2018年、平成最後であった宅建試験を受験してきました。受験に際してはあまり勉強する期間が確保できず、また、一部の出題範囲が想定以上に難しかったこともあってかなり苦戦したものの、なんとか合格をいただくことができました。
そしてこの試験で忘れてはならないのが、宅建試験の合否を決めるボーダーラインである合格基準点が「37点」となったことです。
宅建試験は受験者数がかなり多いため、試験のデータに関しては相当な蓄積があるはずであり、その証拠に毎年の合格率が15%~17%程度と、かなり安定しています。
そして、これまで(2017年まで)は毎年変動する合格基準点も、「30点台前半~36点」の範囲に収まっており、これが上下どちらかにぶれてくることはまずないだろう、という印象でした。
それがついに、平成最後にして「上ブレ」をしてきたわけですが、そうなると今後の宅建試験、つまり「新元号以降の宅建試験」ということになりますが、それらの合格基準点はどうなってしまうのでしょうか?
また「37点」とか、場合によっては「40点以上」とかそのようなことになってくるのか?それとも今回のみのイレギュラーであり、来年以降は平常運転に戻るのか?
今回はそのあたりについて考えてみようと思います。
Contents
宅建試験は「合格率」の安定のために「合格基準点」変動している?
まず、今後の宅建試験における「合格基準点」について考えるにあたり、前提としてこの試験の「合否判定の仕組み」を改めて確認しておくことにします。
※宅建試験自体の内容等は以下の記事から↓
宅建試験では、マークシート形式の4択問題が50問出題され、各1点としてその合計得点数、つまり正解できた数がそのままその受験者の得点となり、その点数が毎年変動する「合格基準点」以上となれば合格することができます。
ではなぜ宅建試験の合格基準点は毎年変動するのか?おそらくそれは毎年の合格率・合格者数を安定させるためであると思います。逆に言えば、この合格基準点の変動があることによって、宅建試験は毎年安定した合格率を記録しているということになるはずです。
そうなると、試験の実施者側はもしその年の受験者が「予想以上にできた/できなかった」という場合には、合格率を上ブレ/下ブレさせるのではなく、合格基準点を変動させて対応する、ということになります。
その結果、今回(2018年)の宅建試験における「合格基準点37点」という事態が発生したのでしょう。
2018年の宅建試験は直後から「簡単だった」といわれていた
宅建試験では合格率を安定させるために合格基準点を変動させていると考えた場合、「試験問題が予想以上に簡単で、受験者の得点も高かった」という場合には、合格基準点を引き上げてくることになります。
そして、2018年の宅建試験では「相当に簡単だった」ということが、本試験終了の直後から様々なところで言われていたようです。その理由は複数選択問題が例年と比べて少なかったことなど様々なようでした。
そのため、今回はこれまでのように「宅建試験は36点確保できれば…」というようなわけにはいかず、もっと高い合格基準点になるのではないか?となり、その後、大手資格スクールの公表した予想でも同様に「高い予想」が頻発しており、そのようなことになる可能性はより一層高まりました。
もちろん僕の場合、初の受験であったことや独学で勉強していたことなどから、そのような「難しい/簡単」の判断をすることはできず、その時点での自分の予想は「特になし」といった感じでした。
本試験直後にそういった予想が可能なのは、おそらくスキマ時間を利用して勉強し、長期計画で何度も受験している方や、資格スクールでガッツリ講座を受講し、宅建試験自体やその出題傾向に関してかなりの知識を持っている方、およびそれらの過年度における合格者といったところでしょう。
これは「本試験での得点力」とは特に関係ありませんが、やはり「宅建試験そのものについて深く知る」という意味でも、独学よりも講座を受講した方が有利なのかもしれません。出題の傾向や過去のイレギュラーな事態なども把握していくことは、合格の可能性を上げるものではないかと思います。
38点以上という予想もあったようです…
それまで最高値ではないかと考えられていた「36点」という合格基準点を上回ることが濃厚になった2018年の宅建試験における各資格スクールの「合格基準点予想」では、やはり実際に正解であった「37点」としているところが多かったのですが、そのなかで「38点」を予想しているようなところもいくつかありました。
おそらくですが、資格スクールの公表する合格基準点の予想は「そのスクールの受講生」のデータを集め、そこから合格率をもとにおおよその点数を割り出しているのではないかと思われます。
だとすれば、もしその年そのスクールの受講生が「平均してかなりできていた」ということであれば、そこから出てくる「合格基準点の予想」というのは普通より高いものになるはずであり、逆に思ったよりできていない場合には低くなってくるはずです。
もちろん、この「算出方法」の予想は全く見当ハズレである可能性もありますが、もしそのようにしているのであれば、「毎年高い予想を出してくるところ」が受講者の平均得点も高く、”使える”スクールといえるかもしれません。
新元号以降の宅建試験における合格基準点はどうなる?
