ファイナンシャルプランナーと日商簿記、どちらを先に取得すべき?

今回はFP(ファイナンシャルプランナー)と日商簿記に関して、「資格を取得するのならどちらを先に(優先して)取っていくべきか?」といったことについて考えてみようと思います。

FP2級と日商簿記2級については以前、難易度について比較をしたことがありますが、そのときはやはり一般に言われるように「日商簿記2級の方がより難易度が高いのでは?」という結果に落ち着きました。

では、実際にこの2つの資格を取得した場合、どちらの方がより”使える資格”といえるのでしょうか?

今回の比較では「業務上(仕事上)」と「日常生活」で役に立つのはどちらか?ということと、総合的に考えてどちらの資格がより使えるのか?という3つに分けて考えていきます。

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Contents

業務上使えそうなのはやはり日商簿記

まず、「業務上、というか仕事などで役に立ちそうなのはどちらの資格か?」ということですが、これに関しては「日商簿記」の方が使える場面は多いのではないでしょうか?

日商簿記の2級や3級を取得しておけば、経理に関する知識を様々な場面で活かすことが可能になりますし、それ以外でも「商品の先入れ先出し」、つまり小売店などでよくやる「後から入ってきた(できた)商品を棚の後ろ側に、先に陳列されていた商品を棚の前側に置く」などという行動に関する理解も深まるでしょう。

また、日商簿記では2級の試験から工業簿記に関する出題があります。工業簿記に関する知識が身についていれば、製造業での原価計算などにも役立てることができそうです。

個人事業主として活動している場合にも税務上経理は必須ですし、「ある程度まで自分でやっていきたい」と考えている場合には日商簿記3級の資格を取得するとかなり日頃の帳簿管理などが楽になるはずです。

さらに、会社の求人内容として「日商簿記2級程度」や「日商簿記3級以上」などの要件を設けているところも特に経理関係の求人では多いといえるのではないでしょうか?

逆に言えば、特定の業界を除けばでファイナンシャルプランナーに限った求人というのは少ないように思えます。

そもそもファイナンシャルプランナーは「主に個人のライフプランや金融資産運用など」を中心とした知識に関する資格といってよく、企業間の取引で使えるような内容に関しては日商簿記の資格の方が関連する部分がはるかに多いでしょう。

このようなことから、保険業界など、ファイナンシャルプランナーの資格が非常に役に立つであろう業界以外では「日商簿記の方が業務上役に立つし有利」と考えるのが妥当ではないかと思います。

ファイナンシャルプランナーの資格は「自己の資産管理」などに非常に役立つ

今度は「自分の日常生活上、どちらの資格がより役に立つのか?」について考えてみます。

見出しにもあるとおり、日常生活でより役に立つであろう資格は「ファイナンシャルプランナー」であると考えられます。

ファイナンシャルプランナーは、顧客からの相談を受けてライフプランの作成や各種保険への加入を勧めるというイメージですが、これを自分自身の生活に適用してしまえば、生活上のコストを削減したり、より効率的な資産運用を行ったりといったことが可能になるはずです。

しかも、特に誰かから相談を受けるというわけではない場合、”ある程度”の知識を得ていれば良いわけですから、別にFP1級やCFPなどを目指さなくても、FP3級・2級ぐらいまで取得しておけば十分であるという考え方もできます。

FP2級はともかく、FP3級に関しては難易度も低く、かなり取得し易い資格となっていますので、自分の家計を見直すために、そのための知識をつけるという目的で気軽に取得できることから、「そんなにガッツリ勉強している時間は無い」という方にもお勧めです。

生活コストの改善や資産運用に役立ち、ついでに言うと3級程度であれば忙しくてしかも予備知識がまるでない他業種の方でも空いた時間で取得できるという点で、「日常生活上」より役立ち、かつ取得しておきたい資格はファイナンシャルプランナーであるといえるでしょう。

なお、「別に勉強だけしておけば資格まで取得する必要はない…」と考える方もいるでしょうが、一応でも「資格」という目に見える形にしておくことで、ある程度の知識があるということの確認にもなりますし、保険会社や金融機関の職員などと話をするときも「全く無知なわけではない」感が出せてGoodだと思います。

そんなに取得コストの大きい資格ではありませんので、是非勉強するだけではなく、試験を受験しておきましょう。

結局どちらの資格を優先すべきか?

さて、業務上では日商簿記が、日常生活ではファイナンシャルプランナーの資格が役に立つということがわかったところで、もし、どちらの資格を取得しようか迷っているという場合、果たしてどちらを優先して勉強していくべきなのか?これについても少し考えてみようと思います。

まず、大前提として「勤め先などで○○の資格保有者には資格手当てがある」などの場合には迷わずそちらを取得するべきですが、その状況下で選択に悩むということはまず考えられないため、今回は「別にどっちを取得してもすぐに何か変化するわけではない場合」について見ていこうと思います。

ここで考えるべきは2点、

  • 日商簿記を取得すれば転職などで収入が増える可能性がある
  • ファイナンシャルプランナーになれば生活コストや資産運用の改善が図れる

ということです。

ここから考えた場合、日商簿記を取得して転職や異動などによる収入増を目指すよりも、今現在かかっているコストを見直し、支出減を目指す方がはるかに低リスクで確実であるように感じないでしょうか?

収入を増やすということはかなり大変なことであるのとは逆に、支出の削減については「一定の事柄について現在は持っていない知識」を新たに得ることで簡単に実践可能なものが多く存在するはずです。

そういった理由から、このブログでは「簿記か?FPか?」の選択に迷った場合には、生活コストの削減が望めるファイナンシャルプランナーの資格を優先して勉強し、取得することをお勧めします

もちろん、最終的な判断は各々が下すことですので、ここだけでなく様々な情報を仕入れ、総合的に判断した上で、試験対策に充てることができる貴重な時間をどちらに費やすのか?ということを考えていただきたいと思います。

最後に

この記事では日商簿記とファイナンシャルプランナー、どちらの資格がより役に立ちどちらを先に(優先して)取得するべきなのかについて考えました。

難易度以外にも比較されることが多いこの2つの資格試験、まずは「業務上役立てたい」と考えているのか「日常生活で役立てたい」のかをはっきりし、それに応じてどちらを優先するか考えていくと良いでしょう。

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