行政書士試験に向けて試験対策をしていますが、やはりというか何というか、法律を扱う資格だけあって「○○日以内に」とか「過半数を超える」とかそういった類いの「数字」がやたらと登場する印象です。
で、それをひとつひとつ、範囲ごとにしっかり覚えていくのは相当困難なことのように思えます。まだ勉強を始めたばかりなので何ともいえませんが、おそらく「全部完璧に」というのは無理なんじゃないかと…
そこで、今回は行政書士試験の「法令」の範囲で出てきそうな「数字」を、可能な限り列挙して、それをもとに今後の試験対策で上手いこと暗記できるようにしていきたいと考えました。
ということで今回は、行政書士試験に関して、「憲法」「民法」「行政法」「商法・会社法」に分けて、各範囲ごとに「試験で問われそうな数字」を確認していこうと思います。
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憲法で出題されそうな数字
まずは憲法から、この範囲は行政書士試験での出題割合はそう高くはないのですが、国会と内閣のところで結構いろんな数字が出てくるため、ある程度確認しておきたいと思います。
特に、「法令」の範囲ではなくもしかしたら「一般知識」の方で出題されるんじゃないかというようなものもありますので、全部きっちり押さえていきたいところです。
国会と内閣の数字
- 衆議院議員の任期は4年、参議院議員は6年
- 通常国会の会期は150日
- 衆参両議院はそれぞれ総議員の3分の1以上の出席があれば議会を開くことができる。議決は原則出席議員の過半数。
- 法案が衆議院で可決されその後参議院で否決された場合、再び衆議院で出席議員の3分の2以上の賛成があれば成立する。
- ただし60日経っても参議院がその法案について議決しない場合、衆議院はそれをもって参議院が法案を否決したものとみなすことができる。
- 資格争訟裁判で議席を失わせる場合、議員の除名、秘密会を開催する場合には出席議員の3分の2以上の同意が必要。
- 憲法改正の発議には両議院で総議員の3分の2以上の賛成が必要、その後の投票で過半数の同意があれば憲法は改正される。
- 衆参どちらかの議院の4分の1以上の要求がある場合、内閣は臨時国会を召集する。
- 衆議院で内閣不信任決議があった場合、内閣は10日以内に衆議院を解散することができる。解散しない場合は総辞職。
- 衆議院が解散した場合は40日以内に解散総選挙を実施し、その後30日以内に特別国会を召集する
- 予算及び条約は参議院が30日経っても議決しない場合には、衆議院の議決を国会の議決とする。
- 内閣総理大臣の指名は参議院が10日経っても可決しない場合には、衆議院の議決を国会の議決とする。
- 内閣の過半数は国会議員でなくてはならない。
裁判所の数字
- 下級裁判所の任期は10年、最高裁判所には任期がない。
- 最高裁判所の定年は70歳。
- 下級裁判所の定年は65歳、ただし簡易裁判所は70歳。
民法で出題されそうな数字
続いて、行政書士試験の「民法」の範囲で出題されそうな数字について確認していきたいと思います。
民法の範囲では、時効を中心にいくつも「数字」が出てくることになるわけですが、行政書士試験の他の出題範囲と比べてボリュームがある分、いきなり出題の可能性があるもの全部をここにリストアップするのは困難です。
というか、テキストにも記載が無いような「マイナーな数字」というものの方が多いぐらいでしょうから、そういったものがこれからの試験対策で見つかり次第、順次リストに入れていくことにします。
民法総則の数字
- 詐欺・脅迫による取消は追認できるときから5年間、行為のときから20年間経過した場合にはできなくなる。
- 所有権の取得時効は善意無過失の場合は10年、悪意または有過失の場合は20年。
- 債権は10年間行使しない場合、その権利が消滅する。
物権の数字
- 即時取得された物品が盗品もしくは遺失物の場合、盗難または遺失のときから2年を経過していない限り回復請求ができる。
