簿記試験対策「金銭債権」受取手形②~裏書と割引、営業外手形~

前回に引き続き「手形」についての記事になります。
※前回の記事は以下から↓
簿記試験対策「金銭債権」受取手形①~手形とその不渡の処理~

前回の記事では、約束手形と為替手形、およびそれらが不渡となってしまった場合の処理について確認してきました。
しかし、受け取った手形について期日まで待って換金したり、不渡になってしまったりといった結末以外が用意されていないわけではありません。
企業はその運転資金を確保しておくため、そのとき保有している手形を使って仕入代金の支払をしたり、期日前に銀行に持っていって手数料分を引かれた金額を換金してもらったりといったことをします。
これが手形の「裏書譲渡」と「割引」というやつらです。

もしもこれらのシステムがなかったとしたらどうでしょう?
企業はその債務を期日までにちゃんと支払わないといけませんよね…
でも、売上代金はまだ手形として持っており、「キャッシュがないから払えない!」というような状態になりかねません。
まぁ実際には経営陣がいろいろやりくりして何とかするんでしょうが、キャッシュがないために債務を弁済できない企業は、いくら営業で利益を出していようとも「残念な結果に終わる」ことになりそうです。
そんな事態を回避できるこれらの制度は有用なものなんですね。
もちろん、というかそれ以上に、簿記に関する試験の対策としてこの2つは外せない項目といえるんじゃないでしょうか。

今回はそのような「裏書譲渡」と「割引」について、あとついでといってはアレですが、
「営業外手形」についても確認していきます。

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手形の裏書譲渡

手形の「裏書」とは、その名の通り手形の裏面にいろいろ記入して第三者に譲渡することをいいます。
手形を譲渡することによって、その手形から得られる収入の権利を移転しているんですね。
で、もちろんこれは手形の満期日「前」に行うことができます。満期になってからだったら普通に請求した方が早いですから。

このとき、手形が不渡になってしまった場合の支払義務は手形を譲渡した側の会社にありますから、
当該手形を譲渡した会社は、一応それを保証する、というかたちで「保証債務」を計上することになります。
以下、設例とそのときの仕訳となります。

    例)当社はA社に対する掛代金100円の支払として、保有していた受取手形を裏書譲渡した。このときにかかる保証債務の金額は5円とされた。
  • 仕訳:  買掛金100/受取手形100
       保証債務費用5/保証債務5

また、問題文の指示によっては「保証債務費用」を「手形売却損」として(に含めて)処理することになる場合もあるようです。
で、ここで生じた「保証債務」については、手形が決済されたり不渡になった場合には不要なものになりますので、
その際に「保証債務○○/保証債務取崩益○○」という仕訳で解消しておきます。

保証債務の金額や取り扱いなどについては問題文のどこかに記載があるはずなので、
見落とさないよう注意する必要がありそうです…

手形の割引

次に、普通の裏書譲渡ではなく、銀行に持っていって「割引」した場合です。
期限前に銀行に持っていって換金することになると、
今度は「保証債務」に加えて「手数料的なもの」も必要になってきます。
ATMでお金を引き出すときでさえ手数料が必要なんですから、こういった場合には当然のように引かれてくるでしょう…
で、その手数料的な部分が差し引かれて、会社の当座預金なんかに入ってくるわけですが、
その「引かれた部分」について「手形売却損」で埋めることになっています。
以下、銀行で手形を割り引いた場合の設例です。

    • 例)当社は保有している受取手形100円を取引銀行で割引した。
    •  その際、割引料5円が差し引かれた95円が当座預金に振り込まれた。
    • このときにかかる保証債務の金額は5円とされた。
  • 仕訳:   当座 95/受取手形100
       保証債務費用5/保証債務5
    手形売却損5/

というようになります。
当座に入ってきた金額は手形売却損が差し引かれた95円になっています、
保証債務は裏書譲渡の場合と同じです。
また、このときも「保証債務費用」を「手形売却損」に含めて処理する可能性があります。

現状、実務的にはこちらの「割引」の方が裏書譲渡よりも多いようなんですが、
試験対策上はどうなんでしょうね?
まぁどちらも出題の可能性は高そうですし、しっかり覚えておく必要があるかと思います。

営業外手形

売上や仕入といった営業上の取引以外でも手形を使う可能性があります。
このときは普通の手形とは区別して「営業外受取手形」または「営業外支払手形」として処理することになります。
出題されるのは、固定資産や株なんかのの購入・売却で手形を使った場合の処理となりそうです。
ふだんあんまりこのことについて意識することはありませんが、
もし出題された場合、きちんと分けて処理することを怠ると、それだけで2箇所も不正解になってしまう可能性があります。
よって、最低でも”普通の手形とは分けるんだな・・・”ということを覚えておかなくてはなりませんね。

まとめ

手形については以上としておいて、次は「固定資産」の処理について確認していくことにします。徐々に進んでいるようですが、今確認しているのは「基礎的な部分のみ」となっていますので、今後、もっとハイレベルな内容について、手形の項目が出てくるかもしれません。

※今後手形に代わって重要になってきそうな「電子記録債権・債務」については以下から↓
簿記試験対策 日商簿記1級から降りてきた「電子記録債権」とは?

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