FP2級と日商簿記2級、より難易度が高いのはどちら?

僕が現在保有している資格として「FP(ファイナンシャルプランナー)2級」と「日商簿記2級」があります。ファイナンシャルプランナーに関してはこの間日本FP協会への登録を済ませたため、「AFP」も兼ねたものになっています。

で、このブログをはじめたのは最終目標である税理士資格をはじめとした様々な資格を取る過程を記録し、また、試験対策として行った勉強内容の備忘録としても役立てようという理由からでした。

そしてこれらの資格は長期間の実務経験などで自動的に得られるようなものを除き、試験に合格しなければ取得することはできません。そうなると気になってくるのが「どの試験がどの程度の難易度になっているのか?」ということでしょう。

そこで今回は、今保有しているFPと簿記のそれぞれ2級という2つの資格に関してどちらの方が「より取得が難しい資格」といえるのかについて考えていこうと思います。

正直この2つは結構比較されることも多く、人によって評価に差がでてくるのは当然かと思います。よって以下で記載していく内容はあくまでも僕個人の見解になりますので、もしかしたら認識に大きな誤りがあるかもしれません。そのあたりを考慮に入れたうえで閲覧していただけると幸いです。なお、この記事内での「FP2級」は日本FP協会の試験を受験した場合を前提としています。

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FP2級と簿記2級の合格率の差

まず、最も大きな判断要素となるのが「合格率の違い」なんじゃないでしょうか?FP技能検定は午前午後に分けて2回の試験となっており、同時合格なのか一方に合格なのかというような試験になっていますが、その合格率は以下のようになっています。

1x1.trans - FP2級と日商簿記2級、より難易度が高いのはどちら?

※日本FP協会HP参照

一方、日商簿記2級の合格率は実施回によってバラバラですが、低いときで10%台、高くても40%に届くかどうかといってところです。10%台ともなると「難関試験」に該当するような気もしてきますが、一応”2級”です…

参考:日本商工会議所HP 簿記 受験者データ

FP2級の試験(日本FP協会の試験、実技は資産設計提案業務)では先程の表のように合格率の低い学科試験でも平均40%、実技試験では50%程度となっていることを考えた場合、日商簿記2級の方が難易度の高い資格といえるでしょう。

日商簿記は全面的にに筆記問題、FPの学科はマークシート

続いて試験の形式についてです。日商簿記2級の試験は仕訳問題や清算表など、全体的に記述問題となっており、そのほとんどの問題は解答の際に結構な量の計算が必要になってきます。そんな状態にもかかわらず問題の分量自体も多く、おそらくまともに解答していっても制限時間一杯、最悪間に合わないこともあるでしょう。

逆にFP2級の試験の場合、実技試験は記述式ではあるものの日本FP協会の資産設計提案業務では「○×問題」なども多く、計算があるにしてもそこまでハードなものではありません。僕はちょっと時間がかかったので見直しまでする暇はなかったんですが、おそらく制限時間内に解き終わらないということは稀なんじゃないでしょうか?

※ちなみに、FP2級の実技試験の配点は公表されていませんが、日本FP協会で受験する場合の「資産設計提案業務」についてはおおよその点数配分が見えてきました。詳しくは以下の記事を参照してください↓

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FP試験対策 FP2級、実技試験の配点は?
FP2級の実技試験は配点が公表されていないため、受験後に自己採点をしたとしてもその結果でどのぐらいの得点できているのかを正確に知ることは難...

また、実技試験に比べて合格率が低い学科試験ですが、解答方式がマークシートとなっているため「計算ミスによる失点」が生じる可能性は低くなってくるでしょう。もちろん選択肢のなかに”ひっかけ”のものは入ってくることが多いと思いますが、電卓を打ち間違えたりした場合にはどの選択肢にも該当しない数字となり、どこかで間違っていることが確認できるはずです。

よって、試験問題の解答という点ではFP2級よりも日商簿記2級の方が大変というか難易度が高いというか、なんかそんな感じに思えます。

※FP2級(日本FP協会)の試験については以下の記事から↓
FP試験対策 2級のテキストと試験内容、3級との違いは?

