日商簿記3級の難易度や合格率は?

日商簿記に関しては、このブログを始めるよりもかなり前に2級を取得していたこともあり、あまり記事として取り上げることはありませんでした。

特に、日商簿記3級については、僕自身これを受験せずに2級の試験のみを受けたということもあり、FP2級の前段階として受験したFP3級などと比べて取り扱う機会がかなり少なかったと思います。

しかし、「簿記の試験を受けよう!」と思い立った場合、まず真っ先に考えられるのがこの「日商簿記3級」になるのではないでしょうか?また、全商簿記から入った高校生などが、日商簿記の取得を目指す場合にも、まず3級から順に取得していくのではないかと思います。

なお、現在は初学者向けの日商簿記初級などというものもありますが、やはりこちらは商業高校への進学を目指す中学生等向けのものであると考えられ、一般的に履歴書に記載したり、募集要件として定められることがあるのは、やはり簿記3級からということになるのではではないでしょうか。

そうなると、この日商簿記3級の試験に関する情報は、同2級のそれよりも需要があるように思えなくもありません。

そこで今回は、日商簿記3級の合格率や難易度、その出題形式などについて、その他の資格試験との比較を交えて確認していこうと思います。

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Contents

日商簿記3級の合格率推移

まず、日商簿記3級の受験者数や合格率のデータを確認します。日本商工会議所のHPでは、結構古いデータまで公表されていますが、ここでは2016年まで遡って見ていきます↓

日商簿記3級 受験者数・合格者数・合格率

実施回受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
149回(2018.6)79,42135,18944.3
148回(2018.2)78,24338,24648.9
147回(2017.11)88,97035,86840.3
146回(2017.6)80,22740,88050.9
145回(2017.2)80,83238,28947.4
144回(2016.11)94,44142,55845.1
143回(2016.6)83,91528,70534.2
142回(2016.2)89.01223,70126.6

参考:日本商工会議所HP「3級受験者データ」

合格率に関して、第142回(2016年2月試験)のものが26.6%と、最も低い値となっています。ちなみに、データにはありませんがこのひとつ前の141回(2015年11月試験)はこれよりもさらにひどいもので、そのときは2級の試験でもかなり低い合格率を記録していました…

一方、最も合格率の高かった第146回(2017年6月試験)では50.9%となっており、その開きは倍近いものになっています。

これは日商簿記3級の試験が、一定得点で合格になるタイプの試験であることで、どのぐらいの受験者が合格基準点を超えるかということについては、そのときの問題の難易度によって大きく変わってしまうためであると考えられます。

ただ、出題者側も適当に問題を作っているわけではないはずですので、たまにイレギュラーがあるとしても、大体は「40%ちょっと」の合格率に落ち着くような感じになるのではないかと思います。

もし、「超難関回」に当たってしまい、それで不合格となってしまったとしても、次の試験では普通の難易度のものに戻ると信じてもう一度受験してみてはいかがでしょう?日商簿記3級の試験は年3回実施ですので、他の資格試験に比べて再チャレンジのハードルも低いはずです。

次に、受験者数の推移を見てみると、ここのところちょっと減少傾向にあるようですが、大体は8万人ほどの方が受験しているようです。なお、年3回の各実施回のうち、11月試験のみちょっと受験者が多いように感じますが、これは高校生がまとめて受験することによるものではないかと思います。

僕が日商簿記を受験したのも11月試験でしたが、2級の試験にもかかわらず2部屋ある試験室のうち一部屋はほぼ制服を着た高校生で埋め尽くされていました。

で、ここでひとつ考えられるのが、他の勉強もいろいろとしなくてはならない高校生が多数受験している実施回の場合、当然「本来の難易度」に比べて合格率は多少下がってくるのではないかということです。

もちろん、高校生でも「簿記メイン」で結構勉強している方も少なからずいると思いますのでなんともいえませんが、基本的には5教科7科目と、ついでに日商簿記も、という感じであると思われ、高校生全体の合格率はそこまで高くないと予想します。

よって、過去問などをやってみる場合には、そのときの合格率について鵜呑みにして、「この回は合格率が低かったから全然できてないけど平気~」などとなってしまわないように注意する必要があるかと思います。

簿記3級の難易度はどのぐらい?

