宅建試験とCFP資格審査試験(不動産)の互換性は?

昨年(2018年)の試験で「宅建」に合格することができましたので、今年はそれに引き続き、かなり関連性が高いであろうCFP資格審査試験の「不動産」を受験しようかと考えています。

今のところ、税理士試験の試験対策を優先していますので、まだCFP資格審査試験のテキストや問題集等も購入しておらず、特に勉強には手をつけていませんが、早いうちに試験対策をスタートしたいと考えています。

で、僕の場合は「FP2級⇒宅建⇒CFPの不動産」という具合に駒を進めていったわけですが、人によってはこの「宅建」と「CFP」が逆になっている場合もあるんじゃないかと思います。

宅建とFP2級で考えた場合には、試験の難易度なども考慮に入れた場合間違いなくFP2級の方を先に取得しておくべきだとは思いますが、宅建とCFP(不動産)となるとどちらが先になるべきなのか?というのはちょっとわかりかねます。

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そして、場合によってはこの2つ、同時進行でやっていくという受験者の方も居られるのではないかと思います(僕は無理でしたが)。

では、この宅建とCFPの不動産という2つの試験、果たしてどの程度似通っている、つまりは「試験対策の互換性がある」といえるのか?今回はそのあたりについてちょっと考えてみようと思います。

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試験範囲はどちらも不動産関係

当然といえば当然ですが、宅建試験に関しても、CFP資格審査試験の「不動産」に関しても、試験で問われるのは不動産に関する事項です。これについては特に考える必要がないかと思います。

つまり、これまでFP2級や宅建の試験対策でやってきた「都市計画法・建築基準法 他」や、宅建試験でかなり苦労させられた「権利関係(民法・判例等)」については、CFP資格審査試験でも同様に問われるはずです。

また、「不動産に関する税金」や「相続・贈与」に関しても宅建試験とCFP資格審査試験の両方で出題範囲となっているはずです。このあたりを考えれば、この2つの資格試験はかなり似通っているはずであり、どちらかを取得したらもう一方に関する試験対策もかなり進んでいると考えて良さそうです。

このあたりについては、以前にも確認した「宅建試験とFP2級(FP3級)の重複範囲」とほぼ同じものと考えてよいのではないでしょうか?

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しかし、どちらの試験も不動産に関して問われるとはいえ、「宅建」と「FP」の資格が異なるものである以上、宅建”試験”とCFPの”試験”で出題される問題は若干違ったものになってくるはずです。

このあたり、具体的なことはCFPの過去問などをやってみないとわかりませんが、おそらく「もともとの資格の本質の違い」による試験内容の違いもあるんじゃないかと思いました。

「FP学習ガイド」で調べる

宅建試験の問題とCFP資格審査試験で出題される「不動産」の間には、何か違いがあるのか?全く同じ範囲からの出題とは考えられない以上、これについてある程度確認しておく必要があります。

で、ここでその違いを何となくでも確認しておこうと思い、以前日本FP協会に入会した際に送付されてきた「FP学習ガイド」の「CFP資格審査試験の試験課目と学習方法」のページ、そして23頁~28頁の「FP3 不動産運用設計」を参照してみました。

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で、まずは当該FP学習ガイドの50頁、「不動産運用設計」の欄には、以下のような記載がありました↓

【2】不動産運用設計

不動産運用設計においては、不動産の売買や、賃貸借ならびに有効活用に関する相談、助言を行うことを中心に、そのための調整、法令、価格及び税制等に関する基本的な知識が必要である。また、その基本的な知識を実際の場面に活用して、個々具体的な課題の解決に活用できる応用力も要求される。したがってCFP認定者としては基本的な知識だけでなく新聞記事等にも注目し、公的地価動向や不動産に関する税制及び関連する法令の改正動向といった時事的な情報も身につけて、具体的な場面においては、どのように考えることが最もふさわしいかという応用力を充実させるべく、複合的な視点を持って学習に取り組む必要がある。

日本FP協会(2018)FP学習ガイド「CFP資格審査試験の試験課目と学習方法」より抜粋

まず、上記の引用の序盤にある「法令、価格及び税制」に関する基本的な知識というのが、ここまでのFP2級や、それに続く宅建試験の対策で勉強した内容なんじゃないかと推測します。

そして、CFP資格審査試験ではその先、基本的な知識のみならず、最近の法制度の改正やその他の動向なども踏まえたより実践的なことについて学習し、実際の相談に対して具体的な提案が行えるようにしていく、といったような感じでしょうか?

