FP2級(2級FP技能検定)の試験を受験するためには、「一定の条件」を満たしている必要があります。これはつまり、ひとつ下の資格であるFP3級の試験のように「誰でも受験申請できる」というわけではなく、「受験資格」に制約があるということです。
そうなると、受験資格を満たすことができる条件というのがどういうものなのか?今後FP2級の試験を受験することを検討している場合には必ず把握しておく必要があります。また、条件を満たした場合には、受験の申し込みをする際に当然「そのことを証明する何か」を提出する必要があります。
そこで今回は、4種類(実質3種類)あるFP2級(2級FP技能検定)の受験資格を満たすための条件と、それぞれの場合における受験申し込みの際の提出書類等を確認していくことにします。
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FP3級(3級FP技能検定)に合格する
まず、FP2級の受験資格を得たいと思った場合に、最も低コストで、かつその難易度も低いと考えられる方法が、FP3級の試験を受験し、合格するという方法です。
FP3級の試験は、毎年1月、5月、9月の年3回、つまりFP2級の試験と同日に実施されており、合格発表や受験申請期間などを考えても、FP2級を受験したいと思っている実施回の一つ前の試験を受験すれば間に合います。
FP3級の試験は全く予備知識が無い状態からでもある程度の勉強時間を確保すれば普通に合格することができる資格です。
しかもその試験範囲はFP2級の試験と同じ6つの範囲からの出題となっています。その難易度の違いは出題内容の深さなどによるもので、かなり似通った問題が出題される可能性すらあります。ですので、FP3級⇒FP2級と、続けて試験対策をすることによって、かなり勉強の効率化を図ることができます。
また、テキスト等に関しても、FP3級のものを購入するのであれば1冊で十分対応できるものがありますし、その先FP2級の試験を受験することを決めているのであれば、最初からFP2級のテキスト等を購入して勉強を進めていくこともできるはずです↓
なお、実技試験の選択に関しては、FP2級の5課目に対して、FP3級では以下の3課目になっています↓
- 資産設計提案業務(日本FP協会)
- 個人資産相談業務(きんざい)
- 保険顧客資産相談業務(きんざい)
このうちどれを選択するのか?についても、FP2級の実技試験の選択を見据えて判断することにより、同じ範囲を継続して勉強することができ、試験対策のさらなる効率化につながるはずです
FP3級合格の場合、FP2級の受験に必要な証明書等
FP3級の試験合格をもってFP2級の受験資格とする場合には、受験申請時に「3級の合格番号」を提示する必要があります。
この「合格番号」は、試験実施団体より送付されてきた結果通知や合格証書等に記載がありますので、それらの書類をどこかにやってしまわないように注意しましょう。もし、どこかに行ってしまった、つまり合格番号がわからなくなってしまった場合には、日本FP協会またはきんざいのうち、自分がFP3級の試験を受験した団体に問い合わせましょう。
なお、FP3級の合格番号を用いる場合のFP2級の受験申請方法は以下の記事をご参照ください↓
(※日本FP協会で受験申請した場合のものです)
AFP認定研修を修了する
次に、面倒なFP3級の受験もすることなく、さらに実務経験などの厄介な条件をクリアしなくても良い方法として、「AFP認定研修の修了」が挙げられます。
AFP認定研修は、AFPとして日本FP協会に登録する場合に必要となる研修ですが、その人の置かれている状況に応じていくつかの課程に分かれており、未だFP3級の試験に合格していない場合には「一般課程」を受講し、その修了をもってFP2級の受験資格が得られることになります。
僕もこのAFP認定研修を経てAFPの登録をしたのですが、受講した研修は既にFP2級の試験に合格している場合に受講する「技能士課程」のもので、そのほとんどの内容が「提案書の作成」を練習することに充てられていました。
なぜ、僕が「FP3級⇒FP2級⇒AFP認定研修」という流れを選択したのかというと、単純にその方が圧倒的にコストが安かったためです。また、先にAFP認定研修を受講する場合、その講義動画などを見るための時間を毎日確保する必要があり、それはちょっと…という感じだったことも理由のひとつです。
