厚生労働省のHPを何気なく見ていたところ(そんなもの何気なく見ているのもどうかと思いますが)、平成30年度の技能検定実施状況を示すPDFファイルの中、FP技能検定の2つ下に「知的財産管理技能検定」なるものがありました。
これは確かどこかで聞いたことがあるような無いような、という感じでしたが、ちょっと気になってしまったものは仕方がありませんので、いろいろと調べてみました。
で、この知的財産管理技能検定(知財検定)について詳しく見た感じで思ったのが「これは(いろいろと)使えそう」ということでした。
まだ受験するかどうかもわかりませんが、とりあえず今回は知財検定についてわかったこと、それに関して思うことなどについて記載していくことにします
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知財検定は「厚生労働省の検定試験」のうちのひとつ
まず、この「知的財産管理技能検定(知財検定)」という長ったらしい名前の資格(検定)は、このブログでもずっと取り扱っているFP技能検定と同じく、厚生労働省の技能検定のうちのひとつであるようです。
で、この知財検定を実施しているのは「知的財産教育協会」という団体のようで、当該団体のHPには、この検定の概要として以下のような記載がありました↓
「知的財産管理技能検定」は知財マネジメントスキルを測る国家試験です
知的財産教育協会HP「知的財産管理技能検定とは?」より抜粋
もうなんか”そのまんま”なのですがとにかくデザインやブランドなどといった「知的財産」を「マネジメント」する能力が必要で、それに関する知識を問う試験であるということはわかります。
そういえば確かこんな感じの資格が他にもあったはずです。弁理士でしたか、超難関資格のようですが・・・
でもこの知財検定では「1級」ともなるとどうかわかりませんが、おそらく「超難関で深い専門知識」というよりも「仕事上一般的に必要となる知識」を問うてくるものだと思います。
そうでなくては「厚労省の検定試験」として活用していくのには無理がありそうですから、たぶんそうだと考えてよいでしょう。
では、以降で知財検定はどのようなランク分けがされるのか?難易度や合格率はどうなのか?などといったことをいろいろと確認していきたいと思います。
段階は1級~3級、それぞれの受験資格は?
まず、知財検定は最もレベルが低い「3級」から、ジャンルによって3つに区分された「1級」までの3段階に分かれているようです。1級にある3つの区分はそれぞれ「特許専門業務」「コンテンツ専門業務」「ブランド専門業務」となっています。
試験の方法は全ての級(1級は3種類全て)で「学科試験」と「実技試験」とが存在し、3級・2級は「学科:マークシート・実技:筆記」、1級のみ「学科:マークシート・実技:筆記と口頭」ということになっています。
で、それぞれの級で学科試験と実技試験の両方に合格すると、当該級の「知財検定」に合格し、「技能士」となることができるとのこと。細かな違いはありますが、ほとんどFP技能検定と同じですね。当たり前かもしれませんが・・・
そして、知財検定は全て誰でも受験することができるというわけではなく、一定の要件を満たさなくてはならない、つまり受験資格に制限が設けられています。
「知財検定3級」に関してはFPと同様に「知財業務に従事している者または従事しようとしている者」ということになっているので、これは誰でも受験することが可能であるということになります。
しかし知財検定2級からは一定の要件を満たさないと受験することができなくなっています。
参考までに↓
知財検定2級の受験資格
- 知財検定3級の合格者
- 大学などで知財に関する単位を10単位以上取得
- 知財に関する業務で2年以上の実務経験
- ビジネス著作権検定上級の合格
- 知財検定2級の一部合格
知財検定1級の受験資格(学科試験)
- 知財に関する業務で4年以上の実務経験
- 知財検定2級合格者で1年以上の実務経験
- 知財検定3級合格者で2年以上の実務経験
- 大学などで知財に関する単位を10単位以上+1年の実務経験
- ビジネス著作権検定上級の合格者+1年の実務経験
※知財検定1級の実技試験は「その他の科目の1級合格者」と「当該科目の学科試験合格者」となるようです。
※参考:知的財産教育協会HP「受験資格」
知財検定の各級の受験資格に関しては、以前このブログでも取り上げたことがある「FP技能検定の受験資格」と似たような感じですが、どちらかというと実務研修に重きを置いているような印象です。
となるとやはり、特に実務経験もない者が受験したいと思った場合「知財検定3級⇒2級」と順番に受験していくことになるはずです。そしておそらくこれも1級まで狙うかというとちょっと微妙かもしれません、必ず実務経験が必要になってくるようですから・・・
知財検定は年3回の実施、各級の合格率は?
