FP技能検定(FP2級・FP3級)の試験が2018年9月9日に行われました。毎回何万人もの受験者が受験するFPの試験、なかでもFP3級に関しては自分自身の生活やお金に関する基本的な知識を得られるということで、近年の投資などへの関心の高まりとともにこれから「受験してみたい」「勉強してみたい」というかたも居られるのではないでしょうか?
正直、このFP3級という試験はかなり難易度が低く、そこまで必死になって勉強しなくとも仕事や家事の空き時間などを利用して取得を狙うことができる資格です。
ただ、これまで全く関連する内容について勉強したことがない、という場合には、たくさんある範囲のうちどこから手をつけて言ったらよいのか?となってしまう可能性もあるでしょう。
そこで今回は、「FP3級の資格取得のためにこれから勉強を始める」受験者の方で、全く予備知識がないという状態を想定して”どの範囲から”勉強を始めていくべきなのかについて考えていこうと思います。
なお、FP3級の試験について全体的な内容等については以下の記事を参照してください↓
(※長文記事です、時間のあるときにどうぞ)
Contents
FP3級は6つの範囲からの出題
まず前提として、先程リンクを貼っておいた記事でも紹介していますが、FP3級(3級に限らずFP技能検定全般)は以下の6つの範囲から出題されることになっています。
- ライフプランニングと資金計画
- リスクマネジメント
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
そして、全員が共通して受験する「学科試験」と、課目を選択して受験できる実技試験のうち、日本FP協会が実施する「資産設計提案業務」では、上記6つの範囲の中から満遍なく問題が出題されることになっています。
ぱっと見ですと、どれも全く脈略の無い範囲であるような気がします。しかしながら、それぞれの範囲について、多少他の範囲とつながっているような部分も存在します。
別の範囲とつながりがある論点も存在する
一見関連が無いようなFP3級を始めとしたファイナンシャルプランナーの試験で出題される6つの範囲、しかし、前述したように「他の範囲と関連している」ような論点も存在します。
例えば、ライフプランニングを考えるうえでは金融資産の利回りなどをもとに、今後どの程度の資産形勢が可能になるのかを考えなくてはなりませんし、相続があった場合に最も重要となってくるのは不動産に関する事項であるといって良いでしょう。
そして、この6つの範囲の中で特に他の範囲とのつながりが大きいのは「タックスプランニング」の範囲です。
このタックスプランニングの範囲では、そのほかの範囲に関係する「生命保険料控除」や「金融資産の保有や譲渡などに係る税金」など、日常生活をしていくうえで絶対に無視できない税金に関する事項を勉強していくことになります。
「相続・事業承継」の範囲だけは別途「相続税法(相続税・贈与税)」で扱われていますが、相続などといった特殊な場合を除き、日常生活に係る税金については全部こちらの「タックスプランニング」の範囲にあるといって良いでしょう。
このことから、それぞれ他の範囲で勉強しなくてはならない「税金に関する知識」と「タックスプランニング」の範囲は強いつながりを持っていると考えられます。
そうなるとはじめは「タックスプランニング」からが良いかも!
「他の範囲とのつながりが深い」ということを考えた場合、FP3級で出題される6つの範囲について「どれも全く知識がない状態」から勉強を始める場合には、タックスプランニングからスタートしていくと良いと考えます。
そうすることによって、その他の範囲で学習する内容のなかで「税金に関する事項」がでてきた場合によりスムーズに習得できるのではないかと考えるためです。
もちろん、これはこのブログでの見解であって、他にも様々な意見があるかと思います。いろいろと情報を集めていれば、自分に合った試験対策の取り掛かり方が見つかってくると思いますので、いろいろな記事や書籍を参照してみると良いかもしれません。
FP3級での「タックスプランニング」の出題内容
さて、FP3級の試験で出題される「タックスプランニング」の範囲ではどのような内容を学習することになっているのでしょうか?
