FP2級・FP3級試験の申込締め切りが近づいています。これらの試験は「マークシート」または「記述であっても解答をメモできる程度」のものであり、前回の試験を受験した方の多くは合格発表前に自己採点などで自分の合格、不合格について把握していたのかと思います。
FP2級までの試験は独学で十分に合格ラインに到達することができる難易度の試験だと考えていますが、勉強時間の確保やテキストが残念なものだった等、場合によっては「不合格」という判定をもらってしまうことがあるかもしれません…
さらに、場合によってはマークシートのミスなどにより「ギリギリ合格していたはずが不合格となってしまった…」という方で、今回の試験で確実に合格を勝ち取るべく、再度受験申請を行った方も居られるかと思います。
今回は、そんなFP2級及びFP3級の試験で「不合格」または「学科試験・実技試験のどちらかのみ合格」となってしまった場合に、次の試験で「完全合格」を目指すためにどのような行動を取ったらよいのか?ということについて確認していきます。
※なお、この記事は以前投稿した「FP2級・FP3級の試験で不合格になってしまう原因とは?」を補完するものであり、少し似通った内容になっています。
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不合格になる場合、大体は勉強時間が不足しているだけ
まず、以前「FP2級・3級の試験で不合格となる原因について考えた記事」でも少し触れたことですが、これらの試験に不合格になってしまう場合の大半が、「単に勉強時間が不足していただけ」という理由によるものだと考えられます。
FP3級の試験はともかく、FP2級となるとそれなりの勉強時間を確保し、さらには効率的な試験対策を行っていく必要があるはずです。
しかし、そうはいってもなかなか上手くいかないもので、どうしても忙しく、継続的な勉強ができていないような期間が出てきてしまうこともあるかと思います。
それが多少の期間であればそこまで影響はないのかもしれませんが、例えば試験対策の為にテキストを購入した、とか、受験の申し込みをしたとかいったタイミング、つまり勉強を始めたばかりの時点から慢性的に手が付けられず、結果問題集や過去問はおろか、テキストをひと通り確認することもできずに本試験に臨む結果になってしまうこともあるのではないでしょうか?
そのような状態ではたとえ難易度の低いFP3級や、難関試験ではないはずのFP2級であっても、相当な「豪運」をもってマークシートを攻略しない限り合格ラインに辿り着くことは困難でしょう。
もちろん、1度目の受験がそのような結果となってしまった場合、2度目でも3度目でも同じように勉強時間が確保できず、なかなか合格できない、ということになる可能性はかなり高いと考えられます。
よって、そのような場合には本来「次の試験」を受験するのではなく、かなり長期的な計画で合格を目指す方が、モチベーションの維持という観点からも正解なのではないかと思います。
しかし、勉強時間が余り確保できないことがわかっている状態で、かつ既に次の試験に申し込んでしまった場合に、何とかして合格できる確率を少しでも上げていくことはできないものでしょうか?
ここでひとつ考えられる対策としては、「かなり細かいスキマ時間」、例えば5分とかそんなもんの時間でも構いません。その程度の時間であっても一問一答の問題集で2、3問や、テキストの重要部分をひとつ確認するぐらいのことはできるはずです。
そのような細かな時間を利用するためには、毎日必ずテキストないし問題集を持ち歩いている必要がありますが、分冊可能なものやポケットサイズのものなど、持ち運びに便利な関連書籍はいくつも出版されているはずですので、ちょっと探してみてはいかがでしょうか?
現時点(2018年12月頭)で次のFP2級・FP3級の試験まで2ヶ月ほどが残っています。受験申請をしてしまったもののやはり試験対策に割ける時間がかなり少ない…という場合には、ほんのちょっとのスキマ時間を効率的に利用して、「全然勉強できなかった…」という事態を回避すると良いのではないかと思います。
テキストを買い換える場合の注意点
さて、勉強時間の確保の問題以外にも、以前の記事では「テキストが自分に合っていない」可能性についても触れていました。
FP2級・FP3級に関連するテキストはかなりの数が出版されているようですが、やはり解説の内容や大きく取り上げられている論点などは、同じ試験の対策テキストとはいえそれぞれ異なったものになっているはずです。
そして、前回の試験で不合格になってしまった場合に、そのとき使っていたテキストが、実際に本試験で出題された論点を全然カバーできておらず、そのせいで落ちた…という結論に至っている方も多いのではないでしょうか?
