FP試験対策 金融資産運用②~貯蓄や投資、消費に関する保護制度~

日本においても、銀行等が「取り付け騒ぎ」に陥った例はいくつか見られます。
有名なのは40年ぐらい前に発生した豊川信金で発生したものなんじゃないでしょうか。
このときは別に豊川信金が本格的にヤバかった、というわけではなく、
電車だかなんだかで高校生が「信金がつぶれるんだって!」みたいな根拠のないうわさ話をしていたところ、
それが町中に広がってしまい、悲劇が起こった…ということだったようです。

もちろん、今現在も豊川信金が健在であるということは、
この事件に関しては事なきを得たということなんですが、
当時はインターネットなんて無かった時代です。
しょうもないうわさに対して有識者が何か意見したところで、
拡散されるためのツールが無く、焼け石に水…
みたいな感じなんじゃないでしょうか。
恐ろしいことですね。

そんなわけで、今日は昨日に引き続き「金融資産運用」の範囲から、
預金をはじめとした金融資産や消費契約に対する保護制度について確認しながら記載していきたいと思います。
昨日の記事:金融資産運用①~大量の経済指標~

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Contents

預金保険制度

預金保険制度といえば、「一人当たり1,000万円+利息」の保証があるというのは有名ですね。
「ペイオフ」なんていって教科書にも載ってたりします。
でもこの制度について、FP試験対策としてはもう少し掘り下げる必要があるようです。

まず預金の保証される範囲について、普段誰もがよく利用する普通預金や定期預金については、
ご存知「一人当たり1,000万円+利息」の保証額となるんですが、
当座預金のような決済用預金の場合、その全額が保証されることになるそうです。
まあ、「銀行つぶれたせいで不渡り、倒産」みたいなことになったらシャレになりませんから。

で、この預金保護制度についてなんですが、預金保険機構というところが運営しているそうです。
日銀が直にやっているわけじゃないんですね…

次に、保護の対象となる預金の範囲についてですが、
その、預金保険機構のHPに解説があったため転記します。
1x1.trans - FP試験対策 金融資産運用②~貯蓄や投資、消費に関する保護制度~
預金保険機構HP 預金保護制度の概要より抜粋

これを見る限り、普段使うような預金はまず間違いなく対象の範囲内といっていいでしょう。
ただ、ひとつ気にしておきたいのが、外貨預金が対象外というところです。
外貨預金は他に対象外とされている、かろうじて名前を聞いたことがあるかも、ぐらいの薄いやつらとは違い、
結構やっている人も多いんじゃないでしょうか。
試験でも引っ掛けてきそうなので注意ですね。

もうひとつ、これはテキストに記載があった内容なんですが、
預金の保護は原則として個人単位での保証とのことですが、
例外として個人事業主が、事業用と家事用の通帳を分けている場合には、
同一人の預金として扱う規定があるそうです。
確かに個人事業主の場合、個人名の通帳と屋号が入った通帳に分けている場合が多いかと思います。
そのほうが店主勘定が少なくて楽ですから。
で、そういった場合の規定もちゃんと設けられている、ということなんですね。

投資者保護基金

この、「投資者保護基金」については銀行ではなく証券会社向けの制度です。
証券会社は、顧客から預かった種銭を分別管理制度により厳格に保護することが義務付けられています。
分別管理が守られている限り、預けたお金には勝手に手を付けられないということになり、
万が一証券会社が破綻したとしても投資者にダメージは無いわけです。

しかし、この制度を守らない輩が現れたときが問題です。
破綻したということはお金も無いですし、投資者のお金にも手を付けて毀損している…
こんなことがあるようでは一般人は安心して余剰資金を投資に振り向けることができません。

そこで、こういった事態を防止するために投資者保護基金を設立し、
万が一の事態のなかのさらに万が一の事態に備えているということです。

このとき、投資者が預けたお金に対して保護されるのは一人当たり1,000万円までとなります。
「いや、少ないでしょ!」と思う方もいるかもしれませんが、
僕のような大貧民の資金力では3回生まれ変わっても到達し得ない金額であるため、とりあえず一生安泰です。
この辺の金額については人によって認識の違いが如実に現れることは間違いないですね…

