このブログではこれまで、FP2級と宅建試験を主に取り扱ってきました。そこに以前取得していた日商簿記2級も併せると、「FP2級・宅建・日商簿記2級」という一般的にかなり人気があると思われる3つの資格を取得し終えたことになります。
この先、まだまだいろんな資格試験にチャレンジしていきますし、特に税理士試験なんかはかなりの年数を要しそう(特に簿記論)ですので、ブログとしてはネタが尽きなくて済みそうです。

で、せっかく「FP2級・宅建・日商簿記2級」の3資格を取得することができたわけですから、今度はこれからこの3つの資格試験を受験しようと考えている受験者の方向けに、どのような順番、作戦で取得していくのが効率が良いのか?などについて考えてまとめていこうと思います。
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FP2級と宅建は「関連する資格」一方で日商簿記2級は…
ここに挙げた3つの資格のうち、FP2級と宅建試験はお互いに関連性が高く、その試験範囲はかなり重複している部分があります。つまり、どちらかを勉強することはもう一方の試験対策もしている、ということになります。
一方で日商簿記2級の試験は他の2つの資格と試験の範囲、内容が大きく異なりますから、これに関しては別途、専用の勉強をしていく必要があります。
ということになると、「宅建・FP2級」を連続で受験し、その試験対策の相乗効果で勉強時間を短縮し、日商簿記2級に関してはその2つの間に挟むよりは、両者が終わった後、またはその前に取得しておくのがベストと言えるのではないでしょうか?
「年1回」の宅建試験に向けて調整していくべき
FP2級と宅建を連続で取得、そしてその前または後に日商簿記2級を取得する、ということになると、それぞれの試験の日程にあわせた受験プランを考えていかなくてはなりません。
で、「FP2級・宅建・日商簿記2級」の試験日程は以下のようになっています↓
- FP2級の試験日程
⇒毎年3回「1月」「5月」「9月」に実施 - 宅建試験の日程
⇒毎年1回「10月の第3日曜日」に実施 - 日商簿記2級の試験日程
⇒毎年3回「2月」「6月」「11月」に実施
FP2級と日商簿記2級の試験は年3回実施されるのに対し、宅建試験は年1回のみの実施となっていることがわかります。
このことから、3つ全ての資格を取得しようと思った場合には「宅建試験」の受験を軸として考え、それに合わせるようにFP2級と日商簿記2級の「受験回」を決めていくことになります。
FP2級と宅建試験は”連続で”受験すべき
で、先程も述べたようにFP2級の試験と宅建試験は範囲の重複が多く、連続して受験するべきであることを考えた場合、FP技能検定の「5月試験」で2級の資格を取得し、受験の直後から宅建試験の勉強にシフトする、という方法が最も効率が良いのではないかと思います。
FP技能検定の5月試験は、おそらく5月の下旬で固定でしょうから、その後の6月~10月の半ばまで、およそ4ヵ月半の試験対策を経て宅建試験を受験することになりますから、独学でも十分に合格できる勉強時間が確保できるでしょう(超忙しい場合を除く)。

そして、先に受験するFP2級の試験にも試験対策は当然必要です。これに関してもおおよそどのぐらいの時間勉強する必要があるのか?という記事を投稿してありますので、詳しくはそちらをご覧ください↓