そうなると必然的に「テキストを買い換える」ということになるわけですが、このときに注意すべきことが2点あると考えています↓
人気のもの、よく名前を聞くものを購入すべき
まず、テキストを選び直すにあたり、実際に書店に出向いて内容を確認し、そこで気に入ったものを購入することができるのであればそれに越したことはありません。しかし、多くの方はそこまでするほどの時間がなく、「Amazon」や「楽天」等といったネット通販での購入を検討していることでしょう。
そういった場合、実際にテキストの中身がどんなものかを確認することはできませんから、拍子だけ見てよさそうなものを選択したとしても、中身が満足いく内容のものであるとは限りません。
で、「表紙はよさげ⇒中身は薄い」というようなものをつかまされないためには、やはり「売れているもの」「人気があるもの」を選んで購入するのが一番ではないかと思います。
なぜならば、人気があり、売れているテキストは、誰かが使ってFP2級・FP3級の試験に合格し、その体験を元にネットなどで紹介し、その結果として売上につながっていると考えるためです。
僕もFP2級のテキスト・問題集・過去問集についてはそれぞれひとつおすすめしているものがありますが、それが良いものでないと感じているとしたら絶対にそれを紹介するような記事を投稿することはありません。
よって、人気のある、売れているものについては、多くの方の合格体験に基づくネット上やその他の口コミなどでその良さが指摘された結果であるはずですから、そういったものを購入することで、質の良い、出題頻度の高い情報を得られるのは確実といえるでしょう。
最新のものかどうか確認すべき
もうひとつ、これはこのブログでも何度も主張していることですが、FP2級・FP3級の試験に出題される内容は、その試験ごとの「法令基準日」に準ずるものであり、それは法制度の改正に伴って徐々に変化していくものです。
ですので、新たなテキストを購入しようと考えている場合には、必ず最新の試験に対応するものであることを確認しておく必要があります。
特に、前回の試験の結果が出てすぐに買い替えをしようとネットで調べていると、まだ新しいものが発売されていない、というか発売直前の状態になっている可能性もあり、次の試験には対応していないテキストを購入してしまった…というようなことも可能性としてはあります。
なお、FP2級・FP3級の試験対策テキスト等は、大体が表紙に「○○年度」や「××年版」の試験に対応する旨の記載があると思いますので、ネット通販で購入する場合でもその記載をもとに最新のものであるかどうかを確認することができるはずです。
前回の試験の結果から苦手な分野を把握し、重点的に勉強
最後に、勉強の仕方として重要になってくるであろうことは、何よりも「前回の試験結果」で得点が伸びなかった分野を重点的に対策していく、ということでしょう。
これに関しては当然といえば当然ですが、やはり「苦手だ…」となってしまった箇所については何となく手をつける気にならないようなこともあるはずですので、そうならないように意識して勉強していく癖をつけると良いのではないでしょうか?
ちなみに僕は「リスクマネジメント」のところがちょっとアレでした。
実際にどこが苦手なのか?ということを判断するためには、合格発表後に送られてきた「結果通知」を参照すれば、学科試験における各分野ごとの得点が記載されているはずです。
実技試験と比べて難易度が高い傾向にあり、かつそれぞれの分野に関する問題が満遍なく出題されている学科試験の試験結果をもとに、どの分野が苦手なのかを判別し、そしてそこを重点的に勉強していくことで、次回の試験ではかなり得点力が上がるのではないかと考えます。
※具体的な苦手克服のための手立てについては先程も紹介した以下の記事にあります↓
学科試験の出題分野は6つですから、そのうちひとつを完全に、またはそれに程近いレベルで失点してしまった場合、合格はかなり遠のいてしまうことは確実です。これまでの試験結果から苦手な分野があることが判明している場合には、そこを確実に伸ばしていくための対策をとるべきでしょう。
また、実技試験においても日本FP協会で受験する場合の実技試験である「資産設計提案業務」では、学科試験と同じ6つの分野から満遍なく出題されることになっていますので、苦手な分野を外して勉強するということはできません。
さらに、「苦手だとは思って居なかったが実際の試験では得点が伸びなかった」というような箇所があるかもしれませんので、そこについては問題が難しすぎたのか?それともいくつかの論点に関する知識が不足していたのか?を確認し、次の試験に活かせるような勉強をしていくべきでしょう。
なお、「苦手」となってしまうのは6つの分野そのものとは限りません。FP2級・FP3級の試験では、数多くの「計算式」を覚えておき、それを使った解答を要求される場面があるわけですから、頻出のものは全て押さえておく必要があります。
しかし、不思議なことに「何度やっても覚えられない」計算式があるわけで、それが次の本試験で出題されてしまった場合、また同じところで失点してしまうことも考えられます。
ですので、そういったものが見つかり次第、何かの紙に書き写して常に見られるようにしておくなどの対策をとると、次の試験までにはその計算式を使った解答ができるようになっているはずです。
以前、FPの試験ではありませんが、同じように覚えられない計算式が出てきたことがあり、そのときは「計算式自体をスマホの待ち受け画面にしてしまう」ことにより何とか克服することができた、というようなことがありました。
そのように何も意識していなくとも偶然目に入るようにしておくことで、何度やっても覚えないものを無理やり覚えることが可能になると思いますので、試してみてはいかがでしょう?
まとめ
毎年3回実施されるFP2級・FP3級の試験、たとえ独学であっても一度落ちたからといって諦めずに勉強を続けていけば、その次ぐらいの試験での合格を十分に狙える難易度のものです。
しかし、この試験に不合格になってしまうということは、ほとんどの場合「勉強時間が確保できない」ことが大きな原因のひとつになっているはずです。これについては個人の都合もありますし、そう簡単には克服できるものではありませんから、それを踏まえたうえでの対策を考えていく必要があります。
で、やはりほんのわずかなスキマ時間を無駄にせず活用していくということが最大の対策になるかとは思いますが、そのほかにも「良いテキストを使う」ことや「分野ごと・個別の計算式等」の苦手克服を重視することで勉強の効率を上げ、合格までに必要な時間を短縮していくことも効果を発揮するものであると思います。
いずれにせよ、継続的に勉強を続けていくことで確実に合格することは可能なはずですので、もし何らかの理由で落ちてしまったとしても、諦めずに試験対策を続けていくべきでしょう。