宅建試験は独学で受験すべきなのか?

宅建試験は独学で合格できるのか?このことについては受験するかなり前から考えており、難易度や合格率などを考慮したうえで、「いけるのではないか?」思い、2018年の試験ではとりあえず独学で本試験に臨みました。

その結果は「合格」となり、宅建試験に関しては独学での受験が可能であることが証明されたわけですが、正直、本試験直後には「合格できたかどうかわからない…」という、なんとも自信の持てない感覚でした。

つまり、最終的には合格できたものの、その実態はギリギリの綱渡りであり、場合によっては来年も…という可能性は十分にあったわけです。というかそちらの可能性のほうが高かったと思わざるを得ません。

では、果たして宅建試験を受験し、合格するためには「高額な試験対策講座を受講する」のと「独学でなんとかする」のと、どちらがより適しているといえるのでしょうか?

今回は、受験者ごとの状況に応じて、宅建試験を独学すべきかどうか?について考えていくことにします。

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宅建試験は割りと難易度が高い?

まず、前提として宅建試験の難易度についって確認しておきましょう。

宅建試験は毎年の合格率が15%~17%程度の範囲にほぼ固定されており、そこに収まるように合格点を変化させている試験です。つまり、受験者全体の上位15%程度の得点力がないと合格できない、という仕組みになっています。

そして、合格の基準となる点数はこれまで36点までに収まっていたものが、2018年の試験では「37点」となるなど、試験問題の難易度によっては突発的にすごいことになる可能性も示唆されました。

で、この合格率は僕が以前受験したFP2級の試験(日本FP協会で受験した場合)と比べてかなり低いものになっており、当然試験としての難易度は格段に上になっていると言えるでしょう。

このことからも、普通に独学で合格できるFP2級程度の難易度の試験とは違い、宅建試験は独学で行くべきか否か、ちょっと悩みどころなレベルの試験であると考えます。

毎日の勉強時間がどれだけ確保できるか

宅建試験を独学で受験するか、それとも資格スクールが開講している試験対策講座を受講するのかを考えるうえでは、まず、自分自身が日々、どのぐらいの勉強時間を確保できるのか?ということを考えるべきではないでしょうか?

これは宅建試験に限らず、どの資格試験にも言えることでしょうが、試験対策講座を受講する場合には、通信・通学問わず、その講義を”受講する”時間、さらには予習・復習の時間も必要になります。

そうなると、1日のうち数時間はその試験対策講座のために時間を確保して置くことが絶対であり、それができないにもかかわらず講座を取ったところで、その進行についていけず、挫折してしまう可能性が高いといえるでしょう。

ゆえに、「1日にどのぐらいの時間を勉強に充てられるか?」という点から以下の3つのパターンに分類してみました↓

1日2時間以上勉強時間が取れる

ここに属する受験者の方は、宅建試験の受験にあたり、試験対策講座を受講してもその講義の進捗に十分についていけるのではないでしょうか?

まぁ、2時間きっかりぐらいでは講義動画をひと通り見て、関連する問題を解いて、なんてやっているとちょっと時間が足りないかもしれませんが、それ以上あるのであれば普通に「講義」を受け切れるんじゃないかと思います。

このような場合にはやはり、プロの講師の方から指導を受けることができ、効率の良い試験対策をすることができる試験対策講座を受講し、確実に一発で合格することを目指していった方がよいのではないでしょうか?

1日1時間程度であれば何とか確保できる

宅建試験の受験に関しては、僕はこのぐらいの層に居ました。1日1時間と考えると結構短いように感じますがやはり結構だるいです。というか本格的に集中できるのは15分程度な気もしますが…

で、このぐらいの勉強時間が確保できるとしても、「試験対策講座を受講する」となった場合にはちょっと時間が足りないのではないかと思います。この程度だと徐々に講義の進行から送れていき、最終的に本試験までに全てを受講し終えることができないのではないでしょうか?

このため、よっぽど直前で詰め込むことができるとか、かなり無理をすれば(寝ない・休まない)もっと勉強時間が取れるという受験者の方以外は、独学で試験対策を進めていくべきでしょう。

ちなみに、僕の場合はこのようなペースで勉強していたところ、2ヶ月と10日ほどで宅建試験に合格することができました。ただ、その前に取得していたFP2級から流用された知識がかなり含まれていたのは事実です。

※以下は、独学で宅建試験を受験する場合の勉強時間について考えた記事です↓

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宅建試験に合格するまでの勉強時間
2018年の試験で宅建試験に無事合格することができました。それまでは不動産関系の資格を取得したことがなく、この合格を機に、関連する他の資格...

もし、このぐらいの勉強時間を続けて取ることができるという場合には、おそらく正月明けぐらいから試験対策をスタートすることで、宅建の出題範囲に関して全くの初学者であったとしても、独学での合格の可能性はかなり高まってくるのではないかと思います。

また、最近僕も別の資格試験対策として受講している「オンスク.JP」でも宅建試験の対策講座があります。

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オンスク.jpの有料コースに登録してみた(行政書士試験対策)
毎年11月に実施される行政書士試験、これを今年から受験しようと考えており、そのために急ピッチで準備を進めています。 当初の予定ではこ...

