簿記試験対策「固定資産」~有形固定資産の取得価額と減価償却~

FP2級の試験が一旦終了してから、簿記論の試験対策を基礎的な部分からやり直しています。
で、今回は今回は固定資産の取得価額や減価償却の計算について確認していこうというところなんですが、
正直、テキストなんかでこういった「基本的な内容」について記載されていても読み飛ばしてしまうことが多かったように思えます。
でも実際に固定資産、特に減価償却の計算とかって簿記の試験(検定)であればどのレベルのものであってもほぼ十中八九出題されるものかと。
そんな重要な項目についてであれば、多少時間を使ってでもこのあたりで復習も兼ねて再確認しておいた方がよさそうですね…
ってことで早速「取得価額」から見ていきましょう。

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有形固定資産の取得価額

有形固定資産、例えば「車両運搬具」や「機械装置」なんかを購入した場合、
当然ですが本体だけを本体価格で買って、誰の手も借りずに直ちに事業の用に供する!
なんてことはできるはずがありません。
固定資産を購入する際には必ず手数料だとか据付費だとかいう「付随費用」がセットになっているはずです。
簿記では、この付随費用について取得原価に含めて処理することになります。
付随費用として代表的なものは、

  • 据付費
  • 試運転費
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • その他手数料

など様々なものがありますが、それらを取得原価に含めるにあたっていくつか注意すべき点があります。
以下、そういったものについてちょっと確認していきましょう。

整地費用/地ならし費用の処理

これについてよくあるのが、
問題文で「駐車場にするため地ならし費用○○円と舗装代○○円を支払った」みたいな出題のされ方になるかと思います。
このとき、駐車場にするための費用ということで両方「構築物」にしてしまいがちなんですが、
「地ならし費用」の方は土地のためのものですので、「土地」として処理することになります。
うっかり忘れていると2箇所の不正解になってしまうので大変です。

使用開始前の借入金の利子

これは建物なんかの大きい固定資産を買って、「先に借入をしていた場合」なんかに問題になってきます。
原則として借入金の利子は「発生した期間の費用」として取り扱うことになっています。
しかしながらこれには”例外”があります。
借入金の利子のうち、建物の稼動を開始する前のものについては、
その取得価額に算入することができる。というものです。

なぜそんな例外が設けられているのか?
そこには以下に掲げる2つの根拠があるようです↓

  • 費用収益対応という観点から、稼動前の借入金利子によってこち資産の稼動から得られる収益よりも先に費用が計上されてしまうのを防ぐため。
  • 企業の負担能力を考慮するため、収益が獲得できるようになるまで利子の支払を繰延べを容認し、その繰延べの手段として原価に算入する。

2つ目とかちょっと何いってるかわかんないんですが、そういうことのようです…
これに関しては意地の悪い問題だと指示もなく自分で発見して借入金利子のうち稼動前の分を分ける、
なんてことをやってくるんじゃないかと危惧しています。

上記2点以外にもまだ注意が必要だったり、ひっかけに利用されたりするものがあるでしょうが、
とりあえず気がついたらまた書き足そうと思います。
とにかく、固定資産はそれ単体の金額ではなく、付随費用を含めて処理しよう!
あと細かい処理にも注意しながら解答しよう!ってとこでしょうか。

減価償却費の計算

土地とかを除く大体の有形固定資産は、その使用や期間の経過によって劣化してきます。
で、この劣化していく部分をあらかじめ決めておいた耐用年数に配分して、
その期間の費用として毎期の収益と対応させていくことになります。
これによって「適切な期間損益計算」とかいう奴が確立されるんですね。

この減価償却の方法として「一般に公正妥当と認められるもの」は4種類あります↓

  • 定額法(新/旧)
  • 定率法
  • 級数法
  • 生産高比例法

上記4種類の中でも重要になってくるのが上2つ、
「定額法」と「定率法」でしょう。あとの2つについてはとりあえず、
「級数法」⇒定額と定率の間を取った感じ、計算がめんどい。
「生産高比例法」⇒飛行機や車などでのみ使用できる。
ぐらいの認識でよいでしょう…ダメかもしれませんが長くなりそうなのでスルーします。
では「定額法」と「定率法」についてそれぞれ確認していきます。

定額法

まずこの「定額法」の特徴としては、その固定資産の耐用年数にわたり、毎期均等に償却できることから、取得原価を安定して各期間に配分することが可能になります。
一方で、固定資産が古くなってくるとどうしても修繕費などがかかることから、
定額法によって均等に償却していった場合、その固定資産の耐用年数の後半で、実質的な費用負担が増大してしまうというデメリットも存在します。

で、この「定額法」の計算の仕方なんですが、単純に
「取得価額×1/耐用年数」で1年分の減価償却費を求めることができます。
ただし、平成19年3月31日以前に取得していたものについては、
「(取得価額-残存価額)×1/耐用年数」という計算になります。

ただし、1年丸々使ったわけでなく、「当期に取得」した場合には問題文の指示に従ってその使用分の償却費を計算することになります(大体月割計算かと…)。
あと、問題の中で「償却率」が示されていた場合は必ずそれに従わないとなりません。
普通に耐用年数で割ると微妙にずれてきたりします。

定額法は計算も簡単ですし、得点しやすいところのようにも思えますが、
よく、「建物だけ旧定額法」とかなってる問題があります。
残存価格を入れ忘れないようにしなくてはなりません…

定率法

こっちはその固定資産の耐用期間中、毎期の未償却残高に償却率を掛ける計算方法です。
定額法と違って償却率が高く、投下資本を高速で費用かできるという特徴がありますが、
耐用年数の後半ではその償却額が激減し、お世辞にも「均等な費用配分」ができているとはいえません。

計算方法は、
「(取得価額-期首減価償却累計額)×償却率」
となっており、償却率は普通にどっかに書いてあるものを使用します。
ここでよくやらかすミスが、
×取得価額にそのまま償却率を掛けてしまう
×使用する償却率を入れ間違える
といったところでしょうか。普通に注意していれば気がつきそうなもんなんですが、
「時間がない!」と思っていると案外ミスするんですよね…

とにかく、定額法にしても定率法にしても、または他の方法が出題されたとしても、
固定資産の減価償却だけなら他のところよりもはるかに得点しやすいはずです。
地味に何回も問題を解いて、極力ミスを少なくしていくのが得策なのかもしれません。

まとめ

とりあえず今回は本当に基礎的な部分のみでした。
次回以降、もうちょっと突っ込んで「資本的支出」⇒「減損」みたいな感じで確認していこうと思います。

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