では次に、知財検定の各級は年に何回実施され、おおよその合格率はどうなっているのかについて確認していくことにします。
まず過去の受験データを見てみると、知財検定は「3月・7月・11月」と、年3回試験が実施されているようです。これはFP技能検定や、民間の資格試験である日商簿記検定などと一緒です。
ただ、「年3回」というのは知財検定2級と3級のみであり、1級に関しては科目ごと、やっているのかやっていないのかわからない、1回の試験で一つか二つぐらいの科目で実施がある程度です。
で、そのような状態の1級はいいとして、知財検定2級・知財検定3級の合格率を見て過去2年分ほど確認してみました(2019年9月現在)↓
2018年3月 | 2018年7月 | 2018年11月 | 2019年3月 | 2019年7月 | |
2級学科試験 | 36.83% | 49.23% | 53.89% | 44.76% | 42.16% |
2級実技試験 | 52.90% | 47.51% | 40.56% | 38.51% | 48.99% |
3級学科試験 | 53.75% | 63.03% | 63.64% | 63.77% | 67.15% |
3級実技試験 | 69.44% | 61.27% | 71.31% | 74.57% | 71.07% |
参考:知的財産教育協会HP「実施データ」より作成
かなりバラつきはありますが、知財検定2級は学科・実技とも40%~50%ぐらい、3級であれば60%~70%の割合で合格者を出しているようです。
となると、そこまで難易度が高い試験(検定)というわけではなく、ビジネス上必要となる知識、使える知識を持っているかどうかというあたりまでのものであると改めて予想できます。
とはいえ、知財検定はまだ始まったばかりの技能検定です。今後、どのような感じに推移していくか注目しておこうと思います。
受験者数はそこまで多くない模様、というか少ない
さて、知財検定の合格率を調べているときに少し気になったのですが、この技能検定、受験者数はそんなに多くない、というかかなり少なくなっています。
ほとんど受験者がいない1級はともかく、2級では学科・実技それぞれ2,000人弱、3級でもそれぞれ3,000人~3,500人の間ぐらい、ほとんどの方が学科試験と実技試験を同時に受験しているでしょうから、総受験者数もそこまで変わることはないはずです。
ただ、知財検定はまだ始まってから10年ほどしか経過していないわけですから、ここから先、何かをきっかけに知名度が上がり、受験者数が増えてくるということも考えられます。
「これからの伸びに期待」といったところでしょうか・・・
そういえばこのブログも「知的財産」、活用の道はありそう
ここまで「知財検定」についていろいろと調べて確認してきましたが、よく考えたらこのブログ自体も「知的財産」といえそうなものです。
いや、そんなに価値があるものではないですが、こうして考えて何かを書き綴って公開している以上「全くの無価値」ということはないはずです。ないと信じています。
となるとこの知財検定、ブログ記事を書く上で気をつけなくてはならないことなどを知ることができるかもしれないという点で、かなり有用なものになってくるかもしれません(僕にとっては、ですが)。
もちろん1級まで取得するなどということはないでしょうが、3級、もしいけそうなら2級まで、狙ってみても良いかもしれません。
まとめ
厚生労働省のHPで気になった「知的財産管理技能検定(知財検定)」についいて、受験資格や合格率などを中心に調べてみました。
この試験(検定)は、ブログを書いて公開している僕にとってはかなり有用なものになるかもしれません。試験の実施も年3回ありますから、どこかのタイミングでまず3級から狙ってみようかとも思います。
今後また、知財検定について何か進展があった場合には、このブログで記事にしていこうと思います。