3級の場合、この範囲での出題は大半が「所得税」のなかから出題され、あとは「住民税」や「個人事業税」からも多少の出題がある可能性もあるでしょう。
つまり、FP3級のタックスプランニングでは、ほとんどが「一般の個人に係る税金」の範囲からの出題であると予想され、法人税や消費税などについても出題されるFP2級以上の試験と若干異なっています。
個人事業税はともかく、所得税と住民税は一部の学生などを除くほとんどの受験者の方が関係していることですので、細かい計算の仕組み以外については意外ととっつき易い内容になってくるんじゃないかと思います。
所得税や住民税については、FP3級の試験を受験するためだけでなく、自分の日常生活上、知っておいて損はしないことばかりです。もちろん他の範囲にも同様のことが言えますが、やはり「個人に係る税金」というのは最も生活に深く関連してくるといえるのではないでしょうか?
国税庁のHPでいろいろと調べると便利
で、「タックスプランニング」の範囲について、当然最初はテキストなどを購入し、それをもとに試験対策を進めていくことになるわけです。
※FP3級のお勧めテキストに関する記事は以下↓
しかしながら、テキストやその他の書籍の内容だけでは理解が及ばない、ちょっとわからない、という箇所が出てこないとも限りません。特に、完全に知識が無い状態から勉強をスタートした場合にはそのようなことになる可能性も十分にあるでしょう。
そういった場合には、どの論点においてもそうですが「関係省庁や機関のHPで確認する」という方法が最も効率が良いと考えます。
そして、「タックスプランニング」の範囲で関係してくる省庁は「国税庁」です。国税庁のHPからは税金に関する様々なことの他、「タックスアンサー」として税金に関するよくある質問(つまりわかりにくい内容といえるでしょう)についての解説などを見ることができます。
また、「タックスプランニング」の範囲だけでなく「相続・事業承継」の範囲でもこのHPが最も役に立つことになります。僕もFP3級・FP2級の受験時、特にFP2級の試験については試験対策の内容をブログでまとめていましたので、そこで最もよく利用した情報源であったと思います。
もし、試験対策上ちょっと理解が及ばないような論点に遭遇した場合には、そのままにせず、ネットを使って調べるのがベストです。ただし、その場合には「ちゃんとした(正確な)情報源」を用いなくてはならず、そのためには「国の機関」が最も信頼できることになります。
なお、国の機関のHPは、URLの最後が「GO.JP」となっていることで判断できます。それと、FP3級や2級の試験対策では「OR.JP」となっているHP(一定の法人組織など)も参照することがありました。
誤った情報を掴まされないために、FPの試験対策に限らず、制度や法律について何か調べごとをする場合には「公的な機関」を参照することをお勧めします。
なお、国税庁に関してはHPに掲載されている情報の他、各地の税務署で配布されているパンフレットもFPの試験対策に有用です。時間があるときに貰っておくと良いかもしれません。
まとめ
今回は、FP3級の試験に関して「どの範囲にも予備知識がない」と仮定した場合に、6つある範囲のどれから試験対策をスタートしていくのかについて考えました。
結論としては「タックスプランニング」が他の範囲とのつながりも大きく、かつほとんどの方が所得税・住民税を納めていることから、割りととっつき易いであろうとの理由で「最初に勉強すべき」ということになりました。
なお、FP3級の試験は合格率も高く、比較的簡単に取得することができます。しかし引き続き2級を受験しようと考えている場合には、ちょっとまともに試験対策をしていかないと大変かと思います。
※FP3級から受験してFP2級の取得を目指す場合は以下の記事を参照してください↓
FP技能検定は毎年1月・5月・9月の年3回実施されます。もし、試験対策を始めるのが遅くなったり、そもそも勉強する時間が無かったりといった場合にも、すぐに次の試験が実施されます。日々確保できる勉強時間を考慮したうえでいつ受験するのかを決めていきましょう。