今日は「不動産の登記」についての記事です。
登記といえば、つい最近、大手のハウスメーカーが、
「地面師」なる連中にだまされ、
60億円もの被害を被ったというニュースがありました。
地面師というのは人の土地を勝手に自分のものだと主張し、
それを売却したりすることによって金銭を騙し取るものであるとのこと。
当然、土地には本来の所有者がいるわけですから、
だまされて土地を買った側は土地の権利を手に入れることはできません。
それに気付いたときには地面師の行方は…
みたいな感じだとのこと。
実際にそんなことをしている輩に遭遇したことはありませんが、
まったくとんでもないことを考えるものです。
で、この地面師は、「不動産登記」の制度を悪用していることが多いそうなんです。
そんな不動産の登記についてここで基本を押さえておこうと思います。
もちろん、登記の基本がわかったからといって犯罪者を撃退できるわけではありません。
これについて現行の制度では、優秀でよく気のつく司法書士にあたることを祈るしかないようです…
Contents
どこに何を「登記」するのか
不動産登記は、土地や建物の情報や所有者の住所氏名などについて
「登記簿」に記載して公開することをいいます。
これにより誰が土地の権利を持っているのか、
などといった状況がわかり、土地等の取引を円滑に行うことができるようになる。
というようなものです。
不動産の登記を行うためには「法務局」に申請する必要があります。
法務局にいる「登記官」という人たちが、
その情報が正しいかどうかを精査し、
OKとなれば登記が行われることになります。
尚、この登記の手続きをちゃんとしておかなかった場合、
もし土地の所有権を争うことになった場合でも、
その所有権を主張することができなくなってしまいます。
不動産を取得したら直ちに登記を行わなくてはなりませんね。
また、不動産登記には「所有権保存」「所有権移転」「抵当権設定」
などといったものがあるようで、それぞれによって登記の目的が異なってきます。
「登記簿」について
登記簿は法務局にデータとして保管されているもので、
請求さえ行えば原則誰でも見ることができます。
“国民の知る権利”というやつでしょうか。
この時点でちょっと犯罪的なことに利用されるんじゃないかと不安なんですが、
悪いやつというのは、やはりこういう「国民の権利」という理由などから若干甘くなっているところを見逃すことなく狙ってくるんじゃないでしょうか?
それとも、何かちゃんとした対策が講じられているのでしょうか?不明です…
で、この「登記簿」というのは、
大きく分けて表題部と権利部に分かれており、
権利部はさらに甲/乙と2つの区に分けられています。
「表題部」には土地や建物の番地、面積などが記載されており、
「権利部」の甲区には所有者に関する事項が、
乙区には抵当権や借地権など、所有権以外に関する事項が記録されています。
ちなみにこんなやつです↓
(クリックして拡大…しません、小さいままです。)
不動産登記のオンライン申請
最近は何でもオンラインでできるようになってきました。
銀行もネットバンクから振込みなどができますし、
マイナンバーカードとICカードリーダがあれば確定申告だってできてしまいます。
そんな世の中、不動産登記も例外ではない様で、
オンラインでの登記申請が導入されました。
詳細は以下リンクから↓
法務省HP 不動産登記の電子申請について
もうひとつ↓
法務省HP 新不動産登記法Q&A
尚、オンライン申請が導入されたことに伴い、
今まで採られていた「出頭主義」というのが廃止されました。
これまでは本人や代理人が法務局まで直接行かないと登記の申請ができなかったんですね。
法務局まで行かなくても自宅でできる、未来的ですね。
もちろん、自分ひとりでやるのではなく、専門家(ここでは司法書士?)
の助言を得るのが無難ではあると思いますが。
今日のまとめ
不動産の登記をするにもオンラインで完結できる時代になっているようです。
いろんな技術がどんどん発達していき、
われわれの暮らしが便利になっていくというのはとてもよいことでしょう。
しかし、ここで忘れてはならないのが、
最初に触れた「地面師」のような邪悪な連中においても、
その偽造とか騙しとかのテクが向上し続けているということです。
誰でも見ることができる登記の情報を悪用し、
本物と見分けがつかないような権利関係の書類を見せられたとき、
素人では絶対に見破ることは敵わないでしょう。
専門的な知識を多く身に着けている人間がいるはずの大手ハウスメーカーでも簡単に嵌められてしまう、
そのような状態では制度の確立が不十分なんじゃないかと思ってしまいます。
しかしそれが一向に改善されないとなると、
「改善できない根本的な何か」が原因となっているんじゃないでしょうか。
憲法や法律の細かい部分は専門家ではないのでわかりませんが、
ちょっと何とかした方がいいんじゃないでしょうか…