日商簿記 出題範囲改正で難化した?合格率は?

FP2級の試験が終わって以来、簿記について記事を書くことが多くなってきました。と、いっても今目指しているのは「税理士試験」の簿記論であって、日商簿記については以前2級を取得してからその先は考えていません。
※日商簿記2級の取得に関しては以下の記事から↓
今保有している資格1 日商簿記2級

しかしながら、僕が取得した後しばらくして、試験範囲が大幅に変更され、結構難易度の高いものになったとのこと。そのきっかけとなった改正が2016年の6月分からだったそうですが、既に終わった試験、特に気に留めることなくすごしていました。でも今はこうやって簿記に関してブログを書いている訳ですから、もっとも受験者のボリュームがあると思われる日商簿記の出題範囲や合格率についてスルーしているのはちょっと…
ということで、今回は現行の日商簿記検定の2級と3級における出題範囲と、合格率の推移(最新)なんかについて確認していきます。
なお、検定料などの基本的な部分についてはさっき挙げた記事をご参照ください。

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2018年2月現在の出題範囲

商業簿記

まず商業簿記の出題範囲について、商工会議所のHPで公表されているリンク(pdfファイル)を貼っておきます。日商簿記に関しては、次回の試験が2月25日と差し迫っているため、そこで受験するのに現時点で範囲の確認をしている人はいないかと思います。なのでここでは平成30年4月1日以降適用分を参照していきます。6月以降に受験を考えている方向けのリンクとなりますね。
今後、また大幅な変更があった場合には、新しいファイルへ誘導するためのリンクを貼ろうと思います。

>商工会議所簿記検定試験出題区分表(商業簿記・会計学)・平成30年度適用分(予定)
※日本商工会議所HPより

なんだか見慣れない言葉がいくつかあったようですが、後ほど確認していきます。

工業簿記

続いて工業簿記です。こちらは「改正」のページを調べてもファイルがなかったため29年分のものを掲載しておきます。工業簿記は3級では出題されませんし、2級でいきなり出てくる割には点数の40%を占める、しかも実務で使わない(人によるかもです…)謎分野です。
これに関しては2016年における改正はなかったとのことですので、古い問題集を格安で購入してもいいかもしれません。
ちなみに僕が受験したときには第4問、第5問とも異常に簡単だった記憶があります。その辺は運なんでしょうね…

「工業簿記・原価計算」
※日本商工会議所HPより

こっちは特に変更なし、2級では結構配点が大きいため無視するわけにもいきませんが、まずは基本となる商業簿記から練習していった方がいいかと思います。

商業簿記の出題区分と対策

さて、ここからは出題範囲が大幅に変更されている「商業簿記」について見ていきます。まずはそんなに変更されていない3級についてです。

3級の出題範囲変更箇所

・追加項目
伝票の集計、管理
・削除項目
有価証券のうち「売買目的」の部分
有価証券の評価替
手形の引受

そんなに変わっていません、伝票についての項目が2級から降りてきているようですが、そこまで大変な内容ではないと思います。しかし、今時紙の伝票って使ってる人なかなかいないんじゃないでしょうか?会計ソフトの入力は「振替伝票方式」になっていたりしますが…そのうち消えそうな項目です。

逆に売買目的有価証券に関する項目と手形の引受が削除されていますね。有価証券自体は出題されるようですが、期末の評価替なんかはせず、売買の取引だけってことでしょう。手形の引受については「為替手形」が複雑すぎるとかそういった理由なんでしょうか?