さて、日商簿記3級の「難易度」は他の資格と比べてどの程度なのか?これに関しては僕個人の主観でしかありませんが、合格率が40%ちょっと程度ということを考えると、「3級」などといった、入門的な試験としては普通ぐらいではないかと思います。

ただ、先程も少し触れたように、日商簿記の試験は合格点があらかじめ決められているタイプの試験で、「上位何%に入れば~」というような相対評価タイプの試験とは異なります。

ですので、実施回によってはかなり複雑な問題が出題されたり、一般的なテキストや問題集でカバーできないようなマイナーな論点が出題されたりした場合、一時的に合格率が急激に低下してしまうおそれがあります。

そのような点を考慮した場合、日商簿記3級は「確実に一発で合格する」という観点からは、他の入門レベルの資格試験と比べてかなり難易度が高いものではないかと考えられます。

特に、日商簿記とどちらを先に受験するべきかと迷う方も多いはずである「FP3級」の試験は、相当に難易度が低くなっており、かなり短時間で合格ラインまで到達できる可能性があるものです。

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特に、先にFP3級を受験し、それに合格できたので次は日商簿記3級を、と考えて受験した場合、同じ「3級」の試験である両者の、その難易度の差にかなり驚くことになるかもしれません。

さらに、「簿記」に関しての予備知識が全く無い状態で勉強をスタートした場合、当然日常生活に関わりのない、特殊な用語や計算などを覚えることから始める必要がありますから、この点でも少し難易度が高いといわざるを得ません。

総合的に考えて、日商簿記3級の試験難易度は「3級」にしてはかなり難しいと言えるのではないでしょうか?

出題形式と試験日程、テキストなどについて

最後に、日商簿記3級の出題形式と試験日程、そしてお勧めできるテキストについてです。

まず、出題形式は当然「筆記」となっており、全部で5つの大問が出題されています。範囲は商業簿記のみ(工業簿記は2級から)で、仕訳問題をはじめ、帳簿記入、清算表や試算表などを作成するタイプの問題が出題されます。

※日商簿記の出題範囲は最近改正がありました(以下は2級メインの記事です)↓

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なお、第1問は「仕訳問題」が出題される傾向にありますのでスタートから躓いてしまわないよう、仕訳の練習をしっかりやっておく必要があるかと思います。

続いて、試験日程です。日商簿記3級の試験が実施されるのは、毎年2月・6月・11月の年3回で、基本的に日曜日です。なお、近所の商工会議所で受験の申し込みをすることができます。

3級の受験に要する手数料は「税込2,800円」と、他の資格試験と比べてかなり安いものです。学生の受験も多いことを考えると妥当なのかもしれませんが…

そして、最後にテキスト、問題集についてです。日商簿記3級を受験する場合、基本的には独学で勉強することになると思いますので、このテキスト選びを間違えるとかなり効率の悪い試験対策を強いられることになります。

で、僕がお勧めできるテキストと問題集については、以下の記事に詳しい内容がありますのでそちらを参照してください↓

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また、日商簿記、特に3級に関しては、かなりの数のテキストや問題集が発行されているはずで、需要面も考えるとそこまで高価なものではないはずです。

ですので、特に問題集に関してはいくつも購入して片っ端からやってみる、という手法も有効かもしれません。

まとめ

今回は、普段の記事であまり触れることのなかった「日商簿記3級」に関して、その合格率や難易度などを中心に確認してきました。

日商簿記は、民間の検定とはいえ人気があり、進学や就職にも有利となる可能性が高い資格です。これから3級を受験するという場合には、多少難易度が高い試験に当たってしまっても余裕を持って合格できるよう、しっかりしたテキストと問題集を使い、効率の良い試験対策を心がけることをお勧めします。

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