投資者保護基金について詳しくは以下↓
日本投資者保護基金HP

消費者契約法・金融商品販売法

これは意味不明な押し売りとかから消費者を守るための法律です。
そもそも消費契約において、プロである販売者側と素人の消費者側には、
圧倒的な交渉力の格差や情報の非対称性があります。
そのため、めちゃくちゃな勧誘などによって
「どう考えてもいらんだろこれ」ってものをうまいこと買わされる危険もあるわけです。

それに対抗するため、一定の条件に当てはまる場合には、
その消費契約を取り消したり、契約の一部又は全部を無効にすることができる。
というのが、この消費者契約法です。

具体的には、いらんって言ったのに勧誘がしつこい、嘘ばっか、逆に不都合な事実は隠蔽、とか、
いらないから帰ろうとしたところ「しかしまわりはかこまれてしまった!」状態の場合には
不適切な行為があったとして契約を取り消してしまうことができます。

また、消費者側に不当に不利な契約については、
契約における当該不利な条項を無かったことにできます。
例えば「当製品はまれに爆発することがありますが、当方では一切の責任を負いかねます。」
みたいなのはダメってことでしょう。

これは今後高齢化が進むなかで非常に重要となってくる法律だと思います。
今後、新しい悪徳商法が次々出てくることは間違いありませんので、
この対抗措置についても絶えずブラッシュアップしていっていただきたいと思います。

これと似たようなものに、金融商品販売法というのもテキストにはありました。
こっちは金融商品の販売に際して、業者が守らなくてはならない法律のようです。

制度の対象となる金融商品は先物取引やゴルフ会員権などを除くほぼすべての金融商品で、
販売時に重要事項の説明が義務付けられています。
これを怠った場合に顧客が損失を被ったとき、
販売業者は損害賠償義務を負うことになるとのことでした。

「重要事項の説明」っていろんなところで出てきますね。
いざ、何か契約するときにはほとんど聞いてないのが実情ですが…

金融商品取引法

これは金融商品の取引に関して投資者を保護するための法律です。
金融商品取引法と会社法(旧商法)、税務会計を並べて
「トライアングル体制」なんて習った記憶がありますが、中身はすべて忘れました。

この法律では、投資家を「一般の投資家」と「特定投資家」に区分して規制しているとのこと。
特定投資家ってなんだよ、と思ったら以下のHPに記載がありました↓
金融庁HP 特定投資家に関する情報

で、投資者保護のための法律ですので、当然金融商品取引業者が守るべきルールについて規定されているわけです。
このうち、本試験で出題されそうな気がするのは「断定的判断提供の禁止」とか
不適切な勧誘を行ってはならないとする「適合性の原則」とかでしょうか。

他にもいくつかルールがありますが、上記二つも併せて、
どれも当たり前すぎる内容であるため、ここも引っ掛け問題だけ注意すればいいかなって感じだと思います。

テキストの金商法のところにはもうひとつ論点がありました。
金融ADR制度(金融分野における裁判外紛争解決制度)とかいうやつです。
これは金融機関と利用者の間で生じたトラブルについて、
裁判所ではなく指定紛争解決期間が何とかしてくれる制度のようです。

その、「指定紛争解決機関」ってどこなのって話ですが、
これも金融庁のHPに載ってました↓
金融庁HP 指定紛争解決機関一覧

利用は原則無料とのことですが、
「紛争を解決する」ことが目的であり、中立的な立場で対応してきますので、
全面的にこちらの味方をしてくれるわけではない、ということには注意が必要です。

最後に

預金者や投資者、消費者を保護するための法律は他にもあるみたいで、
一つ一つ挙げていったらきりがなさそうです。
ただ、このぐらいガチガチにしておかないと素人である僕らの権利は侵害されっぱなしになることは間違いないと思います。
ゆえに、ちょっと分量が多いですが、この項目については時間をかけてでもまともに覚えておいて、
試験対策のといった目的を超えて日常生活に役立てるよう心がけるのが最善であると考えます。

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