FP試験対策 2級はデリバティブ取引が細かいのでしょうか

昨日手元に届いたFP2級のテキストなんですが、
分冊した「第1部」をなんとなく見ていると、デリバティブ取引のところが3級のものとちょっと変わったな、
と思ったので、今日は金融資産運用の項目の「金融派生商品(デリバティブ)」について記載していきたいと思います。

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 3級対策のテキストでは紹介程度だったものが・・・

FP3級のテキストでは、デリバティブについては1ページだけで、その存在を示す程度の内容でした。
主なデリバティブ取引3つの内容と、オプションについては一応コールとプットの違いがあることが記載してあり、それでおしまいで、ポートフォリオと同じセクションにまとめられていました。

2級対策のテキストでは、「その他の商品」としてデリバティブと金投資がセクションとして独立し、今度は金投資が紹介程度になっていました。

この中で特に、オプション取引については、その変動要因が図表を使って解説されていました。
と、いうことは「こうなった場合にはオプションのプレミアムが上がるOR下がる」みたいな問題が出るって事でしょうか?
だとしたら混乱しないように注意する必要がありそうですね。

なんにせよ、ここから深く勉強していくため、思い出す意味もこめてデリバティブ取引について基礎的な部分を以下に記載していきたいと思います。

 金融派生商品(デリバティブ)とは?

デリバティブ取引は、普通の金融商品(株とか)から派生した商品です・・・
そのままですね。
で、どういった意味を持つ商品なのかというと、「金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号)」では、
「デリバティブ取引は、取引により生じる正味の債権又は債務の時価の変動によって保有者が利益を得又は損失を被るものであり・・・」となっています。

デリバティブ取引の契約時には一切損益が発生していませんが、その後の市場価格の変動により損益が発生します。
この損益が正味の債権(勝ってる)又は正味の債務(負けてる)となり「利益を得又は損失を被る」ことになるわけです。
なお、デリバティブ取引は決済する際には「反対売買による差金決済」が行われます。
ややこしいですね。

ではデリバティブ取引にはどういったものがあるのでしょうか?

 3つの金融派生商品

デリバティブ取引で勉強すべきは、

  • 先物取引
  • スワップ取引
  • オプション取引

の3つのようです。ただ、FP2級のテキストでは「(この3つ)”など”に分類される」と記載されていたのに対し、税理士試験対策の勉強をしていたときには「この3つでだけに分類」されていました。他にもあるんでしょうか?どうなんでしょう?

とりあえずはこの3種類について、順番に内容を確認していきたいと思います。

 先物取引

先物取引は、将来のある時点で商品(たとえば国債とか)を一定の価格で売買することを約束するものです。

たとえば今日、「12月1日にある商品を1万円で購入する」契約をしたとしましょう。
12月1日になったとき、この商品の市場価格が1万円を超えていたとすれば1万円以上の価値があるものを1万円で購入できるため、買ってすぐ売ればその1万円を越える部分が利益となるわけです。
逆に1万円を割っていた場合、1万円以下のものを1万円で購入しなくてはならないわけですから、差額分の損失となります。

先物取引ではこのようにして損益が出るため、この先ある商品の価値が上がる(下がる)と予想して先に買建(売建)の注文をしておき、利益を狙うといった「投機的な」目的で使うこともありますが、もともと持っている金利狙いの商品の価格変動リスクをヘッジする目的で使うことも可能です。

 スワップ取引

スワップ取引は、将来発生するキャッシュフローを交換する取引のことです。
これは投資でFXとかやっている方にとってはなじみのあるものではないでしょうか。

スワップ取引には変動金利と固定金利を交換する「金利スワップ」や通貨間(ドル/円とか)のキャッシュフローを交換する「通貨スワップ」などがあります。
※「通貨スワップ」は以前ニュースなどでちょこっと出ていた「通貨スワップ協定」とは別物です。

金利スワップは、たとえば銀行Aから変動金利で借入をしたが、やっぱり固定金利のほうがいい!と思ったときに、別の銀行Bに固定金利を支払い、銀行Aに支払うべき変動金利の分を、銀行Bから受け取ってしまう。
というもので、これにより変動金利だったものが実質固定金利に交換され、金利の変動リスクを回避できることになります。

一方の通貨スワップは、たとえば銀行から円を借り、そのお金でドルを購入しするとします。
すると、円を借りたときに支払う金利よりドルから発生する金利のほうが高いため、その差額を受け取ることができる。
というものです。
以前、このスワップを狙った取引が流行したそうですが、現在(2017年)では高金利だったオーストラリアなどの先進国は金利1%台になり、南アフリカやトルコなどの現在でも金利が高い国は政情不安を抱えていたりと大変なようです。

スワップ取引には他にもCDSなどがありますが、テキストにも載っていないため、スルーすることにしました。

 オプション取引

正直言って一番良くわからないのがこいつだと思いました。
税理士試験の財務諸表論のテキストでは具体的な内容については割愛されていたため、あまり触れてこなかったのも原因ですが。

オプション取引は、将来、一定の価格で商品を売買する権利を売買する取引です。
結局何したいのかというと、たとえば「12月1日に1ドルを115円で買う権利を1円で買う」みたいな取引です。

で、どうなるのかというと、12月1日になった段階で1ドルが116円以上になっていれば、
「115円で1ドル買う+権利を買った分1円」なので、ドルをすぐ売れば116円を超える分が利益になりますね。
逆に1ドル115円以下になっていた場合はどうでしょう。
115円以下のドルを115円で買った場合、
「差額分+権利を買った分1円」の損失が出てしまうことになります。
しかし、オプション取引の良いところは、「権利」を買ったに過ぎないため、その権利を放棄してやればいいわけです。
そうすればどれだけドルの価格が下がっても、この場合の損失は最大1円となり、損失が拡大することはありません。

一方、権利を1円で売った側は大変です。
この場合ではドルが120円になろうが360円になろうが、権利を行使されたら115円で売ってやる義務が生じます。
つまり、オプションの売り手が被る可能性のある損失は青天井ということになります。
怖いですね・・・

このオプション取引の権利の値段(プレミアム)は様々な要因によって変動します。
オプションにはコール(買い)とプット(売り)があり、それぞれに対するプレミアムは変動要因によって同じ動きをするものもあれば、逆の動きをするものもあります。
このプレミアムの変動がFP2級の試験では出題されるだろう、というところなんで、
これの詳細について、またブログに記載していきたいと思います。

 まとめ

もし、デリバティブ取引について細かい内容が試験に出題されるとしたら、「オプション取引」が最も強敵なんじゃないかと思います。
ゆえに、この項目については他の2つもカバーしつつ、オプションを重点的に勉強していこうと思います。

また、2級のテキストには「金取引」についても記載がありましたが、紹介程度だったためほどほどにしておこうと思います。

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