FP2級の実技試験で「損保」や「中小事業」を選択する場合には?

FP2級の試験は、学科試験と実技試験の2つの試験を受験することになり、そのうち実技試験は5種類ある課目の中から一つを選択して受験する必要があります。

そして、特定の業界に勤めているわけではない場合には、基本的にきんざいの「個人資産相談業務」や、FP協会の「資産設計提案業務」などを選択することになるのではないかと思います。

しかし、それでも「損保顧客資産相談業務」や「中小事業主資産相談業務」を受験したい、と考えている受験者の方もいるはずです。たとえば「現在大学生で、損害保険の会社に就職したいと思っている」などといった場合ですね。

今回はその”受験者数の少ない”2つの実技課目について、受験を検討するうえでの注意点などを確認していきたいと思います。

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FP2級の実技試験は人気の課目がはっきりしている

まず、FP2級の実技試験は5種類ある、といっても大半の受験者は一部の課目に集中しており、人気のある課目とそうでない課目の違いはわりとはっきりしています。

参考:2017年9月試験の受験者割合

1x1.trans - FP2級の実技試験で「損保」や「中小事業」を選択する場合には?

上表のデータは昨年の9月のものなんですが、5種類の実技試験のうち「中小事業主資産相談業務」と「損保顧客資産相談業務」についてはかなり受験者数が少ないことがわかるかと思います。

受験者数が少ない2つの課目は「試験実施回数」も少ない

受験者数の少ない「損保」と「中小事業主」、これら2つの試験課目については、たとえば「損保顧客資産相談業務」については、年3回あるFP2級の試験のうち、毎年9月にしか実施されていない(つまり上のデータは2018年7月現在最新のものです)など、そもそも実施される回数すら少なくなっています。

以下、過去の試験データから見る限りでわかる、当該2課目の試験実施状況です↓

  • 損保顧客資産相談業務
    毎年9月のみ実施されている
  • 中小事業主資産相談業務
    毎年1月と9月のみの実施、5月はナシ

参考:金融財政事情研究会HP「試験結果」

つまり、1回の試験で実技に合格できなかった場合には、同じ課目を受験しようとしても次は実施されていない…というようなことになる可能性があります。

特に「損保顧客資産相談業務」については年1回のみの実施となっているため、もし不合格になってしまった場合には次に受験できるのが1年後、ということになってくるようです。

これはかなりリスクが高いといってよいでしょうから、もし当該2課目を受験しようと考えている場合には、試験対策に可能な限り時間をかけ、確実に一発で合格できる実力をつけて臨むことをお勧めします。

受験者数が少ない=テキストなどの資料も少ない

受験者数が少なく、それゆえ試験実施回数も少ない2つの実技課目では、「不合格になってしまった場合に次が遠い」というリスクの他に、試験対策で使用するテキストや問題集に関してのデメリットも存在します。

FP2級の試験対策テキストや問題集については、資格スクールなどから様々なものが発売されています。

※関連:FP2級の試験対策テキストについては以下の記事から↓

3622ca167c6859063fefd002611930c0 100x100 - FP2級の実技試験で「損保」や「中小事業」を選択する場合には?
FP試験対策 )FP2級のテキストと試験内容、3級との違いは?
先日注文していた2級FP技能検定のテキストがようやく手元に届きました。今後、1月の試験に向けてこれを中心に勉強していく予定です(申し込みを...

で、市販されているテキストや問題集などを手にとって確認していただければわかるかと思いますが、特に問題集や過去問集においては、実技試験対策として掲載されている問題や解説の内容について、「人気のある課目」をメインとして扱っている傾向があります。

受験者の割合を考えれば当然といえば当然ですが、「損保」や「中小事業主」の実技試験を受験する場合にはかなり不利な仕様となっています。

もちろん、FP2級の試験では学科試験の合格難易度が高くなっており、そちらの攻略も考えた場合、そのようなテキストや問題集を使用する他ないのですが、やはり実技試験の対策としてもうひとつ専用のものを購入しておく必要があるかと思います。

不人気な課目を受験する場合、きんざいの発行している問題集で対応する他ない

テキストや問題集、過去問集での掲載割合が低い「損保顧客資産相談業務」と「中小事業主資産相談業務」を受験する場合、その対策として使用すべき資料を探すのはかなり苦労するのではないかと思います。

しかし、この2つの実技試験の試験実施団体である「きんざい」からは、それらに対応する”専用の”問題集が発売されているようです(損保については生保とセットのようですが)。

現時点ではこれを購入して使用するのが最も無難な選択肢であるように思えます。

※以下のページから問題集の購入が可能になっています↓

中小事業主資産相談業務 精選問題解説集

生保・損保顧客資産相談業務 精選問題解説集

価格は共に「1,600円+税」と、市販されている他の問題集と比べても同程度の価格設定となっています。購入には「きんざいストア」なるところへの登録?が必要なようですが、この2課目を受験する場合には何をしてでも購入しておくべきでしょう。

また、全国の書店での購入も可能なようで、そちらの案内もありましたのでリンクを貼っておきます↓

きんざいストアHP「全国常備書店」

これらの問題集を試験対策に利用することによって、情報の少ない2つの実技課目についても十分な知識が得られるのではないかと思います。

まとめ

FP2級の実技試験は5種類あるものの、結局人気のある2課目に受験者が集中している状況です。

しかし、人によっては「生保」や「中小事業主」といった、受験者数が少なく、それに伴ってか実施回数も少ない課目を受験する必要があるかと思います。

そのような場合の対応としては、やはり試験実施団体である「きんざい」の発行する専用の問題集を用いて試験対策を行っていく他ないものと思われます。

FP2級の試験は3級と比べても難易度が高くまた、どの級にも言えることですが配点が公表されていないため、どこをどのぐらい正答できれば合格ラインに到達しているのか?ということが判りにくい面もあります。

しかし、繰り返し問題集を解いていくことによって”確実に”合格できる点数を取れるような実力を付けていくことも可能です。

また、どの実技課目を選んだとしてもきっちり対応できるよう、テキストや問題集だけでなく、その他の情報収集も併せて行っていくと良いかと思います。

今回(2018年9月試験)で「生保」などを選んだという受験者の方が居られましたら、きんざいのもの以外にも有用なテキストや問題集があるかもしれません。ちょっとネットなどで調べてみてはいかがでしょうか?

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