FP2級・3級の9月試験を終えた受験者の皆さんは10月22日(2018年)の合格発表を待っているタイミングでしょうか?今回3級を受験された方は次は2級、今回2級を受験し次はAFP認定研修の修了を目指している、という方も居られることでしょう。
また、既にAFP認定研修については提案書の提出まで終わっており、後はFP2級の合格によってAFPとして日本FP協会に登録する資格が得られる、という方も多いでしょう。
しかしながら今回(2018年9月)、FP2級または3級を受験したものの、自己採点の結果ではちょっと合格は厳しいのではないか…という状況に陥っている方も少なくはないと思います。
FP技能検定は毎年1月・5月・9月の年3回実施される試験です。もし今回の試験で「ちょっと厳しいかも…」「不合格かも…」となってしまっている場合でも、合格発表後あっという間に次の試験がやってきます。
今回は、すぐにやってくるFP2級・3級の次の試験での完全合格に向けて、「不合格になってしまう原因」とともに、それを解消する方法を考えていきたいと思います。
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テキストや問題集が合っていない
まず、FP2級(3級も)の試験を受験する場合、結構な割合の方が資格スクールが開講する講義を取らず、独学で、自らテキストを選択して受験していることでしょう。
もちろんAFP認定研修も兼ねて、何らかの講座を受講して試験対策を進めていく方が勉強の効率がよく、またプロの講師の方の指導を受けることができるわけですから、合格できる確率は独学のそれに比べて高くなることは間違いありません。
しかし、FP2級までの試験については、しっかりしたテキストおよび問題集、過去問集を選択し、それを徹底的にやっていくことで十分に独学での合格が可能な資格試験です。なお、完全な独学で受験する場合にはFP3級⇒FP2級と、順番に受験することになります。そのため「最初からFP2級のテキスト等を用いて試験対策をしていくことも有効なんじゃないか?」と考えています。
で、このテキストや問題集の選択を誤る、というかわけのわからんものを購入してしまい、それをもとに本試験までの試験対策を続けてしまった場合、たとえ難易度の低いFP3級の試験であったとて基本的な知識が得られずに不合格になってしまうおそれがあります。
ではどういったテキストや問題集を選ぶべきなのか?これについては僕の経験によるものとなりますが、以下のものを用いてFP2級までの試験に一発で合格することができました。特にテキストについてはかなり良くできていて、最初に試験対策を始めた時点でこれに出会えたのはかなり運が良かったと言わざるを得ません。
FP2級・FP3級の試験対策で用いた書籍
- テキスト
⇒TAC「みんなが欲しかったFPの教科書」シリーズ- 問題集
⇒成美堂出版「これだけ覚えるFP技能士 一問一答+要点整理」- 過去問集
⇒成美堂出版「FP技能士 重要過去問スピード攻略」
ちなみに、テキスト・問題集・過去問集のそれぞれについて、購入直後にレビュー記事的なものを書いています。よろしければそちらもご参照ください↓
で、テキストについては上記の「みんなが欲しかった~」シリーズ一択だと思っています。FP3級の試験だけ受験するという場合にあっては、他の問題集や過去問集を購入しなくともこれだけで十分に学科試験・実技試験ともに合格することが可能です。
FP2級レベルの試験になると、テキストの内容を覚えるだけでは足りず、別途問題集や過去問集で「問題を解く」練習をしていく必要があると思います。
そこで僕の場合は上記のものたちを選択し、お勧めもするわけですが、書店でちょっと見てみた結果として他のものを選ぶ、という場合には「問題に対する解説が十分に多いもの」を選択していくべきだと考えます。
問題集を解いていて「わからなかったところ」がでてきた場合には、基本的にテキストに戻って確認することになるとは思いますが、問題集自体でもちゃんとして解説があり、そこで理解を深めることができるようであれば、それに越したことは無いと思います。
今回の試験でちょっと合格点に届かないかも…と感じている受験者の方は、個々で一旦テキストを見直してみてはいかがでしょうか?
苦手な範囲が克服できていない
FP2級・3級の試験では、すべての受験者が共通して受験する学科試験では6つの範囲から満遍なく、また実技試験においても課目によっては外れる範囲があるとはいえ、4つ以上の範囲からの出題となっています。
※FP2級・FP3級の課目選択については以下の記事から↓
で、実技試験よりも難易度が高く、合格率が低い傾向にある学科試験ですべての範囲が出題されることからも、それら6つの範囲についてひとつも欠くことなく勉強していく必要があるわけです。
しかしながら、どうしても「得意な範囲」「苦手な範囲」が出てきてしまい、最初の取っ掛かりの時点で「これはちょっと苦手かも…」と感じてしまった範囲については、結局そのまま本試験まで何も対策を講じることなく、苦手なままになってしまうおそれがあります。
そうなってしまった場合、ひとつの範囲からかなりの失点をしてしまうことになりますから、どれだけ「得意な範囲」で得点できていたとしても点数が足りず、結果として不合格になってしまうことも十分にありえるのではないでしょうか?
そのような残念な結果とならないためにも、「苦手」と判断した範囲については意識して、重点的に試験対策をしていくべきなんじゃないかと思います。
具体的には↓
- まずテキストの時点で「苦手」と感じた場合にはその範囲を他のものより多い時間を割いて勉強する
- 問題集を解いてみて、正答率の低い範囲を見つける
- 繰り返しやっても覚えられないものについては本番直前に詰め込む
などといった対策が挙げられるんじゃないでしょうか?
