世界の基本は一物一価、土地の価格は一物五価

「ある特定の時点においては、同一財に対してひとつの価格しか成立しない。」
これを「一物一価の法則」といい、
輸送に関するコストなんかを考えなければこの法則が成り立つことになります。

しかし、土地に関してはこの法則が成り立っているようには見えません。
なぜならば「土地の価格」はいろいろな機関が公表しており、
しかもそれぞれ価格が異なってくるからです。

で、この土地価格を公表している機関が4つ、
これに加えて実際に市場で取引されている価格を加えると、
なんと土地の価格は一物一価どころか、「五価」になってしまいます。

「そんなのひとつにまとめろよ!」って話なんですが、
べつに意味もなくいくつも価格が設定されているわけではなく、
それぞれ違った役割を持っています。

そこで今日は、時価(市場価格)はもういいにして、
残りの4つの土地価格について記載していきたいと思います。

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公示価格

公示価格は、毎年1月1日を基準日とし、
3月に公表される土地価格です。

公表している機関は「国土交通省」であり、
土地を取引する債の参考とするための価格です。

国が公表しているものであることから、
土地価格の基準としてはこれが一番強いんでしょうか?
とりあえず、自分の住んでいるところの土地価格の目安が気になった場合、
以下のページから確認することができます↓
国土交通省HP 標準地・基準地検索システム
下の地図のうち、見たい都道府県をクリックすると、
今度は市町村…みたいな感じでみれます。
小さい都道府県やそのなかでも小さい町なんかに住んでいる場合はちょっと選ぶのが大変そうなんですが、
最近は市町村合併が進んだ影響でそんなに狭いところは少なくなってきているでしょう。

基準地標準価格

これは毎年7月1日を基準日として、
9月に公表される土地価格になります。

公表しているのは各都道府県であり、
公示価格を補完するもののようです。
公示価格からちょうど半年後の公表ですし、
国と都道府県で半年ごと持ち回りで発表しているような感じでしょうか。

調べ方も、さっきのページから選択を変えることで見られるようで、
公示価格とほとんど同じものだと考えてよいでしょう。

※参考(クリックで拡大)
1x1.trans - 世界の基本は一物一価、土地の価格は一物五価
地域選択後に「対象」のところから選択可能になっていました。

固定資産税評価額

これは土地や家なんかを持っている人にとっては身近なものかと思います。
資産の保有に係る固定資産税の計算に利用するための価格ですね。

で、固定資産税を徴収しているのが市町村であることから、
固定資産税評価額も同じく市町村からの公表ということになります。

公表されるのは3年に1回となり、
1月1日に評価された価格が、3月に出てきます。

この固定資産税評価額の価格設定は、
公示価格のおよそ70%とされています。
これをもとに固定資産税(1.4%)を計算するわけですが、
金額そのままではなく、1/6だの1/3だのすることが多いため、
単純に計算することはできません。
もっとも、固定資産税は賦課納税方式なので、
計算がわからなくても、自治体の役人さんが勝手にやってくれます。

相続税評価額

これも名前どおり、相続税法、
つまり相続税と贈与税における評価額の計算の基礎となるものです。

毎年1月1日を基準日とし、
その後7月に公表されています。

相続税・贈与税を課税しているのが国税庁であることから、
相続税評価額も国税庁が公表することになります。

この相続税評価額、価格水準は公示価格のおよそ80%とのことですが、
具体的には国税庁が公表する「路線価」を基に決定されることになります。
現在の路線化については以下のページから↓
国税庁HP 財産評価基準書
こちらも地図上から都道府県⇒市区町村、と選択していく形になっています。
で、価格の計算方法は以下のページ↓
国税庁HP  路線価図の説明(非常に複雑です…)

路線価図を使ってややこしい計算をすれば、
すべての土地の相続税評価額がわかるのか、
といえばそうでもありません…
僕の住んでいる地域もその類なんですが、
路線価が設定されていない地域というのも存在します。
こういった場合には、「固定資産税評価額×倍率」によって
相続税評価額を算出することになります。

そのときに用いる倍率については、さっきのページの都道府県を選んだ後に出てくる、
「評価倍率表」というところから確認することができます。

現在ではこのように相続税評価額についてもネットからすぐに確認できるようになっていますが、
「一昔前にはこんなのなかった!」と言われたことがあります。
果たしてどうやって調べていたんでしょうか?
今ではあって当然のものが無かった時代、
欲しい情報を集めるためにどれほどの時間を要したのかと思うとぞっとしますね。

まとめ

今日はFP2級の試験対策も兼ねて、土地の評価額について確認してみました。
土地の価格は市場価格も含めて、ひとつのものに5つもの価格がある状態です。
しかし、ムダにたくさんあるということではなく、
それぞれの価格に役割があることがわかります。
例えば、一番安くなるはずの「固定資産税評価額」が公示価格並みの金額であったとした場合、
当然「そんな高い土地持ってないわ!」という苦情が市役所にいくと思います。
そういう事態にならないためにある程度低く見積もった価格が必要になるということでしょう。

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