※FP2級を受験した際の感想について↓
2級FP試験を受験して、感想と今後の課題

出題される範囲の広さが違う

次はFP2級と日商簿記2級、それぞれの試験の出題範囲について考えてみましょう。

日商簿記2級は当然「簿記」の範囲内からの出題です。細かく分けるのであれば商業簿記と工業簿記の2つの範囲から、ということになります。そのなかでさらに細かい論点に分けられてはいるものの簿記そのものからズレて出題されることは無いでしょう。

ちなみに2016年の出題範囲改正で日商簿記2級の「商業簿記」に関してはその範囲が大幅に改正されました。これにより当該試験の難易度は上昇したといわれていますが、これについてもいちど考察してみたことがありますのでよろしければご覧ください↓

日商簿記 出題範囲改正で難化した?合格率は?

一方、FP2級は範囲が広く、「ライフプランニング」「リスクマネジメント」など6つの範囲から出題されることになっています。これらの範囲のうち、互いに関連しているものもありますが、全く違う内容を勉強しなくてはならない部分も当然にあります。ゆえに予備知識のない範囲については一からやっていくことになるため、その点については結構大変です。

FP技能検定と日商簿記では受験者層が違うのでは?

この2つの資格試験はよく比較されるとはいえ、異なるスキルを求めるものである以上受験者層も同様に異なってくるはずです。

FP2級の試験における受験者の年齢層などに関するデータは残念ながら発見できませんでしたが、日本FP協会が公表しているAFP・CFPの認定者に関するデータでは、40代が34%と最も多く、次いで50代29%、30代19%となっていました。一方で10代~20代の認定者は6%に留まっていました。また、資格認定者の業種も金融や不動産に限らず、様々な業種の方がいるようでした。

※参考:日本FP協会 データで見るFP資格

FP2級は取ったけどAFP・CFPの認定は受けていない場合がありますので何ともいえませんが、おそらくFP技能検定自体の受験者も30台以上が多いかと、実際の試験会場でもそんな感じの配分になっていたと記憶しています。

一方で日商簿記2級の試験に関しては高校生や大学生でも受験することが多いんじゃないでしょうか?こちらも正確なデータは公表されていないようでしたが、ネットで出ている古い情報などを確認しても「20代が多い」との情報がかなり出ていました。

日商簿記2級は大学で単位取得のために受験したり、商業高校などで無理やり受験させられているパターンも多いかと思いますので、大人が自分の意思で受験したり、会社で必須となっていて受験したりといったFP2級の試験よりもそれなりに合格率が低下してしまうことは考えられます。

もちろんFP2級の試験に関してもそういったことは結構あるでしょうが、日商簿記2級に比べると少ないんじゃないでしょうか?

ということで日商簿記2級の合格率がFP2級のそれよりも低くなっている要因の一つには、試験の受験者層の違いがあると推測します。あまり試験対策をせずに受験している受験者が多い可能性が高いことを考えると、難関資格並に低い合格率を恐れる必要はないのかもしれません。

総合的に判断してどちらが難易度が高い?

さて、FP2級と日商簿記2級には様々な違いがあり、「どちらがより難易度が高いのか?」という肝心なことに結論を出しかねてしまいそうです。

一般的には日商簿記2級の方が難易度が高いといわれることが多いようですが、僕の意見としても「若干簿記の方が難しい」と考えました。

その理由として最大のものは、やはり「計算の分量の多さ」なんじゃないかと思っております。FP2級に比べて、日商簿記2級の計算量はハンパなく多いことは実際に受験しようと考えている方ならわかるかと思います。そうなるとやはりミスも出やすく、それに伴う失点も多くなってくると予想されます。

もちろん、計算が得意でミスも少ない、電卓も使い慣れているなどでそのような失点がなく、逆に何かを覚えるのが苦手という方も居られると思います。そういった場合には「簿記の方が簡単」と思うかもしれませんが、計算問題に苦労するタイプの人の方が多い気がします。

と、いうことでこの記事の結論として「日商簿記2級の方が難易度が高い」ということになります。このあたりは個人の見解なので何ともいえませんが、多くの場合で簿記の方が難しいと言われているのもわかるような気がします…

なお、今後はこの2つの資格とさらに別の資格とも比較していきたいと思いますので、また機会があればご覧ください。

※今気になっている資格、受験しようとしている資格試験は以下↓
FP・税理士以外にも、今後目標としたい資格一覧

資格試験 次は「ITパスポート」に挑戦 試験内容や合格率は?

宅建を受験します FP2級との違いや合格率、テキストの感想など

ちなみにこのペースでいくと次に受験するのは税理士資格試験の「簿記論」「財務諸表論」になりそうな感じですが、この2つは別格かと思いますので今のところは比較対象にはしないことにしておきます。

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