FP2級、3級の学科試験 最初の問題を確実に得点するために 

FP技能検定(2級、3級ともに)の学科試験では、まず最初の問題として「FPがやっていい業務とやったらまずいこと」について問われる傾向にあります。「やったらまずいこと」については弁護士や税理士、社会保険労務士などが独占業務としているため、その資格を持っていないファイナンシャル・プランナーが勝手にやると法律に抵触してしまうような業務内容です。

例えば、2018年1月28日に実施された2級FP技能検定の学科試験では、「問題1」として以下のような出題がされていました。

ファイナンシャル・プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理や関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。

※平成30年1月実施 ファイナンシャル・プランニング技能検定
2級 学科試験より抜粋

また、日本FP協会で実施された実技試験「資産設計提案業務」においても「第1問」の「問1」として、出題形式こそ違うものの、同じ論点から出題されていました。

で、このタイプの問題、即ち「職業倫理」とか「関連業法」の問題なんですが、毎回パターンは違っても、問われてくる範囲は限られてくるわけであって、それらを細かく押さえておけば、ちゃんと本試験で出題されさえすれば学科試験で1問、場合によっては実技試験の方もきっちり得点を回収することができる、と言うことになります。

実技試験では日本FP協会の「資産設計提案業務」でこのタイプの問題が最初に来ることが多いようです。

※実技試験の課目選択については以下の記事から↓

3622ca167c6859063fefd002611930c0 100x100 - FP2級、3級の学科試験 最初の問題を確実に得点するために 
(FP2級)実技試験の種類とその選択
FP2級の試験を受験し、学科試験・実技試験ともに一発で合格することが出来ました。試験実施団体は3級のときと同じく、「日本FP協会」の資産設...

そこで今回は、関連してくるFP以外の資格ごとに、FPの資格だけ持っている場合にやってはいけないことについて、過去の出題等に基づいて確認していきます。

スポンサーリンク

Contents

弁護士関連

まず、弁護士の資格を持っていないFP(というか持っている人なんてそうそう居ないでしょうが)が法律の相談なんかで具体的にアドバイスをすることはできません。これをやると「弁護士法」とやらに違反するそうなんですね。

しかし今回(2018.1.28)の本試験でも出題されていたように、「公証役場で公正証書遺言を作成するにあたり証人となった」という場合には、4親等以内の親族でなければ大丈夫です。今回はなかったですが、問題文のなかに「弁護士資格を有しない…」とあったら思わず×にしてしまいそうなんですが、よく読んで解答すべきでしょう。

また、「具体的に」アドバイスをすることができないだけであって、「一般的な内容を説明した」とかだったら可能です。

税理士関連

次に税理士の資格を有しないFPがやるとまずいことです。税理士は税務署に提出する税務資料の作成や税務相談を独占業務としています。なお、「無償独占」とか何とかなので、ただでやってあげても違法であるとのこと(前に税理士の先生が言ってました)。

従って、FPだけど税理士ではない場合に「顧客の申告書を作成してやった」とか、「納付すべき税額について相談を受けた」とかはアウトになってしまいます。

一方、こちらも「一般的な説明」に留めておけばセーフになります。例えば「国税庁HPの確定申告書作成コーナーを紹介した」とかなら税理士法に抵触することはありません。また、よく税務署においてある「~~したとき」みたいなパンフレットを用いて例として説明した場合や、税金について一般的な説明をした場合も大丈夫です。

社労士関連

社会保険労務士の資格を持っていないFPの場合、顧客の「社会保険」に関連する書類の作成や申請などを行うことはできません。「社会保険」ということは年金とか労働保険なんかに関することになってきますね。

ただし、社労士の資格を持っていないFPの場合でも、年金の受給額を計算したりすることは可能です。これについては、2018年1月の実技試験(日本FP協会)でも出題されていましたが、顧客が持参した「ねんきん定期便」を使った計算、というかたちで出題されることが多いようです。

ところで「ねんきん定期便」とはなんなんでしょうか?というところですが、以下のHPに詳しい記載がありますので、今後の出題に備えたい場合は読んでおいたほうが無難かもしれません。

日本年金機構HP ねんきん定期便

宅建士関連

次に宅地建物取引士の資格を持っていないFPの場合です。

ここで出題されがちなのが、「資格を持っていないFPが、マンション等の賃貸の仲介手数料を受け取った⇒×」というパターンです。宅建の資格を持っていないとそういうことはできませんので。

ただし、こちらも「自分で建てたアパートを賃貸する場合」はOKになります。ここ(最初の問題)で出題されるかというとされなさそうな内容ですが、不動産の範囲で出てくる可能性もありますので、まとめて覚えておくべきでしょう。

保険・金融商品関連

最後に、保険と金融商品に関連する事項です。これらはそれぞれ「保険募集人」「金融商品取引業」の登録を済ませていないFPが勝手に募集したり、また、依頼を受けて顧客の資産を運用したりということはできません。

で、毎度になってしまいますが「一般的な説明」や、保険の場合には「保険の見直しに関する相談」「将来必要な保険金の試算」あたりはセーフになっています。

とにかく「募集したり運用したらアウト」ということになりますね。

まとめ

他にも「職業倫理」に関することが選択肢の中に混ざっていたりしますが、”よく考えたら当たり前だろ!”レベルのものが多いため、ここでは端折っています。

このような問題が第1問として出題されるのは、FPの資格を取るならこの程度のことはわかっておいて欲しい、という出題側の意図もあるんでしょう(個人的な予想)。

とにかく、このタイプの問題は大体パターンが決まってくるはずなので、「この資格を持ってないファイナンシャルプランナーの場合はこれはやっちゃダメ」というところをきっちり押さえておくとよいかと思います。

スポンサーリンク