2級の出題範囲変更箇所

・追加項目
基本原理 記帳内容の集計、把握
諸 取 引 売買目的有価証券
クレジット売掛金
電子記録債券、債務
貸引、個別評価と一括評価
賞与引当金、返品調整引当金
三分法の月次処理
売上原価対立法
有形固定資産の割賦購入(定額法)
圧縮記帳(直接減額方式)
自社利用のソフトウェア
関係会社株式、その他有価証券
リース取引(ファイナンスは定額法)
外貨建取引
収益費用の認識基準
役務収益、役務費用
創立費、開業費(費用として)
税効果会計(減価償却、その他有価証券)
決算整理 その他有価証券評価差額金(全部純資産直入法)
月次決算による場合の処理
繰延税金資産・負債の計上
外貨建売上債権・仕入債務などの換算
製造業を営む会社の決算処理
株主資本等変動計算書(一部)
会社会計 株主資本の変動
本 支 店 本支店会計の意義、目的
合併財務諸表などの決算手続き
連結会計 非支配株主持分
のれん
連結会社間取引の処理
未実現損益の消去(棚卸資産、土地)
ダウンストリームの、アップストリーム
連結清算表、連結財務諸表
・削除項目
基本原理 仕訳帳の分割、伝票の集計
諸 取 引 保証債務
荷為替手形
特殊商品売買
繰延資産(当期の費用としては出てくる科目もある)
決算整理 繰延資産の償却
大陸式決算法
会社会計 社債の処理
本 支 店 未達取引、内部利益の除去

これもう「違う試験」じゃないんでしょうか?全体的に見ると有価証券の処理に関する基本的な事項が2級に集約されているように見えます。
※有価証券の処理に関しては以下の記事から↓
簿記試験対策「有価証券」~保有目的による種類分けと会計処理~

あと、リース取引についての問題が出題されるようです。しかし、これについては「オペレーティング・リース取引」またはファイナンスの方でも「定額法」に限っての出題になるとの事なので、ある程度学習しておけば何とかなりそうです。
※リース取引については以下の記事から↓
簿記試験対策 リース取引の基本的な処理

また、ソフトウェアや税効果会計についても追加されていますが、内容に制限があるようですね。これも何とかなりそうです。
しかし最後に血迷ったようです、「連結会計」が範囲になっています、記載ミスでしょうか?ほんとに出てるんでしょうか?結構攻めましたね…
せっかくなんで今度連結会計についても確認の記事を入れようと思います。

さて、大幅に試験範囲が変更された日商簿記2級ですが、そのとき(2016.6)から何度か試験が開催されています。
ここで以前にも確認した「合格率」について確認しておきましょう。

2018年2月21日追記:電子記録債権・債務について↓
簿記試験対策 日商簿記1級から降りてきた「電子記録債権」とは?

日商簿記2級の合格率(最新版)

前回の日商簿記2級の試験の受験者データは、
47,917名受験・10,171名合格となっており、合格率は21.2%です。
その前は47.5%と高く、25%、13,4%と続きます。

参照:日本商工会議所HP 簿記 受験者データ

回によって合格率の変動がすごいことも含めて、そんなに以前と変わっていません。内容は大幅に変わっているのになぜでしょうか?
ここからはあくまで予想になりますが、かつて1級の範囲だったような項目が2級に降りてきたため、相当な難化のように思えます。しかしながら、「問題の内容」としては2級向けの易しいものになっているということなんじゃないでしょうか?
と、いうことは連結会計をはじめとした「強そうな範囲」に臆することなく、普通に、最新の問題集やテキストなんかを使って対策していくことが有効といえるでしょう。さらに、これは間違いなくそうだと思いますが、商工会議所も「いっぱい落とそう!」「合格率を下げよう!」と思ったわけではなく、今、実務で使われている項目を鑑みて出題範囲の変更に踏み切ったんだろうってことです。この変更で、日商簿記2級は今まで以上に「有用な」資格になるんじゃないでしょうか?

まとめ

出題範囲が変更され難化したかに見える日商簿記2級、今後も実務で扱われる内容に応じてどんどん変更されていくかもしれません。しかし、合格率を見てもわかるように、難易度が急激に上がったなんてことはないようです。
むしろ、実務の現状にあった範囲を習得することでより一層価値がある資格として誇れるようになるでしょう。今受験しようか悩んでいる方は、ぜひ受験してみてください。

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