- 遺失物を拾得した場合、このことを公告して3ヶ月間所有者が出てこないときには、拾得者が所有権を取得する。
- 共有物の賃貸などの管理行為は持分の過半数、売却などの変更行為は全員の同意が必要。
- 隣地との境界線付近に建物を建築する場合、境界線から50cm以上の距離を保つ必要がある。
債権の数字
- 金銭債務の不履行の場合、約定利率があればそれに従うがなければ年5%の法定利率とする。
- 詐害行為取消権は、債権者が取り消しの原因となる行為を知ったときから2年間、行為のときから20年間経過すると消滅時効にかかる。
- 一部他人物売買で善意の買主ができることは、その事実を知ったときから1年間、悪意の買主が代金の減額を請求できるのは契約時から1年間。
- 数量が不足していた場合、善意の買主が解除・賠償請求・代金減額請求できるのは知ったときから1年間、悪意の買主は何もできない。
- 購入した土地に地上権が設定されていた場合、善意の買主が解除・損害賠償請求できるのは知ったときから1年間、悪意の買主は何もできない。目的物に隠れた瑕疵があった場合も同様。
民法では「売主の担保責任」のところが重そう
行政書士試験で出題されそうな「民法」の数字に関しては、最後の相続のあたりをカットしてしまいましたが、もし時間があったら追加する予定です。
で、この範囲で最も覚えにくい「数字」は、どう考えても売主の担保責任の辺り、「善意・悪意の買主が何をできるのか?」「いつから1年間なのか?」といったところでしょう。
これは宅建試験のときも苦労しましたし、行政書士試験でもごちゃ混ぜにして引っ掛け問題として出題されそうな感じです。間違えないように、何度も確認して完璧にしておきたいところです。
行政法で出題されそうな数字
次は行政書士試験のメイン範囲である「行政法」で出題されそうな数字を確認していきます。
この範囲は民法と比べるとそこまで「よくわからない数字」とか「何を根拠にその数字にしたのか?」というようなものを覚える必要は少ないように思えますが、それでも数は多いですし、「似たような内容」で「少し違う数字(3ヶ月とか6ヶ月とか)」がありややこしい印象です。
特に「地方自治法」のところでは、行政法の中ではなく「憲法」の範囲で出題されそうな数字と混同しやすいように思えます。行政書士の本試験でヤラれないよう、注意しておきたいところです。
行政法の範囲で出題されそうな数字を全部きっちり押さえるのはなかなか大変そうですが、テキストを含む参考書籍その他から、徐々に吸収していこうと思います。
行政手続法の数字
- 聴聞の通知で、名宛人の所在がわからない場合には「公示送達」をし、2週間を経過したときに通知が到達したものとみなす。
- 命令等を制定する場合の「意見公募手続」では、原則として30日以上の意見提出期間が必要。
行政不服審査法の数字
- 審査請求では3人を超えない「総代」を選ぶことができる。総代は代理人と違って審査請求の取り下げができる場合は無い。
- 処分には「不可争力」があるため、審査請求ができるのは処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月経過した場合、処分があった日の翌日から起算して1年を経過した場合には不可。ただし「不作為」の場合には特に期間はない。
行政事件訴訟法の数字
- 処分には「不可争力」があるため、出訴期間は処分があったことを知った日から6ヶ月経過したとき、処分があった日から1年経過したときに終了し、以降取消訴訟はできなくなる(正当な理由がある場合を除く)。
- また、審査請求をした場合にはその裁決があったことを知った日から6ヶ月経過したとき、裁決があった日から1年を経過したときまでとなる。
- 審査請求を前置する必要がある場合でも、審査請求があった日から3ヶ月を経過しても採決がなされない場合には取消訴訟ができることになる。
国家賠償法の数字
- 加害公務員に対して「求償」できるのは民法の消滅時効と同じ10年まで。