しかし、先にAFP認定研修を受講してそれをFP2級の受験資格とする方法は、それなりのコストとまとまった時間が必要であるとはいえ、「とにかく最短でFP2級の試験に合格したい」と考えた場合、最も適した方法であると考えられます。
最終的にAFPとしての認定を受けることを希望している場合「FP3級⇒FP2級⇒AFP認定研修」という流れで行くべきか、それとも「AFP認定研修⇒FP2級」と行くべきかは、かかるコストやどのぐらい急ぐのか?などから総合的に判断して決めるべきでしょう。
AFP認定研修を終了した場合に受験資格を証明するためのもの
AFP認定研修の修了をもってFP2級の受験資格とする場合、受験申請時に必要になってくるものは「認定研修の受講者番号」になります。
これは13桁で表記されているもので、研修を受講した認定教育機関から証明書的な感じで送られてくるはずです↓
僕が受講したとき(技能士課程ですが)には、横長の紙で上記の写真のものが送付されてきました。ちなみに受講した認定教育機関は「資格の大原」でした。内容的にはかなり満足いくものでしたので、結構お勧めできます。
FPの業務に関連する2年以上の実務経験を積む
次に、どんな資格試験でも結構ありがちな「2年以上の実務経験」という受験資格です。
といっても、受験しようと思い立ってから2年間にも及ぶ実務経験を積むというのは相当に非効率なことで、もしも現時点でこれといった経験が無い場合には、FP3級経由かAFp認定研修経由のどちらかを選択すべきでしょう。
ただ、該当する実務経験の範囲は結構広くなっているようで、日本FP協会のHPに記載されている実務経験として”おおむね”認められるものを確認してみてはいかがでしょうか?ひょっとすると自分の仕事が該当している、なんてことがあるかもしれません↓
なお、上記のリンク先にも記載がありますが、実務経験は「通算」で2年以上、とのことで、複数の企業等で該当する経験がある場合には合算して判断するとのことです。
実務経験がある場合に必要な書類等
「FPの業務に関連する2年以上の実務経験」をもってFP2級の受験資格とする場合には、勤務先および勤続年数を「自己申告」で伝えてやる必要があります。
自己申告ということは、それを証明する文書等は一切必要ないということになりますが、いくらなんでも適当に実務経験をでっち上げるような輩は居ないはずです。ただ、「自分の就いている仕事が本当に実務経験に該当するかわからない…」という場合には、何のため問い合わせてみたほうが無難かもしれません。
※FP2級の受験資格としての「実務経験」について取り上げた記事は以下↓
金融渉外技能審査3級に合格する
最後に、これはちょっとよくわからないんですが「厚生労働省認定金融渉外技能審査3級」という、なんとも長ったらしい名前の試験に合格者もFP2級の受験資格が得られるとのことでした。
このなんだかよくわからない資格、実はFP技能検定の試験実施団体でもあるきんざいが、過去に実施していたFPに資格に近いもののようで、現在では認定が終了しているものの、FP2級の受験資格としては引き続き使うことができるもののようです。
一応、これをもってFP2級の受験資格とするためには「合格証書」のコピーを添付するとのことですが、認定自体2001年に終了しているとのことなので、未だにタンスの中などに残っていることの方が珍しいのでは無いでしょうか?
なお、これを受験資格とする場合には「インターネットでの受験申請は不可」とのことですので、もし使う場合には注意する必要があります。
まとめ
今回はFP2級(2級FP技能検定)の受験資格に関する確認をしました。
受験資格は4種類あるとはいえ、ほとんどの場合でFP3級かAFP認定研修かどちらかを選択することになるのでしょうが…
で、受験資格もあり、そのことを証明する書類がそろっていることを確認したら、いよいよFP2級の受験申込をしていくことになります。
受験の申し込みの前に確認しておくべきことについても記事にしていますので、不安な方はそちらもご参照ください↓
ここまで済ませてしまえば後はきっちりと試験対策をし、完全合格を目指すだけです。FP2級はそこまで高難易度な試験というわけではありませんが、気を抜かずに勉強していくべきでしょう。