宅建試験対策 区分所有法の規定など

宅建試験の本試験までおよそ1ヶ月となりました。相変わらず「権利関係」の範囲で苦戦しており、全く前進できない状態が続いていますが、このままだと合格・不合格以前に”見るに耐えない”結果となることはお察しですので、ちょっと真面目に頑張っていかなくてはならない感じです。

さて、今回は宅建試験のテキストでもかなりのページを割いて解説がなされていた「区分所有法」についてです。

この区分所有法は、FP2級でも「不動産」の分野で出題された範囲ですが、宅建試験ではさらに深い内容まで出題があるようで、かなり知らない話がたくさん出てきました。そこで、全体を通してしっかり把握するために、基本的な部分からひと通り確認しなおしていこうと思います。

また、「集会での決議の要件」に関してどの程度の賛成割合が必要になってくるのか?について、どうやらかなり細かい数字を覚えていかなくてはならないようですので、それについてもここで確認してしまうことにします。

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区分所有建物の定義

区分所有法は、本来「建物の区分所有に関する法律」という正式名称があるようで、法令検索でもその名前で引っ掛かってきました。で、その法律では始めに以下のような条文が記載されていました↓

建物の区分所有に関する法律第一条 建物の区分所有

一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

正直、「建物の区分所有」というと分譲マンション以外のものは思い浮かばなかったのですが、上の条文によると店舗や事務所、倉庫などに関してもこの法律の規制を受けるということなんでしょう。これは本試験で”引っ掛け”として使われそうな予感です…

専有部分と共用部分

区分所有の建物には、各部屋の所有者が専用に使える「専有部分」と、みんなで共同して使うことになる「共用部分」がありました。

このあたりはFP2級の試験対策のときにも勉強していたんですが、宅建試験では、さらに共用部分が「法定共用部分」と本来は専有部分になるべきであるにもかかわらず、規約によって共用部分とされることになる「規約共用部分」に分かれてくるようです。

そしてこのうち「規約共用部分」については部外者にその所有権を対抗するためには投機をする必要があるとのことでした。ちなみに法定共用部分については登記そのものができないとのこと、このあたりは本試験で引っ掛けられないように注意しておく必要がありそうです。

さらに、専有部分・法定共用部分・規約共用部分以外にも、区分所有の建物には「敷地利用権」なるものが付いてくるようです。では、この敷地利用権とそれから共用部分がそれぞれの所有者に帰属する割合はどの程度になっているんでしょうか?

これについて「建物の区分所有に関する法律」では以下のような記載がありました↓

建物の区分所有に関する法律 第十四条 共用部分の持分の割合
各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
2 前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
3 前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。

4 前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

建物の区分所有に関する法律 第二十二条 分離処分の禁止

敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

ちなみに法令の方ではちょっと見つけられませんでしたが、テキストによると「敷地利用権」についてもその持分割合は専有部分の床面積の割合によるとのことでした。

とにかく、共用部分にしても敷地利用権にしても専有部分の面積(壁の内側線で囲まれた部分)によって各所有者に帰属し、それを専有部分と分離して処分してしまうことはできないということですね。

なお、敷地利用権については但し書きで「規約に別段の定めが~」という文が入っています。一応意識しておいた方がよさそうですね。

建物の管理と集会での決議

さて、ここからが区分所有法の本題になるかと思いますが、一つの建物をみんなで共有している場合には、その建物の管理についてもみんなでしていかなくてはならないことになります。

管理組合と管理組合法人

で、管理を効率よく行うためにはしっかりとした組織をつくり、その組織によって建物の維持や修繕、場合によっては建て替えなども検討していかなくてはなりません。そこで、区分所有者の全員が組合員となって「管理組合」を作ることになります。

しかし、5世帯や10世帯程度のマンションであればそこまで苦労することはないかもしれませんが、ものすごい高さのタワーマンションなど、かなりの数の人間が住んでいるような区分所有建物については、誰かが中心となって管理組合をまとめないとひっちゃかめっちゃかになってしまう恐れもあるでしょう。