FP2級の試験を5月に、宅建試験を10月に受験することが決まったところで、日商簿記2級の試験はいつ受験するべきなのか?ということになります。
日商簿記2級は「次の年の2月試験」がベストか
日商簿記2級の試験は先程も触れたように「2月・6月・11月」の年3回実施されます。このうち「6月」に関しては完全にFP2級の試験対策と被ってしまいますし、「11月」では宅建試験の受験後からほとんど時間がありません。
そうなってくると、必然的に日商簿記2級は「2月試験」を受験することになりますが、果たして「FP2級受験前の2月」と「宅建試験受験後、翌年の2月」どちらで受験するのが良いのでしょうか?
そこで考えられるのが、FP2級の受験前に2月試験で日商簿記2級を取得しようと思った場合、その受験後からではFP技能検定の5月試験までにあまり勉強時間が確保できず、最悪不合格になってしまう、という事態です。
もちろん、FP2級の試験範囲に関してある程度の予備知識があるという場合には、先に2月の簿記検定を受験してからでも5月のFP技能検定までに十分合格ラインに到達できるでしょう。
しかし、全くの初学者である場合には、範囲の広いFP2級の試験対策にかなり苦戦する可能性がありますし、その後の宅建試験の勉強を自信を持ってやっていくためにもここは日商簿記2級を後回しにしてFP2級の試験対策期間を長めに取るのが得策かと思います。
また、日商簿記2級の試験は毎度毎度合格率が大幅に変動する試験です。こいつを先に受験してしまった場合、たまたま「超難関回」に当たってしまい、合格できずにモチベーションを下げてしまう結果を招く結果になりかねません。
となると、やはり”最初の試験”には比較的合格率の高いFP2級をもってきて、日商簿記2級は宅建試験の終了後、次の年の2月に受験するのがベストといえるんじゃないでしょうか?
それぞれの試験の難易度の差は?
「FP2級・宅建・日商簿記2級」の3つの試験を受験するといっても、それぞれの難易度や合格率はどのようになっているんでしょうか?ここからはそのあたりについてざっくり確認していきたいと思います。
FP2級
まず、FP2級の試験から見ていきましょう。この試験は学科試験と実技試験の2つの試験に分かれていますが、合格率的には「学科試験」の方が若干難易度が高い傾向にあります。
また、実技試験は5つの課目からの選択制になっており、どの実技課目に関してもその配点は公表されていませんが、日本FP協会で実施される「資産設計提案業務」に関しては、最近ちょっとその配点が見えてきたような気がしています↓

で、肝心の合格率は比較的難しい学科試験の方で「40%程度」となっています。これは日本FP協会で受験した場合のものですが、きんざいで受験するとこれよりもかなり低い合格率になっていることがわかります。
ただ、それは受験者層の違いによる差異である可能性が高く、そもそも学科試験の問題はどちらの試験実施団体で受験しても同一です。受験する機関(FP協会orきんざい)は、自分の受験する実技試験がどれなのか?というところから選択することになります↓

そして、FP2級の試験はこの3つの資格試験の中では「最も易しい」はずですので、しっかりとした試験対策をしていけば独学でも確実に一発合格できるはずです。
宅建試験
次に宅建試験の合格率などを確認していきましょう。
宅建試験はこの3つの資格試験で唯一「合格基準点が変動することによって合格率が安定する試験」、つまり相対評価で合否を判定するタイプの試験であるといえます。
そのため、毎年の合格率は大体「15%~17%程度」の範囲に収まっており、どれだけ得点を伸ばすか?というよりもどれだけ他の受験者の取れない問題に正解できるか?という感じの勝負になると考えて差し支えないでしょう。
そういった理由から、もちろん独学での合格も可能ではあるものの、やはり資格スクールなどの講座を受講している受験者の方が圧倒的に有利になることは間違いありません。
また、宅建試験では「民法」や「判例」といった内容が「権利関係」の範囲で出題され、独学での受験を選択した場合、そのあたりを上手く攻略することができないと合格までにかなりの勉強時間を要することになってしまうかもしれません。
ただし先にFP2級の取得をしておくことにより、宅建試験の勉強時間が軽減されることになりますから、その受験直後から勉強を始めるというのであれば、独学でもそこまで長い試験対策時間を要することはないかと思います。
FP2級の資格を取得した後に宅建試験を受験する場合には、専用のテキストと問題集が「きんざい」から出ています。僕もそれらを使って勉強した結果、見事一発で独学合格することができたため、かなりお勧めしています↓

