FP2級(3級も)・宅建試験・行政書士試験などといった、「マークシート形式またはそれに近いもの」で解答を行う資格試験は多く、これまでにそのような試験を経験したことがある、という方も結構居られることかと思います。
このマークシート形式での資格試験における出題パターンとして多いのは、「以下から正しいもの/誤っているものを選択せよ」とか、「妥当なものの組み合わせはどれか」、それから「正しいもの/誤っているものはいくつあるか」というような感じでしょう。
それらのどのパターンが多くなってくるのか?については資格試験ごと、様々な形式がありそれによって試験対策上の問題演習のあり方も変わってくるはずです。
では、このような資格試験の問題形式に上手く対応するためには、どのような問題集を用いていくのが良いといえるのでしょうか?今回の記事ではそのあたりについていろいろと考えていくことにします。
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多くの問題集が当てはまる2つの問題形式
マークシート形式、または単発で解答欄に数字を記入するなどといった、それに近いような出題形式の資格試験に対応する問題集は、一般的に「2つのタイプ」に分かれていることが多いように思えます。
そのうちひとつのタイプは「一問一答式」の問題集です。左ページに問題があり、右ページにそれに対応する解答と解説が並んでるような感じで、僕もFP2級の問題集はこの形式のものを使いました。
それから、今チャレンジしている行政書士試験の参考書籍のうちひとつである「ケータイ行政書士」は、ちょっとタイプは違うものの「一問一答式」の問題が収録されています。
もうひとつは、「本試験と同様の形式」の問題が収録されているものです。
“本試験と同様”といっても、資格試験ごとに「4択問題」だったり「5択問題」だったり、行政書士試験のように「多肢選択問題」が出題されるものなどいろいろとありますが、その形式に合わせた問題集ということです。
このタイプのものは「FP2級のときに使った過去問集」、「宅建試験の問題集」、それからついこの間購入した「行政書士の問題集」あたりを使ったことがあります。
で、そのような「本試験形式の問題集」は、どうも「過去問を厳選して収録」しているものが多いようでした。つまりい、どちらかというと問題集というより過去問集といった感じのものである可能性が高いです。
一問一答形式の問題集を使う場合のメリット・デメリット
では、ここからはそれぞれのタイプの問題集を使ったときに得られるメリットとデメリットについて考えていくことにします。まずは「一問一答形式」の問題集に関してです。
一問一答形式の問題集の良さは、何といっても「ひとつひとつの問題を解いていくことに時間を要さない」というところでしょう。
あまり時間の取れないときであっても「1ページだけ」とか、それこそ「1問だけ」問題を解いて、解説を読んでおくということもできます。ページ単位でやってもそこまで時間はかかりませんし、キリの良いところもちょくちょくあるはずです。
また、別にキリの良いところまでやらずとも、最後に解答した問題(またはその解答解説)の横に付箋などを貼っておけば、次に始めるときにどこまで進んでいたかを判断することができます。
一方、一問一答形式の問題集のデメリットとしては、「本試験の問題を解く練習には適さない」ということが挙げられます。
そもそも本試験の問題形式とは全く違うものとなるわけですから、一問一答だけの問題集を使い、そのまま本試験に臨んだ場合には「ちょっとやり辛い…」とか、「思ったほど解けない…」とかそういったことになってしまうようなことも考えられます。
もちろん、ひとつひとつの論点について回答を要求される可能性が高い視点などをしっかり確認してありさえすれば、冷静に問題文を見ることによってその選択肢が正しいのかどうかを判断することができるはずです。
ただ、いくつも並んだ選択肢の中からひとつだけ「正しいもの/誤っているもの」を見つけるとなると、純粋に「○か×か?」だけでなく、消去法で選択肢を消していかないと解けない問題も作れますし、それ以外にも「小手先」を使わなくてはならない問題が出てくる可能性があります。
一問一答形式の問題集ではそのあたりを練習することができませんから、この点に関しては「デメリット」と言って良いのではないでしょうか?
本試験形式の問題集を使う場合のメリット・デメリット
次に、「本試験と同様の形式」で構成されている問題集です。
こちらは先程の一問一答形式とは反対に、本試験問題を解くために必要なスキルを身につけることが可能になります。
上でも少し触れたように、本試験形式の問題集は「過去問」を流用しているものが多く、それなりに「この論点はこんな感じで聞いてくるんだな~」とかもわかりますし、その資格試験の問題の構成なんかもかなりしっかり把握することができます。
しかし、この形式の問題集は「1問を解くのにかなり時間がかかる場合がある」というデメリットがあります。
問題によってはサッと解けてしまい、解説もそこまで濃くないものもありますが、どの資格試験対策問題集であっても、長い問題文、各選択肢に関する詳細な解説などを有する問題が多く、1問あたり5分も10分ももっていかれることはザラです。
また、その問題ひとつを解き、解答解説を確認するのに時間を要するというだけでなく、その問題の内容(例えば選択肢のひとつなど)が次の問題の解答要素とも繋がっており、連続して問題を解いていくことによって「重要な箇所」に関する知識を固められるような流れになっていることもよくあります。
一度確認した内容をその後すぐに「アウトプット」し、さらにそれにも解説が付いてきてもう一度確認するという行動は、かなりの勉強効果があるものであるはずです。
そのような流れを断ち切らないためにも、本試験形式の問題集は細切れではなく「時間を取って」、できれば大きな論点の問題群ごとなどの区切りでやっていくべきなのでしょう。
そういった点も含めて、やはり「本試験形式」の問題集は「十分な時間があるときしか手がつけられない」というデメリットをもっているように思えます。
まとまった勉強時間が取れるなら本試験形式、スキマ時間利用なら一問一答
こう見ると、一問一答形式と本試験形式の問題集それぞれの「メリット・デメリット」には、「まとまった勉強時間が取れるかどうか」ということが深く関わってくる、ということがわかります。
よって、もし資格試験対策において「ある程度まとまった勉強時間が確保できそう」という場合には本試験形式の問題集を、「スキマ時間だけでなんとか遣り繰りしていきたい」という場合には一問一答形式の問題集を中心にやっていくべき難じゃないかと考えます。
もちろん、両者を併用して時間があるときとないときで使い分けていくのが最善ではありますが、まだ問題演習をやり始めたばかりでとりあえず1冊、とかいう場合にはそのような選択基準いくのが最も良いはずです。
他にもいろいろと考え方はあると思いますが、とりあえず僕の考えた結果ではこの結論に至りました。
まとめ
今回は「マークシート形式」、またはそれに近い出題形式の資格試験、例えばFP技能検定や宅建試験などの対策で使う問題集について、よくある「一問一答形式」と「本試験と同様の形式」のもののどちらを選択すべきなのか?について少し考えました。
結論としては、まとまった時間が取れるなら本試験形式のものを、スキマ時間のみ使っていくのであれば一問一答形式を、ということになりましたが、ここで挙げられていない、僕が気がつかない選択基準もいくつもあるはずです。
特に、このような選択をするのは「資格試験の問題演習を始める最初の1冊」であることが多いはずですから、本試験までのモチベーションを保つためにも、効率よく勉強を進めていくためにも、どうするべきなのか慎重に検討して問題集を選んでいくべきでしょう。