さて、ここからが本題なんですが、次回(2019年)以降の宅建試験において、合格基準点はどうなってくるのか?また36点を超えてくるのか?ということについて、素人なりにちょっと考えてみることにします。
まず前提として、僕の知っている限り、試験対策中に情報が得られた限りでは、2018年まで宅建試験において合格基準点が36点を超えてくるというようなことはなかったはずです。
そして、宅建試験は同格の他の資格試験と比べて受験者数が多く、これまでにそこから得られたデータというのも膨大になっているはずであることは冒頭でも少し触れました。
その大規模なデータを用いた出題者側が、50問ある出題の内容を調整することによって、毎年の合格率をおよそ15%~17%としたときに、合格基準点が「31点~36点ぐらい」という範囲に収まるようにしているのではないでしょうか?
しかしながら、どれだけ膨大なデータを用い、精度の高い作問をしたとしても、その年の受験者のレベルを完全に把握できるわけではありません。つまり、”必ず”予定している合格基準点の範囲内に収まるというわけではなく、絶対にどこかで”外れ値”を拾ってしまうというようなことがあるはずです。
それが2018年の宅建試験において生じたとも考えられ、受験者側の一部が「簡単だった」としたのは、出題者側の予想していた「受験者の出来」を超える実力を、多くの受験者が持っていたということになり、今回に限り例年より少し上ブレした合格基準点が選択されたのではないでしょうか?
そして、2018年の試験ではたまたまそのようなことになってしまっただけであり、宅建試験の出題者側はこれから先も引き続き蓄積されたデータをもとに精度の高い作問をしてくるはずです。むしろ2018年の結果を踏まえてさらに”いい感じ”に仕上げてくる可能性もあります。
よって、今後の宅建試験において、2018年(平成30年)のように「37点」とかそれ以上、またはその逆に30点以下の合格基準点となるのは”イレギュラーな事態”と考えるのが妥当ではないかと思っています。
もちろん、次にいつその”イレギュラー”が発生するかわかりません。もしかしたら2019年の試験で今度は基準点20点台なんてことになるかもしれません。とはいえ、特に何もなければまた30点台前半ぐらいで推移していくのではないでしょうか?
試験直後のSNSなどにはかなり参考になる情報も
最後に、2018年の試験を受験した直後、ネットなどで何か試験に関する情報が出ていないかどうかと結構検索したりしていたのですが、そこで出てくる情報のほとんどが「SNS」で発信されたものでした。
宅建試験は多くの方が受験していますし、過去に受験した方も本試験当日は何らかのアクションを起こしてくることもあり、SNSで「宅建」と検索するだけでかなりの情報が手に入りました。
しかも、そこでは大手資格スクールの解答速報や、今回のテーマである合格基準点の予想なども順次公表されています。
そしてそれらは「リアルタイム」で出てくるものであることから、準備して公開し、検索エンジンにも認識されなくてはならない普通のHPなどと違い、かなり情報が早い傾向にあります。
また、受験者数が多い宅建試験においては、本試験当日の”有名なサイト”はアクセスが集中し、そもそも繋がらない、というようなこともありえますが、SNSであればそういった心配は必要ないでしょう。
宅建試験に限らず資格試験の受験後、もし、何らかの情報を素早く得たいと考えた場合には、ネット上のサイトを漁るのではなくまずSNSの情報を確認するのがベストでしょう。
もちろん現代的な受験者の方はそのようなこととっくに知っているのでしょうが、資格試験はいろいろな層の方が受験しているものですし、僕自身も普段はSNSなんてLINEぐらいしか見ないものですから、念のため確認しておきました。
まとめ
今回は宅建試験の合格基準点に関して、2018年の試験でこれまでの変動幅を超える「37点」という結果になったことを踏まえ、これから先の試験ではどのようになっていくのか?ということを考えました。
で、今回「またもとの範囲に戻るであろう」としたのは完全に個人の予想に過ぎないものですから、実際にどうなるかは10月の本試験、12月の合格発表になってみないとわかりません。
ただ、合格基準点がどうなるか?にかかわらず、宅建試験では受験者数の上位15%程度に入ることが出来れば合格、ということになります。
つまりは、自分が他の受験者の一定割合よりも高い実力を持っていればなんとかなるわけですから、まずは「負けないように勉強する」ということを考えていくべきでしょう。