なお、宅建試験には「5問免除」の制度もあるようなんですが、これは不動産業界で働いていないと受けられないようですし、何よりも最後の方の比較的得点が容易な問題が免除されるだけなので、あまり意味はないように思えます。
というか、5問免除を受けられるとはいえ、かなり忙しいはずである不動産営業の従事者はそもそもの勉強時間が確保できず、この「最も宅建を取得すべき層」がなかなか合格できない、という状況になっているのではないでしょうか?
日商簿記2級
最後に日商簿記2級について確認していきますが、この試験に関しては先程も少し触れたように合格率は実施回によって大きく変動しています。よって「合格率がどのぐらい」ということはちょっといいがたいのが現状です。
試験のタイプとしてはFP2級と同様「一定以上の得点で合格」のタイプですので、運悪く難問ばかりの回に当たってしまった場合には、「合格率10%代前半」などという難関試験ばりの結果になってしまうこともあります。
そのため、もしかしたら1回の試験では合格することができないかもしれませんが、とにかく受験を続けていけばそのうち「ラッキー回」に当たるはずですので、めげずに頑張っていくことが重要になりそうです。
それぞれの試験難易度をを比較した結果
そして、3つそれぞれの資格試験を比較した場合、どの試験が最も易しい/難しいということになるのか?についてですが、以前僕の勝手な判断で比較したところによると…
宅建試験≧日商簿記2級>FP2級
ということになりそうです。これについては「FP2級と日商簿記2級」「宅建試験と日商簿記2級」の難易度を比較した記事をそれぞれ別に投稿してありますので、詳しくはそちらをご覧ください↓


まとめ:3つの資格を全部取るための順番と勉強計画
さて、ここまでの話をまとめていきましょう。
まず、「FP2級・宅建・日商簿記2級」という、割りと人気のある3つの資格を全て取得しようと考えた場合、まずは5月にFP2級を取得し、その後10月の宅建、2月の日商簿記2級という順序でいくのが最も効率がよさそうであることがわかりました。
☆試験を受ける順序☆
FP2級(5月試験)⇒宅建試験(10月)⇒日商簿記2級(翌年2月)
で、最初のFP2級に関する試験対策を考えると、翌年2月の日商簿記2級の取得までのトータルの勉強期間は「1年程度」を確保しておく必要があるということになります。
また、この3つの資格のうち、「FP2級」に関しては所定の要件を満たしていないと受験することができません。特に実務経験もないという場合には、その受験資格を満たすための時間も必要であることに注意しなくてはなりません。

ここで、FP2級を独学で受験する場合には、受験資格としてFP3級の試験を先に受験することになりますから、そうなるともうちょっと長い期間が必要になってくるといえそうです。
そして、それぞれの試験対策は、ひとつ手前の試験が終了した直後から始めること、最初のFP2級は1月ぐらいから勉強することを考えると、以下のようなプランになります↓
- 1月~5月後半:FP2級の試験対策と受験
- 6月頭~10月第3日曜日:宅建試験の対策と受験
- 10月終わり~翌2月後半:日商簿記2級の試験対策と受験
これで、ちょっとオーバーしてしまいますが、大体1年程度で3つの人気資格を取得することが可能です。
ただ、全部合格できればこれでいいのですが、いずれかの試験、特に日商簿記2級に関しては合格率の変動などによってそこまで上手くはいかない可能性もあります。
そのような場合であっても、既にかなりの期間にわたり試験対策をしているわけですから、その次の試験ではかなり合格の可能性は高いと考えられます。よって、そこで諦めず「浪人」ぐらいの気持ちで次の試験までにさらなるレベルアップを目指していくべきでしょう。
また、このブログではどの資格も「独学」で受験することを想定していますが、宅建試験、日商簿記2級は当然として、FP2級に関しても「AFP認定研修」とセットになったような試験対策講座があるはずです。
なお、せっかくFP2級の資格を取得したのであれば、その先の民間資格である「AFP」の認定も受けておくべきであると思っています。その方が最新の情報が常に得られますし、AFPの認定を受けることによって上位資格である「CFP」の受験も可能になります。
日々の勉強時間がかなり確保できるのであれば、資格スクールが開講しているそれらの講座を利用して合格の可能性を高めていく作戦を取っても良いのかもしれません。
とにかく、様々な手段を用いて3つの試験に合格する可能性を限界まで高目ていくことをお勧めします。