でもマンションの管理組合にはそのリーダーとなる「管理者(部外者でも可)」を置くことができるようなので、このあたりについては大丈夫そうですね。

さらにはこの管理組合自体を法人化(管理組合法人)してしまうことも可能となっているようで、この場合には理事と監事を決めておく必要があるとのことでした。

この管理組合または管理組合法人により、そのマンションなどの区分所有建物の規約が策定され、みんなでそれを守って快適に生活できるようにしていくことを目指すわけですね。

集会と様々な場合における決議要件

マンション等では管理組合を作ってみんなで管理をしていくということは確認しましたが、ただ組合を作っただけでは話し合いも進みませんし、何も決定することができません。

そこで、マンション等の区分所有建物の管理組合では、管理者が年一回の「集会」を召集しなくてはならないことになっています。多分実際には委任状だけで済ませてしまう区分所有者が多いのでしょうが…

で、この集会で様々なことを決議するわけですが、その決議する内容によって”どの程度の賛成票を集めなくてはならないのか”が変わってくることになります。これについてはFP2級の試験対策でもちょっとだけ出てきました(建て替えは5分の4以上など)が、宅建試験においてはかなり細かく覚える必要があるみたいです。以下、それぞれ確認していきたいと思います↓

集会の召集

まずは、何かを決議するための集会を召集する場合です。集会は管理者が年1回召集しなくてはならないことは先程確認しましたが、別にそうでなくとも区分所有者の数とその議決権の5分の1以上の賛同があれば召集することができるとのこと。

さらに、この5分の1以上という数字は「規約の定め」によってその割合を減らしてしまうことも可能となっているようです。

一般的なこと

集会の議決に関して、以下に掲げるような重大なことでない”一般的な内容”について決議する場合には、普通に多数決、つまり区分所有者と議決権の半数を超える賛成で決めることができるとされていました。

共有部分のちょっとした変更

区分所有建物の共用部分に「著しい変更を”伴わない”」ちょっとした変更を加える場合については、区分所有者とその議決権の過半数の賛成によって決定することができます。

ちょっとした変更といっても、どのようなものが該当するのか?などはわかりませんが、宅建試験では問題文中にその変更が重大なものなのかそうでないのかがわかる文が入っているはずなので、見落とさないように注意していれば大丈夫そうです。

共有部分の重大な変更

共用部分の変更について、その変更が重大なものであった場合には必要とする賛成票の割合が大きくなってくるようです。

重大な変更を加える場合の決議要件は「区分所有者の数と議決権のそれぞれ4分の3以上の賛成」が必要となり、かなりの賛成票を得ないと決議できないようになっています。

ただし、この重大な変更に関しては「区分所有者の人数」に関してのみ規約の定めによって過半数まで減らすことが可能とのこと。本試験で引っ掛けられないように注意すべきポイントになりそうです。

建物(共用部分)の復旧(小)

続いて、災害などによって建物の一部が壊れてしまったりした場合の「復旧」について、その規模が小さい場合です。ちなみにこの場合に復旧を決議するのは「共用部分」であって、専有部分については当然その所有者が各々復旧していくことになるため、ここには含まれません。

また、復旧の規模が小さいか大きいかについては、区分所有法の第六十一条によれば「復旧する部分が建物の価格の2分の1を超えるかどうか」によるとのこと。

で、そこで2分の1以下であるとして「小規模な」復旧となった場合には、区分所有者とその議決権の過半数の賛成で決議することができ、かつその復旧工事をする旨の決議がある前であれば、破損等に気がついた人が単独で復旧し、後でその費用を請求することが可能となっています。

建物(共用部分)の復旧(大)

次に、建物の復旧部分がその価値の2分の1を超えている、つまり大規模な復旧と判定された場合です。

この場合には「区分所有者の数と議決権の4分の3以上」の賛成を必要とし、これが無いと復旧をすることができないことになっています。そして、このときに反対の立場を表明した区分所有者は、その保有する所有権と敷地利用権の時価での買取請求をすることができます。

まぁ、そんなに大規模な復旧をしなくてはならない状態であるのなら、揉めるとしたら取り壊しか修繕して住み続けるかになってくる訳で、修繕が決まった際には取り壊して建て替えの方が良かった住人には引越しの選択肢もあるよ、ということでしょうか?