地方自治法の数字
- 「市」となるために必要な人口は5万人以上
- 指定都市の人口は50万人以上、中核市は20万人以上。
- 長や議員の選挙権は18歳以上の日本国民で3ヶ月以上住所がある者。
- 地方議会の被選挙権は選挙権あり、かつ25歳以上の者。
- 都道府県知事選の被選挙権は30歳以上の日本国民。
- 市町村長選の被選挙権は25歳以上の日本国民。
- 条例の改廃・事務監査の請求は有権者の50分の1以上の署名。
- 議会の解散、長・議員の解職請求は有権者の3分の1以上の署名を選挙管理委員会へ。過半数の同意で解散または失職(最初の1年は請求できない)
- 地方議会の議員を除名する場合、3分の2以上の出席とその中の4分の3以上の同意が必要。
- 議会は議員の3分の2以上の出席とその4分の3以上の同意で長の不信任決議をすることができる。
- 議会が長の不信任決議をしたときは、長は議長からその通知を受けた日から10日以内に議会を解散できる。
- 長が不信任決議により議会を解散させた場合、その後初めて招集された議会で3分の2以上が出席とその過半数の同意があれば、長は失職することになる。
- 議会が条例を議決した場合、3日以内に議長から長へ送付し送付を受けてから20日以内に公布する。
- 公の施設の廃止・長期独占的な利用をさせるには、出席議員の3分の2以上の同意が必要。
行政法の範囲では「地方自治法」が圧倒的に数字が多い
見ればわかるとおり、行政書士試験における「行政法」の範囲の中で最も、というか圧倒的に「覚えなくてはならない数字」が多いのは「地方自治法」のところです。
かねてより、この地方自治法に関しては「覚え辛い」「複雑だ」という印象があったのですが、やたらと数字が多かったのがその原因なのかもしれません。
そして、行政書士試験では地方自治に関して毎年3つか4つの問題が出題されているようです。しかも、記述式が出題された年もあるようです。
そうなると、ここに挙げた大量の数字のうちひとつぐらいは出題されそうな勢いですから、本試験で問題を見てサッと思い出すことができるよう、確実に押さえていきたいと思います。
商法・会社法で出題されそうな数字
最後に、商法と会社法で出題されそうな数字についても一応確認しておきます。
この範囲についてはそこまで気にすることもないかもしれませんが、それでも行政書士試験の出題範囲ではあります。ということで、商法と会社法をまとめて、目立つ数字だけザックリ見ていくことにします。
- 発起人は最低でも一株以上は引き受けなくてはならない。
- 公開会社の設立時発行株式は発行可能株式の4分の1を下回ってはいけない。
- 株主総会の普通決議は過半数、特別決議は3分の2以上の多数で議決される。
- 純資産額が300万円未満の場合、剰余金の配当はできない。
- 1事業年度に1回、取締役会の決議で配当することができる。
まとめ
これから先の試験対策で、他にも「行政書士試験で出題されそうな数字」というのが出てくるかもしれません。もし、新たに発見した際にはこの記事で「追記」というかたちで加えていこうと思います。
なお、今のところ行政書士試験に関して勉強の参考にしているのは「オンスク.JP行政書士講座」「みんなが欲しかった行政書士の教科書」「ケータイ行政書士」「みんなが欲しかった行政書士の判例集」「みんなが欲しかった行政書士の問題集」の5つです。
今後、試験対策が進むにつれて参考にする書籍等も増えてくるはずです。そしてその中には「今は知らない、本試験での出題可能性がある数字」が含まれていることもあるでしょう。
ですが、今はこのぐらいで、今年の本試験までにここに挙げたもののうちで、可能な限り数字を押さえたいと思います。入れてなかったがこれは重要そうだ、というものがあったら追加するかも知れませんが・・・
とにかくここから行政書士試験までの3週間ほど、上記の数字やそれ以外の重要な箇所をしっかり把握し、初チャレンジの本試験を少しはまともな得点で終えることができるよう、進んでいきたいと思います。