このスクールは完全にネットで完結するタイプであり、スマホでも受講が可能です。講義一つあたりの時間も非常に短いため、スキマ時間を利用するなど、勉強の幅を広げることができるかもしれません。

「それなりに忙しいものの少しはそういった時間がある」という場合には、完全に独学というわけでなく、こういったものを活用していくと良いのではないかと思います。

忙しくて勉強どころではない…

最後に、多忙を極めておりスキマ時間ぐらいしか勉強できない、というパターンです。

このような場合に考えられる試験対策はもはや独学一択でしょう。そもそも試験対策講座を申し込んでいる時間もないのでは?

そして、勉強の方法としても、長い期間を想定し、毎日コツコツ、わずかに前進していくという方法を取らざるを得ません。もちろん1回の受験で合格できる可能性もありますが、基本的には何年か要すると考えるのが妥当でしょう。

独学で複数年かけての合格もアリ?

本当に勉強時間が確保できない場合、上述のように「長期で」「ゆっくり」合格に向かっていくことになってくるわけですが、宅建試験に関してはそのようにしている受験者の方も多く居られるのではないでしょうか?

やはり、一般的な資格試験、つまり超難関試験ではないものの中では比較的難易度が高く、かつ、かなり忙しいイメージの「不動産営業」の方がメインで受験する試験ですから、一発合格できるほどの勉強をできていないのが実情でしょう。

そうなると、特に急ぐわけでないのであれば、ある程度の年数を想定して、2回、3回と受験していく中で合格を狙うというやり方も十分に肯定できるわけですし、試験対策の書籍なんかもそういったことを想定しているものがあるかもしれません。

最終目標は宅建試験の合格であるものの、別に今年受からなくても大した被害がないという場合には、長期的な計画で合格に向かっていく作戦を取ることも考えてみてはいかがでしょう?

その間にも”試験を受けること”自体を続けるかどうかは微妙なところですが、いつ合格できるかわからないわけですから、もしかしたら今年いけるかも…という期待があるのであれば、毎年受験していくべきでしょう。

独学は可能だが、時間があるのであれば講座を取った方が絶対に早い

実際に独学で受験した経験からすれば、宅建試験は独学で合格することも当然に可能ではあるものの、資格スクールの講座を受講する余裕があるのであれば、絶対に取った方が早い、ということが言えます。

その理由として、まず民法(権利関係の範囲で出題)などの難しい内容を網羅することは困難であり、独学で受験する場合にはその年に出題される問題の難易度によってはかなりの失点をしてしまうことも考えられます。

実際、今回(2018年)の本試験を受験してみて、やはり難解な、ちょっと太刀打ちできそうにない問題もいくつかあり、やはりそのような問題は試験序盤、つまり「権利関係」の範囲からの出題が多かったと記憶しています。

そのあたりを完全なもの、といっても100%は無理かもしれませんが、それに近い実力にするためには、独学の場合250時間とか、その程度の勉強時間が必要になってくると思われます。

そして、独学ではなかなか習得の難しいそういった出題に対応するためには、やはり出題傾向や狙われそうなポイントを熟知している資格スクールの講師からの指導を受けることが最も近道であるはずです。

専門家の指導を受けて効率的な試験対策ができさえすれば、独学とは比べ物にならないスピードで実力を挙げていくことが可能になります。

そうなってくると、相対評価で上位15%程度が合格となる宅建試験においては、どう考えても試験対策講座を受講し、専門家の指導を受けている受験者の方が有利といえるでしょう。

このあたり、一定以上の得点で必ず合格になるタイプの試験とはちょっと状況が異なる、と考えても良いかと思います。

よって、試験対策講座を受講するだけの十分な時間があり、かつ、確実に合格したいと考えている場合には、やはり「講座を受講」するという方法を取るのが最も近道であると考えます。

もちろん、「意地とプライドにかけて独学で!」という場合には、それが不可能ではないことは僕自身も含め、多くの方によって実証済みであるはずです。というよりも確実に可能です。

しかし、場合によってはテキストや問題集での扱いが小さいマイナー論点ばかりの出題であったり、そもそも受験者のレベルが高く、上位15%に食い込むことができない場合なども考えられます。

よって、特にこれといった制約(時間や費用など)がなく、独学への熱いこだわりがないというのであれば、間違いなく資格スクールの試験対策講座を受講し、確実な一発合格を狙っていくことをお勧めしたいと思います。

まとめ

今回は「宅建試験は独学で受験すべきか否か」ということについて考えた記事でした。

この試験に独学で合格することは不可能ではありません。実際に独学で合格できていますし、そういった方は相当数居るはずです。しかし、いろいろと考えた結果、「可能であれば試験対策講座を受講すべき」という結論に至りました。

特に、「宅建試験は相対評価の試験である」ことが、独学よりも講座の受講にメリットを与えるものであると判断する根拠として大きなものになりそうです。

ただ、講座を受講するためには「1日に数時間の勉強時間を確保する」という難題がありますから、独学と講座、どちらにするかは個人の状況に応じて判断する他ないでしょう。

もし、独学で受験せざるを得ないという場合には、「250時間程度」の十分な勉強時間をとって本試験に臨むことをお勧めします。これから受験される方は、「上位15%」を目指して頑張ってください。

なお、その他の資格試験についても独学での受験が可能かどうかについていろいろと考えています。今後も、いくつかの試験を独学受験することになると思いますが、その際には受験の感想や結果等を記事にしていくつもりです。

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