迷惑なことをする人を訴えてやめさせる

マンションに限らず、多くの人が集団で住んでいるような場合には、必ず一定割合の”迷惑な輩”が紛れ込んでしまうことでしょうし、それを防ぐ手立てというのは無いのではないかと思います。

こういった連中に対しては、最初は個々に迷惑行為をやめるように注意することになるわけですが、それでやめてくれるとは限りません。

で、もし何度注意しても迷惑行為を繰り返してしまう人がいた場合には、「裁判所に訴えて強制的にその行為を停止させる」という手段をとる他ありません。

そのような場合には「区分所有者と議決権の過半数」の賛成によって停止請求訴訟を決議することが可能になってきます。もちろん全会一致で決議されるでしょうけど…

ヤバい奴を訴えて追い出したり使用禁止にする

たとえ裁判によって迷惑行為の停止を請求した場合であっても、本格的にヤバい奴というのはその程度のことでへこたれるようなことは無いはずです。

そういった場合には、もはやそいつを排除してしまう以外に取る道は無く、区分所有建物の使用を禁じたり、完全に退去してもらうことを裁判によって決定してもらう為の決議をすることになります。世界史の教科書に載っていた「陶片追放」みたいな感じでしょうか?

で、そうするためには「区分所有者と議決権の4分の3以上の賛成」が必要となってくることになり、単に行為を停止させるために訴える場合と比べて必要な賛成票の割合が大きくなっています。

規約をいじったり組合を法人化する

区分所有建物の管理組合において、その規約を変更したりそもそも規約自体を作ったり廃止したりする場合には「区分所有者と議決権の4分の3以上の賛成」が必要になってきます。さらに何らかの影響を受ける人の承諾が無い場合は決議することができないことになっていますが、これは集会の決議外のことであるとのことでした。

また、管理組合自体を法人化してしまう場合にも同様の賛成割合が必要となっており、これらについては例外なく4分の3以上になってくるようです。

ここはなんかぱっとしない内容ですが、宅建試験ではこういった細かいところを聞いてきそうな気もしますので、一応覚えておきたいと思います。

区分所有建物の建て替え

最後に、区分所有建物の建て替えを行う場合です。

建て替えの場合には、他の決議と比べてもかなり大きい「区分所有者と議決権の5分の4以上の賛成」が必要となっています。この数字はFP2級の試験対策のときも出てきましたが、宅建試験ではそれに加えて以下のことも覚えておく必要があるようです↓

  • 建て替えの決議に賛同しなかった所有者に対して、建て替えに参加するかどうかを書面で催告する必要がある
  • 建て替えに参加するかどうかの催告を受けたら、2ヶ月以内に参加のするかどうかを回等しなくてはならない、回答がない場合には不参加であるとみなされる。
  • 建て替えを行うために、それに不参加である旨を表明した所有者に対してその持分を時価で売ってもらうよう請求することができる。

とにかく、建て替えが決議された以上はそれが実行されることになり、その際に断固反対という所有者に対してはその所有権をこちらに回してもらう必要があるということですね。これは大規模な修繕の場合の「買取請求」と逆の立場からの請求になっていることに注意する必要がありそうです。

まとめ

区分所有法(建物の区分所有に関する法律)について長々と確認してきましたが、宅建試験でネックになりそうなところはやはり「集会での決議要件」のところなんじゃないでしょうか?

もう本試験まで1ヶ月をきってくる時期ですが、ここは何とかして全部のパターンについての必要賛成割合を押さえていきたいと思います。

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