世の中何をするにあたっても付きまとってくる「税金」
所得があれば「所得税」
消費をすれば「消費税」
といったものをはじめとして、
「ガソリン税」「酒税」「煙草税」等々、
数え上げたらきりがないほどの種類がある税金、
事あるごとにじわじわと搾り取られる税金、
一体何に使っているのかわからない税金、
でも多分「偉い人」の腹の贅肉に変わっているであろう税金、
もちろん、不動産に対しても例外なく税金は課されます。
で、それがとんでもなく複雑で、不動産に対して行うアクションごとに違う種類の税金がかかってくるのが現状です。
今回からは、「不動産にかかる税金」について、
何回かに分けて記載していこうと思います。
その記念すべき第一回は、不動産の取得時にかかる税金です。
Contents
不動産の取得時には4種類の税金がかかる
不動産の取得時には「不動産取得税」「登録免許税」「消費税」「印紙税」と、4種類の税金が課されます。
しかし、税金というのは、原則としてひとつの事柄に対してひとつの税金しか課されないことになっています。
一の会計期間にひとつの事柄に同種の税金を二度以上課すことは、
「二重課税」となり排除されるべきとされています。
「排除」というのは、二重課税の状態を放置すると納税者の担税力を超えた課税されることになることなどから、
それによって納税者の利益が損なわれないようにしろ、ということなんですね。
注:この辺については、石村 耕治(2014)『二重課税とは何か』独協法学第九十四号 に詳しいです。
でも4つかかってるじゃないかと!
なぜかといえばその4つが「一度税金を取ったものに対してさらに税金をかける」つまり二度以上課税する、
というようなものではないためです。
二重課税として問題になるのは、
法人の利益に法人税を課し、配当されたら所得税が課される、とか
外国での所得に外国の税金が課され、日本でまた課税される、
といったようなものであり、
これらについては「配当控除」や「外国税額控除」によって調整されています。
よって、不動産の取得に4つも税金がかかることは、
納得はいかないかも知れないが
排除されるべき事案ではないため黙って払え!
ということになってきます。
勘弁してもらいたいところですね…
では、以下で4つの税金それぞれについて確認して行きます。
不動産取得税
これは土地や家屋を購入、建築などによって取得したときに納める税金です。
ただし、相続によって取得した場合にはかからないことになっています。
それ以外にも、以下の場合は課税されないことになっています。
- 土地:10万円未満のもの
- 家屋の新築、増改築:23万円未満のもの
- その他家屋の取得:12万円未満のもの
ちょっと12万円未満の家屋というものを見てみたい気がしますね。
きっと存在するはずのない先住民が憑いているのでしょう。
で、気になるのは税額ですが、
原則は取得した不動産の価格(固定資産税評価額)×4%で課税されることになっています。
しかし、平成30年3月31日までに取得した土地や住宅の場合には、
取得した不動産の価格(固定資産税評価額)×3%のお得な特別税率となります。
さらになんとこの期間(平成30年3月31日まで)に
「宅地等」を取得した場合にはダブルチャンスとして、
取得した不動産の価格を2分の1にして税額を計算することになります。
また、一定の不動産を取得した場合には控除による軽減制度があります。
これには住宅の面積とかの条件によっていろいろ変わってきます。
詳しくはここに記載されていました↓
東京都主税局HP 不動産取得税
参考リンクは東京都のものですが、不動産取得税は所在地の都道府県が課税主体となっているため、それぞれの都道府県で参考のHPが出ているかと思います。
なんかいろいろ特典が付きすぎて通販番組みたいになっている不動産取得税ですが、
特例の適用期間があと3ヶ月ほど、と考えると今が買いどきなんじゃないでしょうか。
僕は買いません(買えません)が。
登録免許税
登録免許税は不動産の登記にかかる税金です。
※不動産の登記について詳しくは以下の記事↓
不動産登記について覚えるべきポイント
これは国税であり、税額は不動産の価格×税率で算出します。
「不動産の価格」はこれまた固定資産税評価額になりますが、
抵当権が設定されている場合には債権金額となるとの事。
税率はなんかややこしいので以下参照↓
(クリックして拡大)出所:国税庁HPより抜粋
なお、必ずこの税率によって課税されるというわけではないようで、
軽減税率が適用される場合もあるとのこと。
それについては上の画像があったページに全部載っていました。
なかなか細かい内容なので、リンクだけ貼っておきます↓
国税庁HP 登録免許税の税額表
あと、すべての登記に登録免許税がかかるというわけではなく、
「滅失登記」など、非課税となるものもあるようです。
消費税
普通に消費税です。
不動産とはいえ「資産の譲渡」をしているため消費税がかかります。
ただし、「土地の譲渡」に関しては非課税取引となります。
あと、「中古住宅」にも消費税がかかりません。
中古の場合には個人からの取得となるため、
消費税の課税要件である「事業者がなんちゃら~」には該当しないからです。
それ以外では今は思いつきませんが、
普通にバッチリ取られるものかと思います。
印紙税
印紙税は文書を作成した場合に納めることになる国税です。
おそらくほとんどの方が一度は貼ったことがあると思います。
印紙税は5万円未満の領収書等であれば非課税となりますが、
それを超えると金額に応じた税額となります。
また、金額の記載のない文書には一律200円の印紙税がかかります。
詳細は以下のページから↓
国税庁HP 印紙税
また、印紙を貼り忘れたりした場合には、
「過怠税」として3倍の金額が取られてしまうので注意が必要です。
まとめ
不動産の取得には上記4種類の税金が課されます。
決して二重課税などではありませんが、もうちょっとまとめて欲しいものです。
また、まとめることは制度上無理だとしても、
意味不明なことに使うことだけはやめてもらいたいものです。
さて、不動産にかかる税金は取得したときのみにとどまりません。
この先、「保有」と「譲渡又は賃貸」に対しても税金がかかってきます。
これらについても次回以降、順に記載していきたいと思います。、