もちろん、それ以外にも個人個人に合った苦手の克服の方法が存在し、上記の方法よりも高い効果を発揮することがあるかと思います。いろいろと試してみると良いかもしれません。
とにかく、試験に出題される範囲が広いFPの試験では、どう頑張っても自分に合わないような範囲がでてきてしまうことかと思います。僕の場合も「リスクマネジメント」のところが結構苦労しまして、他の範囲よりもかなり時間を喰っていた記憶があります。
ただ、範囲が広いとはいえFP2級程度までの知識であれば全体的にかなり浅く、本試験でもそこまで深い内容までは突っ込んでこないはずです。「広く浅く」を意識して勉強していけば、苦手な範囲も含めた全体を網羅できるのではないでしょうか?
計算式が暗記できていない
FP技能検定ではそれぞれの範囲・論点において、それなりの数の「計算式」を覚えておく必要があります。
本試験では、特に実技試験においてでしょうか、様々な計算式を用いて解答しなくてはならない問題が出題されることになります。ゆえに「計算式」をしっかり覚えておかなかった場合には、そのような問題に対応できず、結果として不合格になってしまう、という可能性があります。
では、具体的にどのような計算式を覚えておかなくてはならないのか?についてですが、これについては結構な数があるためここですべてを記載するとかなり長くなってしまいます。
以下に主要なものをまとめた記事のリンクを張っておきますので、そちらをご参照いただけると幸いです↓
FP2級の試験で(3級もそうですが)合格点に到達するためには、法制度に関する知識だけでなく計算問題にも対応する必要があります。数が多いとはいえそこまで複雑で難解なものは無いはずですので、しっかり覚えておきましょう。
そもそも勉強時間が確保できていない
最後になりますが、今回FP2級・FP3級の試験を受験して「ちょっと厳しい」結果が予想されるという受験者の方の大半が、この「勉強時間の不足」に当てはまるのではないでしょうか?
FP技能検定は1級を除けばそこまで難易度の高い試験ではないとはいえ、合格するためにはそれなりの勉強時間を確保しておく必要があります。
しかしながら、仕事や家事などで非常に忙しかったり、大学などに所属していてレポートや論文、その他の勉強に追われていたりと、なかなか勉強時間が取れない状況の方が多いのではないでしょうか?
しかも1月試験は年末年始、5月と9月も少し前に連休があったりしてそこで生活スタイルなどが変化し、せっかく続けてきた勉強の習慣が途切れてしまい、以降全く実力が伸びないまま本試験に臨まなくてはならなかった、というような場合もありそうです。
で、連休などをきっかけにサボりがちになってしまった場合などはしっかり意識して勉強を続けるようにしていけば良いわけなんですが、毎日始発で出かけて終電で帰ってくるようなタイプの方にとっては、この先今以上の勉強時間を確保するのは困難なことかと思います。
そこで、FP技能検定が1月・5月・9月の年3回実施されていることを利用し、「次の試験は飛ばしてその次の試験を受験する」などの対策を取ることもできるはずです。
もちろん、次で受験すれば合格する可能性があるわけですからその1回分を無駄にしたくないと感じるかもしれません。しかし、そこにおいてもまた勉強時間が不足してしまった場合には不合格になってしまい、モチベーションががた落ちになってしまい、結局受験を諦めた、なんてことになりかねません。
また、一回受験するとその合格発表までの間はあまり勉強が進まなかったりする可能性も無いとは言えません。
そのことを考慮した結果、「本当に普段の勉強時間を確保することが難しい」という場合に限り、”次ではなくその次の試験”を狙って試験対策の計画を立てていくという手法をとる方がよいのではないかと思いました。
で、今(2018年9月下旬)から1月試験を飛ばして5月試験を受験すると考えた場合、およそ8ヶ月ほどの期間があります。これだけの時間があれば、たとえ1日10分や15分程度しか勉強時間が取れなかったとしても、FP3級は余裕で、FP2級でも十分に合格可能なラインに到達できるのではないでしょうか?
そしてもし、このまま勉強をしていって1月試験の受験申請期間中に「これならいけそうだ!」となった場合には、そこをスルーせずに1月試験を受験してしまっても良いかもしれません。
とにかく、「多忙の極み」という状況が常であり、全然試験対策ができないという場合には、どこかでモチベーションを下げてしまわずに合格ラインに到達するために、「次の試験を飛ばす」という勇気ある撤退も必要なのではないでしょうか?
せっかく年3回も実施されるFP技能検定、自分のスケジュールと相談して、無理せずに確実に合格できるようなプランを立てていくべきでしょう。
まとめ
非常に難易度の低いFP3級、それよりはかなり難しいものの、世に言う「難関試験」の部類には該当しないはずであるFP2級、しっかりしたテキストを用いてそれなりの時間を勉強に充てることができるのであれば、独学であっても確実に合格できる試験です。
しかし、場合によっては学科試験・実技試験の両方、または学科試験のみなどの片方が不合格になってしまう可能性が無いわけではありません。
そうなってしまった場合、大半の原因は「勉強時間の不足」にあるとは思いますが、他にも見落としている原因があったり、そもそもテキストがどうしようもないものだったりするかもしれません。
もし、一度受験して不合格となってしまった場合でも受験を諦めてしまわずに、合格できなかった原因を追究し、最終的に完全合格を勝ち取るために、いろいろと対策をしていくのが最善策ではないでしょうか?