来映えだと合格は難しいか…」といったようなものでした。
その時点では「もし不合格が明らかになった場合にはその後やるべき別の資格試験対策の妨げになりかねない」という理由から自己採点はせず、12月の合格発表を待ちました。正直、あまり期待してはいませんでしたが…
しかし、合格発表後には家に書留郵便が届いていたことがわかり、初受験だった宅建試験の結果が「合格」であったことが判明しました。
およそ2ヶ月半の勉強で宅建に合格することができるとは思ってもいなかったため「まさか」という感じでしたが、ここで改めて自己採点をしてみると「合格基準点37点」のところ「38点」と、まさにギリギリでの合格でした。
しかし紙一重でも合格できたことには変わりありません。もしそこで落ちていたとすれば、未だにダラダラと宅建試験の勉強を続けていたはずですから、そこで一発クリアできてしまったのはかなり幸運だったといえそうです。
独学2ヶ月半で受験した宅建の結果は合格、勝因はなにか?
さて、合格率が例年15%程度である宅建試験におよそ2ヶ月半の期間で、独学で一発合格できたことの「勝因」は何なんでしょうか?
まず、この宅建試験の合格にかけたトータルの勉強時間を計算したところ「80時間程度」でした。本来であれば300時間ほど必要とされている試験ですが非常に短い勉強時間でクリアすることができました。
そして、そのような短い時間で宅建試験に合格することができた理由のなかでかなり大きなものは以前の記事でも触れたことがありましたが「先にFP2級を取得していた」ということでしょう。
宅建試験とFP2級との間にはかなり重複する論点が多く、勉強に互換性があります。実際、「FP2級のうち宅建試験にも関連してくる部分」の勉強も、宅建試験の試験対策をしていたものとして考えた場合には、プラス100時間ぐらいは余分に勉強をしていたことになるはずです。
また、それに加えて「FP2級を取得していることを前提とした宅建のテキスト・問題集」を使っていたこともさらに良い結果に導くものであったはずです。
これはもし他の資格とは関係なく、宅建のみ取得する場合であっても「自分に合っていて、かつ優秀なテキスト・問題集」を選択できた場合には、より高い勉強効果を得ることができるはずです。
今回、テキスト・問題集に関して「アタリ」を引いたことも、かなりどくg区での一発合格に寄与しているはずです。
宅建の前にFP2級を取得しておく、というのは時間の関係などで全ての受験者がそうできるものではないはずです。しかし、テキスト等の参考書籍について「良いものを選択する」ということは誰でも可能です。
「どれが良いものなのか?」の判断には少し運が絡むかもしれませんし、人によって善し悪しが分かれてくるはずですので何ともいえませんが、情報を収集し、可能な限り「良いもの」を選択するように心がけるべきでしょう。
まとめ
今回は、宅建試験に合格するまでの過程などをゴチャゴチャと記載してきました。なんにせよ、合格できて良かったと思っています。
なお、僕の場合宅建試験は独学で勉強して受験し、なんとか合格することができました。しかし、実際のところこの試験は、試験対策講を受講する方が独学に比べてかなり有利になるはずです。
試験対策講を受講する時間などない、という受験者の方も多いかもしれませんが、最近は「ネットで受講が完結するタイプ」の資格スクールがいくつもあるようです。
現在僕が月額980円で加入している「オンスク.JP」にも、宅建試験対策の講座はあったはずです。より確実な合格のため、そういったものも上手く活用していくべきでしょう。
そしてそれ以外に、何か小技・裏技があるのかといえば、プロの講師ではない僕には重視する範囲ぐらいしか思いつきません。宅建試験に合格するための最強の作戦は「ひたすら勉強する」ことなのかもしれません。