FP試験対策 公的年金~障害給付と遺族給付~ ②遺族給付

昨日の記事の続きです。
FP2級の試験対策として、3級のときは軽く済ませていた公的年金についてもう少し理解を深めることを狙いとして調べながら記事を作成しています。

今日は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」について記載していきます。

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 3、遺族基礎年金

遺族基礎年金は、死亡した者に生活を維持されていた「子のある配偶者」又は「子」
が年金を受け取ることができる制度です。

支給要件
  • 死亡した者が被保険者又は老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上の者であること
  • 死亡した者の加入期間における保険料納付又は免除期間が2/3以上あること
    ⇒ただし死亡した日に65歳未満であればその日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納がなければOK(特例)

ちょっとわかりづらかったんですが、
保険料納付、免除期間が2/3以上というのと前々月までの1年間に・・・というところは障害給付の場合と同じのようです。
これについてテキストでは受給資格期間25年以上の場合は保険料納付要件は関係ないみたいなことが書いてありましたが、
加入期間が40年で25年きっかり払って死亡した場合(残りは未納)25÷40=0.625となり、2/3以上にならないような気がします・・・どうなんでしょう?
一応、試験で迷ったらテキストに准じて解答することにします。
ちなみに「特例」の方は期間が平成38年4月1日迄となっていました。

支給対象者

死亡した者によって生計を維持されていた「子のある配偶者」又は「子」

ここにいう「子」の条件は

  • 18歳到達年度の3月31日を経過していない子
  • 20歳未満で障害等級1級又は2級の子

となります。これは障害給付の「子の加算額」のときと同じ要件ですね。

受給できる金額

779,300円+子の加算額
⇒「子の加算額」は第1子、第2子は224,300円、第3子以降は74,800円が加算されます

これは障害給付の「障害等級2級の場合」と同じになりますね。
年金の779,300円はいつもの数字なので、子の加算額さえ覚えてしまえば何とかなりそうです。

寡婦年金と死亡一時金

第1号被保険者として保険料を納付した期間と免除されていた期間の合計が10年以上の夫が死亡したとき、
その夫に生計を維持されていた継続して10年以上の婚姻関係にある60歳から65歳の妻が一定の要件に該当する場合に支給される年金です。

一定の要件とは、

  • 死亡した夫が障害基礎年金、老齢基礎年金を受給したことがない
  • 妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けていない

となります。

支給される年金額は、夫の被保険者期間に係る老齢基礎年金額の3/4となります。

また、死亡した者の保険料納付期間(一部免除の場合は納付割合によって加算)が36月以上あり、
遺族が遺族基礎年金を受け取ることができない場合に同一生計遺族にその順位の高いほうを優先して支給する「死亡一時金」があります。

寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方しか受け取ることができません。

ここもややこしいですが、「どちらか一方」ということと、「すでに年金の支給を受けていると対象外」といったあたりが特徴的な気がします。

 4、遺族厚生年金

遺族厚生年金は、死亡した者が厚生年金の被保険者又は被保険者であった場合に遺族に支給されるものです。

支給要件
  • 被保険者が死亡したとき又は被保険者であったときの傷病により初診日から5年以内に死亡したとき
    ⇒保険料の納付要件は「特例」も含めて遺族基礎年金と同じでした
  • 死亡した者の老齢厚生年金の受給資格期が25年以上あるとき
  • 1級、2級の障害厚生年金を受給できる者が死亡したとき

特徴的なのは「1級、2級の障害厚生年金を受給できる者が死亡した場合」というやつでしょう。
障害厚生年金には3級や、それよりも軽かったときの障害手当金などもありましたが、
死亡したときに遺族厚生年金が支給されるのは1級と2級のみとなっています。

支給対象者

死亡した者によって生計を維持されていた

  • 妻(30歳未満の子のない妻は5年間の有期給付)
  • 子、孫(いつもの「子」と同じ要件でした)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給は60歳から)
    ⇒ただし、夫は遺族基礎年金の受給中に限り遺族厚生年金も受給できることになります。

支給対象が幅広く厄介です。
結構な確率で受給できるんじゃないでしょうか・・・

受給できる金額

報酬比例部分の年金額×3/4

「報酬比例の年金額」は、
平成15年3月までの被保険者の月数×平均標準報酬月額×(7.125/1,000)と
平成15年4月以降の被保険者の月数×平均標準報酬額×(5.481/1,000)を足したものになります。

遺族厚生年金では、障害給付の場合とは異なり報酬比例部分の年金額よりも少ない金額になります。
本人がすでに死亡していることからその分減らされる、ってことでしょうか?

中高齢の加算と経過的寡婦加算

一定の要件に該当する妻が受ける遺族厚生年金には加算額があります。
加算される金額は年間584,500円となります。

一定の要件とは、

  • 夫が死亡した時に40歳以上65歳未満で同一生計の子がいない妻
  • 遺族厚生年金と遺族基礎年金を併給されていたが、「子」が要件に該当しなくなったため遺族基礎年金の受給権を失権した妻

また、中高齢の加算は妻が65歳になると打ち切られてしまうため、その分が「経過的寡婦加算」によって補われることになるそうです。

 まとめ

公的年金の障害給付と遺族給付について2回に分けて書きましたが、思ったのは「ちゃんとやるとこんなにたくさんあるんだ・・・」ということです。
3級の試験対策ではそこまで気にしていなかったんですが、今後FPをやっていきたいと思っている以上、避けては通れない論点であることは確かなので、公的年金については他の部分についてもしっかり調べてやっていきたいと思います。

試験対策としての印象は、障害給付も遺族給付も、基礎年金であれ厚生年金であれ似たような要件や計算式が使われているため、混同してしまうとやっかいな引っ掛け問題にやられてしまいそうです。
なので、これらは4つ別々なものと考えて対策していきたいと思います。

参考:日本年金機構HP

前回の記事:公的年金~障害給付と遺族給付~ ①障害給付 はこちら

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