確かに、宅建試験ではどちらかといえば都市計画法や建築基準法、それから民法などといった「法令」に関する細かい知識をつけていくことで合格できました。

CFP資格審査試験では、そこからさらに踏み込んで「その知識を如何に使っていくか」や「最近のトレンド」などについても把握し、実際に顧客から相談を受けた際に適切なアドバイスができるようにならなくてはダメなようです。

このあたりはFP2級の試験でもよく言われた「新聞記事などから時事的な問題への対応力を上げていく」ということの必要性と同じことなのかと思います。

そしてもうひとつ宅建試験とCFP資格審査試験の間で気になることがあります。それは、CFP資格審査試験の方は「不動産の投資・運用」に重きを置いていそうである、ということです。

「不動産」か「不動産投資」か

FP学習ガイドの「CFP資格審査試験の試験課目と学習内容」から、CFP資格審査試験では「宅建試験」で勉強した法制度等に関する基本的な知識の他、FP2級の試験でもよく言われたような「時事的問題」に対応する力をつけていかなくてはならないということがわかりました。

そこからさらに、CFP資格審査試験では「不動産に”投資した場合”の採算に関する判断」も必要になってくるはずです。

宅建試験では主に「権利関係」として、民法の条文や判例に関する事項、借地借家法など、さらには「宅建業法」についてもかなりの数が出題されており、実質その2つ(+法令上の制限)がメインコンテンツとなっていました。

しかし、CFP資格審査試験では、以前受験したFP2級の試験でもそのような気配があったであったように、単に「不動産」というだけでなく、「不動産投資」に関する事項の方が、むしろ重要になってくるのではないかと思います。

もちろん、宅建試験でもそのような論点に関しての出題はありました。しかし、試験範囲全体におけるその扱いはかなり小さなものであったと記憶しています。

で、それに関しては具体的にはどのようなことを学習するべきなのか?こちらも「FP学習ガイド」で確認してみましたところ、以下の項目が見つかりました↓

FP学習ガイド 「FP3 不動産運用設計」

1.資産としてみた不動産

2.アセットアロケーションと不動産

3.不動産投資分析(リアル・アセットマネジメント)

日本FP協会(2018)FP学習ガイド「FP3 不動産運用設計」より

FP学習ガイドの「不動産」に関する事項についての記載の中で、この3つが一番最初に挙げられていることからも、CFP資格審査試験では「不動産投資」に関する事項がより重要になってくるのではないかと推測できます。

今後CFPの資格取得を目指すにあたっては、それらの重要になってきそうな論点について、宅建の試験対策よりも、また、かつてFP2級の試験対策でやったよりも、より深く細かい内容まで理解しておかなければならなそうです。

宅建試験とCFP資格審査試験の互換性は?

さて、宅建試験とCFP資格審査試験(不動産)、この2つの試験はどちらも「不動産」に関して問われるものであり、都市計画法や建築基準法、借地借家法などの権利関係といった出題範囲が重複するはずですから、かなり互換性が高く、連続して取得するに値する内容のものだと思います。

しかしCFP資格審査試験は、FP技能検定とそれに連なる民間資格、つまりファイナンシャルプランナーの試験で出題されがちな「時事的問題」に関してしっかりと対策をしておく必要がありそうです。

さらには「不動産投資」に関する論点は、宅建試験ではそこまで扱いが大きくなかったはずです。これに関してもCFP資格審査試験では結構深い部分まで出題されるかもしれませんので、今後の試験対策では意識していこうと思います。

とにかく、宅建試験とCFP資格審査試験の「不動産」はほとんど同じであり、かなりの割合でその出題内容が重複してくるものであると考えられるものの、「時事・投資」の論点に関してはCFPの方で追加的に勉強する必要があるのではないでしょうか、といったところです。

また、CFP資格審査試験の方が、宅建試験と比べて「追加的にやるべき項目」が2つ増えていることを考えると、おそらく前者の方が若干難易度が高いのではないかと考えられます。

そう考えると、もし両者を同時に勉強していくとしても、CFP資格審査試験に対しては、その2つの事項についてより深く勉強しなくてはならず、その分宅建試験でメインとなる「権利関係」や「宅建業法」の試験対策が疎かになってしまうようなことも想定できます。

そのような事態になってしまった場合、最悪連続して受験したにもかかわらずどちらも合格できなかった…ということもあるかと思いますので、「同時学習」の場合にはそれなりの試験対策期間を確保しておかなくてはならないでしょう。

まとめ

2018年の試験で宅建に合格できたことで、やっと6課目あるCFP資格審査試験のうち、「不動産運用設計」についてのみ、新たに試験対策を始めることができそうです。

この2つの試験はほとんど同じような出題範囲であり、試験対策勉強の互換性はかなり高いものであると考えられます。

しかしCFP資格審査試験では、宅建試験でそこまで扱いの大きくなかった「不動産投資」に関する問題や、FPの試験でよく出題される「時事的問題」がかなりの割合で出題されるものであると予想できます。

よって、僕の場合にはこれから受験するCFP資格審査試験で、また、これから同時に試験対策をしていこうと考えている受験者の方は、その全体の試験対策で、それらのことを意識して勉強をしていく必要があるといえるのではないでしょうか?

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