今がチャンス?たんまり貰っても贈与税が非課税になる特別措置

相続税・贈与税の試験対策をしていると、
贈与税に関しては原則課税される分が110万円を超えたら税金が発生してくることになるように思えます。
確かに、配偶者控除があったり、相続時精算課税を適用したりと、それを避けるいろいろな方法はあります。
それでも、配偶者控除は婚姻期間が20年以上の配偶者(当然)でないとダメ、相続時精算課税は一度適用したら元に戻せない、
などで結構大変に思えます。

そんな中、

  • 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
  • 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
  • 直系尊属から結婚、子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税

という3つの選択肢は、一番ありがちな「親⇒子」みたいな贈与に関する部分をカバーしているため、すごく輝いて見えます。

で、すごく有能なこれらの選択肢なんですが、実は相続税法の規定によるものではなく、
租税特別措置法による時限立法なんですね。

確かに条文を見ると、どれも「平成3×年○月31日までの間に・・・」という期間の定めがあります。

ということはこれらはそのうち無くなってしまうんでしょうか?やるなら今なんでしょうか?なんともいえません・・・

では、今日はその3つの特別措置について一つ一つ確認して行こうと思います。

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Contents

 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

この規定では、平成33年12月31日mでの間に直系尊属から住宅取得等資金を貰った
「特定受贈者」↓

    • 贈与年の1月1日において20歳以上(1月2日生まれの場合は残念!)
    • 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下

である居住/非居住無制限納税義務者

が、翌年の3月15日までにその貰った全額を

  • 住宅用家屋の新築、取得、増築等
  • 住宅用家屋の敷地の用に供されている土地等の取得

に充てた場合に、その日までにその住宅用家屋を居住の用に供するか、
その後遅滞なく居住の用に供されることが確実である場合に適用できます。
※他にも細かい要件があるみたいです

で、当然非課税となる限度額があるわけですが、
これが「エネルギー使用の合理化に著しく資する・・・」とか
「地震に対する安全性が・・・」とか
さらには贈与を受けた年によっても限度額が換わってきます。

詳しくは国税庁HPに記載されていましたが、
これ、全部覚えなくてはならないんでしょうか・・・

また、この特別措置の適用を受けた場合でも、
翌年の12月31日までにその住宅用家屋を居住の用に供していない
ときにはアウトになってしまうみたいです。
もちろん、黙っていてもこの規定の適用を受けることができるわけではなく、
しっかりと手続きを行わなくてはなりません。

手続きについて大原の「理論サブノート」では、
一定の事項を・・・一定の書類を・・・みたいないつもの感じでした。

 教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

この規定は、平成31年3月31日までの間30歳未満の個人

  • 直系親族と信託会社との間の教育資金管理契約に基づいて信託受益権を取得した場合
  • 直系尊属から贈与された金銭を教育資金管理契約に基づき預貯金として預け入れた場合
  • 教育資金管理契約に基いて直系尊属から贈与された金銭をもって金融商品取引業者で有価証券を購入した場合

の、3つの要件に該当するとき、
その財産について1,500万円までの金額が課税価格に算入されない。
というものです。

「教育資金管理契約」てなに?と思ったんですが、
この契約を金融機関と結ぶことによってただ贈与したのではなく、
教育資金に充てるためのものだと主張できる・・・といったところでしょうか。

なお、この措置の適用を受けるためには2種類の書類を提出する必要があるようです。

  • 教育資金非課税申告書
    ⇒預け入れの日までに金融機関経由で所轄税務署長へ提出
  • 領収書等
    ⇒教育資金の支払に充てた金額を払い出す場合はその日から1年、
    それ以外ならし翌年の3月15日までに金融機関へ提出

つまり最初にはじめるときと途中で学費を支払った場合に書類の提出義務が生じる、ということですね。

では、この契約はどのような場合に終了するのでしょうか。

教育資金管理契約の終了日
  • 受贈者が30歳になった日←30歳未満での適用なので
  • 受贈者が死亡した日←死んでしまっては使えません
  • 教育資金管理契約に係る財産の価格が零となった場合受贈者と金融機関の間で契約を終了させる合意があったらその合意に基づき終了する日←全部なくなったら終わりってことでしょう

ちなみに受贈者の死亡以外の理由で教育資金管理契約が終了した場合、
使い切っていなかった部分についてはその終了した年の課税価格に算入されてしまうそうです。

 結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税

この規定は、平成31年3月31日までの間20歳以上50歳未満の個人

  • 直系親族と信託会社との間の教育資金管理契約に基づいて信託受益権を取得した場合
  • 直系尊属から贈与された金銭を教育資金管理契約に基づき預貯金として預け入れた場合
  • 結婚・子育て資金管理契約に基いて直系尊属から贈与された金銭をもって金融商品取引業者で有価証券を購入した場合

の、3つの要件に該当するとき、
その財産について1,000万円までの金額が課税価格に算入されない。
というものです。

教育資金のときとほとんど変わらないですが、
非課税限度額が1,000万円になっているところと適用される年齢が異なります。

提出書類も終了日もほぼ一緒のようなものなんですが、
テキストでちょっと変わっていたのが「贈与者が死亡した場合」についての記載があったことです。

確かに受贈者が50歳までと考えると、教育機関管理契約の途中で贈与者が死亡する確率は高まりそうです。
この場合の管理残額は相続税のほうに移動してなにやら複雑な計算を行うようです。

国税庁HPより(ページの下のほうです)
1x1.trans - 今がチャンス?たんまり貰っても贈与税が非課税になる特別措置

 まとめ

これら贈与税に関する3つの特別措置は「時限立法」となっています。
じゃあそのうち終わるし覚える必要ないんじゃないかと思ってしまいそうですが、
こういう優秀で使える特別措置は何度も期限を延長して生存していくことでしょう。
ゆえに、こういった特別措置についても他の項目と差をつけず、対策していこうと思います。

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