FP3級の試験は非常に難易度が低く、まじめに試験対策を行っていさえすればほとんどの場合で不合格になるようなことはないはずです。
そんなFP3級の試験を受験するにあたっては、以前FP3級の試験について触れた記事でも述べたとおり優秀なテキストを1冊購入しておけば十分に合格ラインに到達することができます。
しかし、「FP3級に留まらず、続けてFP2級の資格も取得したい」と考えている場合には、果たして”わざわざFP3級の試験対策テキストを購入せず、はじめから2級のテキストを利用して勉強していく”という方法をとっても良いのではないか?とも思います。
そこで、今回は「FP2級も受験する予定である場合のテキストはどうするべきなのか?」について考えていこうと思います。
Contents
FP3級と2級の試験範囲はほぼ同じ、内容が濃くなるだけ
まず、なぜFP3級から受験するにもかかわらず「2級のテキスト」を購入した方が良い可能性があるのか?についてです。
FP技能検定は、2級、3級などのレベルに関わらず試験範囲はほぼ同じです。相続・事業承継のあたりや、消費税や法人税など、FP3級では出目が薄く、2級では普通に出題されるような論点もありますが、基本的には同じ出題範囲と考えてよさそうです。
※関連:FP3級と2級の難易度の差はどこから来るのか?についての記事↓
もちろん、FP2級の試験ではそれぞれの試験範囲について”より深い内容”まで出題されることになります。
しかしFP3級の試験に合格した段階ですべての範囲・論点についての知識は「浅くはあるもののゼロではない」ということになります。
で、そこで考えられるのはどうせ次の試験で同じ試験範囲のFP2級まで受験するのであれば、最初から2級用のテキストを購入してしまえば費用も安く済むし、「3級の試験対策をしている段階」からFP2級の試験対策もできてしまうということで2倍お得なんじゃないでしょうか。
そういったことから、「最初から、つまりFP3級の試験対策を始める段階でFP2級のテキストを購入する」という選択肢を考えておいても良いんじゃないか?と思うわけです。
テキストについてもFP2級とFP3級で重複する部分が多い
次に、試験対策に使用するテキストについてもFP3級とFP2級で重複する部分が多いことから、これも2級のものを最初から購入するべきであるという理由の一つとなります。
僕は3級も2級も同じ著者の、同じシリーズのテキストを購入して使用していたのですが、それらを比較した際にも「全く同じ内容」や「ほぼ同じ内容」というのがいくつか見受けられました。
また、本自体の厚さもそこまで変化はなく、2級の方が多少厚くなった、という程度でした↓
※写真は以前の記事で比較したFP3級と2級のテキストの厚み
もちろん、試験のレベルが上がるわけですからそれなりに内容は追加されていますが、同じ内容+追加項目というような感じになっていました。
※関連:FP2級のテキストについて3級のものと比較した記事は以下↓
FP2級のテキストが完全にFP3級のテキストの上位互換、ということを考えると、ここでもFP2級のテキストを最初に購入して試験対策を進めていくべきではないのか、という判断ができそうです。
やはり最初からFP2級のものを購入するべきかも
上記のように、「FP3級と2級の試験範囲が同じであること」「テキストも同じシリーズのものであれば3級の内容+α」となっていることなどから、やはりFP2級の試験を見越して3級の試験を受験する場合には、始めから2級のテキストを購入して試験対策を進めていくほうが良いように感じます。
このあたりについては個人の感覚などもあるかと思いますのでなんともいえませんが、「FP2級の合格」までの途中にFP3級の試験があると考えてみるとそのような方法をとることも有効に思えてくるのではないでしょうか?
ただし、試験対策を始めてから3級の本試験まであまり時間がなく、2級のテキストを使用した場合にはとても一周廻すことができない、というような場合には、素直に3級のものを購入すべきであると思います。
なぜならば、FP技能検定では「6つの分野」から満遍なく問題が出題される傾向にあるため、もし2級のテキストをやりきることができず、全く対策で来ていない分野が発生した場合には3級とは言え不合格になる可能性が高まるためです。
このことについては一応注意しておくべきでしょう。
FP3級の試験は「中間テスト」ぐらいの気持ちで
「FP2級の試験に合格すること」を最終的なゴールラインとして、2級のテキストを用いて試験対策を進めて言った場合、途中にあるFP3級の試験は”中間テスト”的なものと考えて良いのではないでしょうか?
しかし、3級の試験は難易度が低く、合格することはそこまで大変なことではないとはいえ、全く勉強していない場合には当然ですが不合格になり、FP2級の受験資格を得ることができません。
そのため、中間テストとはいえしっかり得点できるようにしておかなくてはなりません、そのときに行った試験対策が、本番であるFP2級の試験でも活きてくるでしょう。
なお、FP3級の実技試験は2級の受験も見据えて選択すべきでしょう。そしてその後の2級の試験では3級で選んだものと同系統の試験を選択するべきです。
※関連:FP3級と2級の実技選択については以下の記事から↓
注意点①:テキスト購入後には「改正論点」に注意が必要
最後に、FP3級の受験前に2級のテキストを購入し、その後のFP2級の試験に備えるということについて2点ほど注意すべき点があります。
まずひとつ目は、FP技能検定で出題される法制度等は、頻繁に制度改正が入ることによってその内容が変化していき、それに伴って、試験で出題される内容も変化してくるという点です。
先に2級のテキストを購入する方法では、その後3級⇒2級と、2回に分けての受験となることから、その間の期間に試験内容に改正があった場合には古い情報が役に立たなくなってしまいます。
これについて、年度の変わり目、即ち「5月に3級⇒9月に2級」という形で受験する場合には、しっかりと改正が入った論点について確認し、もし、変わっている部分があるのであれば新しい情報に切り替えていく必要がでてきます。
注意点②:FP3級の試験は難化傾向のようです
次に、FP技能検定の最近の傾向を見たところ、どうやら2級はより易しく、3級はより難しくなったいっている可能性が高いということがわかりました。
※この記事を投稿してからしばらく経過した2019年9月時点ではなんともいえませんが…
※関連:FP技能検定(2級・3級)の合格率推移については以下の記事から↓
ゆえに、「FP3級は簡単な試験だから…」と思って油断していると足元をすくわれる結果になりかねません。
これについてはそこまで神経質になる必要はないかと思いますが、一応気に留めておいたほうが良い事項ではないかと思います。
まとめ
今回は「FP3級の試験に続いてFP2級を受験しようと考えている場合」について、「最初から2級のテキストを使用した方が効率が良いのでは?」という感じの記事でした。
試験範囲も同じ、テキストの内容も重複する部分が多いFP3級と2級の試験では、まず3級の試験を「中間テスト」と位置づけ、本番である2級の合格を目標にしていくというスタイルで良いかと思います。
ただ、どのような作戦で試験対策を進めていくかは個人個人にマッチした方法があるかと思いますので、上記の内容は「選択肢の一つ」として考えていただければ幸いです。