FP試験対策 オプション取引のプレミアム価格変動

昨日の続きです。↓
昨日の記事はこちら

FP2級のテキストではデリバティブについて3級より細かく記載されていました。

試験対策として覚えるべきデリバティブ取引は、

  • 先物取引
  • スワップ取引
  • オプション取引

の3つの取引のようです。

このなかで最も強敵になりそうなのがオプション取引だと思いました。
オプション取引に付される「プレミアム」が様々な要因によって変動し、
その要因ごとにコール(買い)/プット(売り)オプションで同じ方向に動いたり逆の方向に動いたりしてややこしいからです。

今日は、そんなオプション・プレミアムの変動方向を
「要因」ごとに「コール/プット」に分けて記載していきたいと思います。

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Contents

 プレミアム変動要因1:原資産価格の変動

原資産価格の変動によりプレミアム(オプション価格)が影響を受けます。
この要因では、オプション価格の変動方向はコールとプットで逆になります。
では、それぞれについて見ていきましょう。

コール・オプション

原資産価格が上昇:オプション価格が上昇
原資産価格が下落:オプション価格が下落

プット・オプション

原資産価格が上昇:オプション価格が下落
原資産価格が下落:オプション価格が上昇

コール・オプションは原資産の価格が上がれば上がるほど、逆にプット・オプションは下がれば下がるほど権利行使時の利益が大きくなります。
これはオプションを売る側にとっては原資産の価格が上昇すればコールで、下落すればプットで権利行使による損失が発生する可能性が高くなるということです。
そのような場合にはオプションを売る側としてもリスクに応じたプレミアムを設定することになります。
したがって原資産の価格が上昇した場合にはコールのプレミアムが上昇(プットは下落)、
下落した場合にはプットのプレミアムが上昇(コールは下落)することになります

 プレミアム変動要因2:満期までの期間の長さ

コール・オプション

満期までの期間が長い:オプション価格が上昇
満期までの期間が短い:オプション価格が下落

プット・オプション

満期までの期間が長い:オプション価格が上昇
満期までの期間が短い:オプション価格が下落

オプションは満期まで行使されなかった場合にはその権利が消滅してしまいます。
権利が消滅するということは、オプションを売った側にとっては受け取ったプレミアムの分が丸儲けになるわけです。

オプションの権利が消滅するまでの期間が長い場合、相場の変動によって「権利を行使すべき」状態になる期待が高くなり、逆に期間が短ければそこまで変動する可能性は低くなるでしょう。

よって、満期までの期間が長ければコール/プットともにプレミアムは上昇し、短ければどちらも下落します。

 プレミアム変動要因3:原資産の価格から見た権利行使価格

コール・オプション

原資産の価格に対して
行使価格が高い:オプション価格が下落
行使価格が低い:オプション価格が上昇

プット・オプション

原資産の価格に対して
行使価格が高い:オプション価格が上昇
行使価格が低い:オプション価格が下落

原資産の価格に対して権利行使価格が高いということは、
コールであれば権利を行使できる可能性が低く、
逆にプットであれば権利行使価格に近い、つまり売り手にとって権利行使による損失発生のリスクが高いということになります。
したがって、この場合はコールで低く、プットで高いプレミアムが設定されることになります。

原資産の価格に対して権利行使価格が低い場合はその逆になりますね。

例)原資産価格100円のとき
コールオプション:権利行使価格110円(高い)・権利行使価格101円(低い)

  • 110円はさすがに行きそうもない←プレミアムは低い
  • 101円なら超えて行きそう←プレミアムは高い

この変動要因が一番混乱しそうですね・・・
もし出題されたときにやばそうだったら図とか描いてみて対処します。

 プレミアム変動要因4:ボラティリティーの高さ

コール・オプション

ボラティリティーが高い:オプション価格が上昇
ボラティリティーが低い:オプション価格が下落

プット・オプション

ボラティリティーが高い:オプション価格が上昇
ボラティリティーが低い:オプション価格が下落

ボラティリティーは資産の変動可能性を示す指標です。
これが高いということは上であれ下であれ原資産の価格が大幅に変動する可能性が高いということになります。
この場合、支払ったプレミアムの金額に損失が限定される買い手とは逆に
「オプションの売り手側は巨額の損失を抱えるリスクがある」ということになります。

したがってボラティリティーが高い場合にはプレミアムはコール、プットともに高く、
逆に低ければ売り手のリスクも減少するためプレミアムも低くなります。

 プレミアム変動要因5:短期金利

コール・オプション

短期金利が上昇:オプション価格が上昇
短期金利が下落:オプション価格が下落

プット・オプション

短期金利が上昇:オプション価格が下落
短期金利が下落:オプション価格が上昇

短期金利によるプレミアムの変動についてはテキストには記載されていなかったため、さらっと行きます。

金利が上昇すると、将来権利を行使するときの「行使価格の割引現在価値」が低下することになります。
※割引現在価値:将来キャッシュフローを一定の利率で割り引いた現在の価値

これによってコールではプレミアムの上昇、プットでは下落となるそうです。
ただ、これによる影響は限定的だそうです。

 まとめ

オプションのプレミアムは上記の要因によって変動します。
実際にはこれらの要因が複雑に絡み合って価格が決定されるわけですが、
試験対策としては個別の要因ごとコール・プットで上昇か下落かということを覚えておくべきだろうと思いました。
なんだかごちゃごちゃしているので、勘違いしたり引っ掛け問題にやられたりといった事が無いようにしたいです。

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