金融資産運用についての過去記事↓
金融資産運用①~大量の経済指標~
金融資産運用②~貯蓄や投資、消費に関する保護制度~
国債や社債って買ったことある方もいるでしょうか?
僕はありませんが、大昔にどこかで国債の証券を見せてもらった記憶があります。
もちろん今はペーパーレス化が進み、
たんすの中に株券や債券がしまってある、
なんてことはなくなってしまいました。
また、かなり前の凄く景気がよかった時代には、
国債とかは大人気だったという話も聞きます。
今の利率を見るとそんなことは想像もつきませんが…
そんなこんなで今日は、テキストを順番に進めていったところ登場した「債券」についてです。
尚、債”権”じゃなくて債”券”です。
誤変換が多いところですね。
Contents
そもそも債券って何
「債券」とは国や地方自治体、企業などが投資者から資金調達する際に発行される証明書、
といったところでしょうか。
例えば、投資者は企業にお金を貸して代わりに受け取った債券(社債)を「資産」とし、
満期まで保有して利息込みでの償還を受けることも、
満期を待たずに売却してキャピタルゲインを追求することもできます。
一方、企業側にとっては投資者からお金を借りたわけですから、
逆に「負債」として計上します。
同じ社債でも当然貸し手と借り手とで逆の処理になります。
で、簿記の試験とかだとどっちの立場でも出題されそうなんですが、
FP試験では、テキストを見る限り貸し手(債券の買い手)側からの視点のみで話が進んでいるように思えます。
確かに、FPの業務内容からして債券の買い手としての個人投資家の立場に立った考え方が主となるのも頷けます。
債券の発行価格と価格変動
債券が発行される際には、必ずしも額面金額で発行されるわけではありません。
発行価格は額面よりも安かったり高かったりすることがあります。
まあ、「額面より高くなる」ことはあまり無いかと思いますが…
ちなみに、額面通りの金額で発行されるのを「平価発行」
額面より安い金額で発行されるのを「割引発行」
額面より高い金額で発行されるのを「打歩発行」
なんて言ったりしましたが、FPのテキストではちょっと呼び名が変わっていました。
- 平価発行⇒パー発行
- 割引発行⇒アンダーパー発行
- 打歩発行⇒オーバーパー発行
だそうです。とりあえず何でも横文字に変わる仕様なんでしょうか?
で、発行されたらずっとその金額ってわけではなく、価格変動があります。
債券の価格変動は「金利」と「信用リスク」によって発生します。
まず、市場金利の変動に対しては債券価格は逆の動きをします。
具体的には「金利上昇=債券価格下落」「金利低下=債権価格上昇」
みたいな感じです。
しかし、債券の価格が上下してもその額面というか償還される金額は不変なわけで、
価格が下落していれば最終的な債券の利回りは上昇することになります。
信用リスクのほうは当然リスクが高まれば価格は下落しますし、
リスクが減退した場合には債券価格は上がっていきます。
この「信用リスク」については、よく「トリプルA」みたいな事を聞きますね。
これは格付け機関が債券をランク付けするときに用いる表現です。
以下、この「格付け」について見ていきます。
信用リスクと無意味な格付け
信用リスクをみるための格付けを行う機関には、
スタンダード&プアーズやムーディーズなどといった会社がありますが、
それぞれが独自に格付けを行っています。
これらの格付け会社がトリプルB以上を付けると「投資適格」だとされていますが、
ここには根本的な問題があります。
その問題とは、格付けを受ける対象がの企業等が格付け会社に料金を支払っているということです。
もう完全に意味ないですよね、これ。
成績を付けてもらう側がお金を払ってお願いしているわけですから、
格付け会社としても、下手な格付けをして「スポンサー」が離れていってはかないません。
ゆえに、ヤバい所でもいい格付けになりがちなんですね…
ちなみに、金融危機のきっかけになった「サブプライムローン」には
最高級のトリプルAランクがついていたそうです。
現在の日本国債よりはるかに信頼度が高かったようです。おもしろいですね。
今日はここまでにして、まとめ
債券について、まず発行価格と金利、信用リスクによる価格変動は大体いいでしょう。
本試験で金利による変動のところが逆に書いて引っ掛けてこないか心配ですが。
格付けについても、事実をはじめて知った際に「なんて不毛なんだ!」
と、思って以来ぜんぜん忘れないのでここもいいでしょう。
問題になってくるのがこの後、「利回り」についてです。
「~~利回り」とかいっぱいあってなんだかよくわかりません。
ライフプランニングのときに出てきた「6つの係数」に通ずるものがあります。
次回はこの債権の利回りについて確認していきたいと思います。