全商簿記を持っている場合、日商簿記検定の各級との対応は?

簿記の資格といえばほとんどの人が「日商簿記検定」を想像するかと思います。日商簿記検定は数ある簿記検定の中でも最も受験者が多く、「簿記に関するスキルがあることの証明」として就職や進学のために履歴書の資格欄に記入されるのは「日商簿記2級」が大半なんじゃないでしょうか?

しかし、友人などと話をしているとよく「そういえば高校のとき簿記1級とったな~」みたいなことを言われます。もちろん本人は高校生のとき学校で無理やり受験させられた簿記検定についてなんてあまり関心はないでしょうから、どこの試験実施団体で簿記検定を取ったかなんて覚えてはいないでしょう。

しかし、この「高校(商業)のときに受験した簿記検定」は、全国商業高等学校協会が実施する「全商簿記」の可能性が非常に高いんじゃないでしょうか?高校生で簿記1級とかならほぼこれでしょう、一部の凄く優秀な人を除いて…

で、今回はせっかく”何か違う”簿記の資格を持っているのであれば「就職や進学でより有利になりそうな日商簿記にチャレンジしてみたらどうか?」ということと、「実際に日商簿記を受験するなら全商簿記のどの級が日商のどの級と同等なのか?」などについて確認していこうと思います。

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そもそも「全商簿記」とは?

全商簿記は、公益財団法人である全国商業高等学校協会が実施している「簿記実務検定試験」の略称で、3級、2級、会計、原価計算の4科目に分かれており、会計と原価計算の両方に合格すると「1級」という扱いになります。

試験では高校で使用している簿記の教科書の内容に沿った出題がされているようで、試験の概要について全国商業高等学校協会のHPには以下のような記載がありました。

~基礎・基本を重視した試験で、学校で行われる日頃の学習成果を測るという側面ももち~

全国商業高等学校協会HPより抜粋

つまり、学校で習った簿記に関する知識がちゃんと身についているかどうかのテストみたいな感じのようです。僕は商業高校ではなかったんで受験したことはないんですが、商業卒の人の大半は受験したことがあるんじゃないでしょうか?

せっかくならメジャーな日商簿記を取得したい

で、全商簿記は上記のように「商業高校に通う高校生」を対象にした、簿記の教科書に関する確認テストのような感じの検定であり、一般的に「簿記検定」としてイメージする日商簿記とはちょっとタイプが違う試験のようです。

もちろん、僕のように商業卒ではない人間はこうやって調べたりしない限り全商簿記については何もわかりませんし、簿記の勉強をしたことがなく、日商簿記も受験したことがない人にとっては存在すら認知されていない可能性が高いです。

逆に、日商簿記を持っていれば「簿記関する知識がある」ということは大体の人からわかるはずです。しかも就職や進学などでの簿記要件では「日商簿記○級以上」などというものが多いんじゃないでしょうか?

せっかく高校で簿記の勉強をして、全商簿記を取得しているのであれば、そこからのステップアップとしていろいろと役に立ちそうな「日商簿記」の取得を考えてみてはいかがでしょうか?

同様に、今商業高校に通う高校生で、全商簿記を受験している最中である方も、今後日商簿記検定の受検を検討してみるといいかもしれません。日商簿記(1級~3級)の試験会場がそれぞれの町の商業高校になっていることも多いため、案外自分の通っている高校で受験できる、なんてこともあるかもしれません。

日商簿記2級と全商簿記1級が同じぐらい?

さて、日商簿記と全商簿記の各級の難易度にはどのような対応関係があるんでしょうか?前提となるのは日商簿記が広く一般の受験者を対象としているのに対し、全商簿記は商業高校の学生を対象にした検定であるということです。

そして、ネットなどで出回っている情報では「日商簿記2級と全商簿記1級が同じぐらいの難易度である」という意見が大半のようです。

確かに、全商簿記1級となると「会計」と「原価計算」の両方に合格しているということになりますので、これをそのまま日商簿記2級の「商業簿記」と「工業簿記」に置き換えれば同等の難易度であるといってよいかもしれません。

ただし、全商簿記が「学校で習った簿記を教科書に沿って確認するもの」であるのに対し、日商簿記はどちらかというと企業の経理などの実務に役立つスキルを身につけるというものであり、両者の出題傾向や出題者の意図にはやはり違いがあるのではないかと思います。

また、最近日商簿記(特に2級)の試験範囲が大幅に改正され、現状実務で扱われ易い内容に即した論点が1級から降りてきたりしています。

※日商簿記の出題範囲改正については以下の記事から↓

日商簿記 出題範囲改正で難化した?合格率は?
FP2級の試験が終わって以来、簿記について記事を書くことが多くなってきました。と、いっても今目指しているのは「税理士試験」の簿記論であって、...

ゆえに、全商簿記1級を持っているからといって同等とされる日商簿記2級に試験対策をせずに合格できるかといえばそうではないはずです。また、全商2級と日商3級が同程度であるとの意見もかなり見られましたが、これについても同様に日商簿記専用のテキストや問題集などで対策をしていくべきでしょう。

※日商簿記のテキストで僕がいいんじゃないかと思っているものについては以下↓

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日商簿記受けるなら、中央経済社「簿記講義」が安定!
僕は日商簿記に関してはかなり前に2級をとって以来、1級を受験することもせず、全く手付かずの状態になっています。しかも3級は受験せずに、2級の...

日商簿記には「初級」の試験もある

日商簿記検定では最近「4級」の試験が廃止され、新たに「初級」の試験が創設されたとのことです。この試験は各地の会場からネットで受験することができ、試験結果もその場でわかるとのことです。

さらに、受験手数料もそんなには高くないため、例えば現在高校生で全商簿記の3級などを受験している段階で、日商簿記の方にも興味がある、という場合には受験を検討してみるといいかもしれません。

※日商簿記初級に関しては以下の記事から↓

日商簿記 初級ってどんな資格?受験者数や合格率は?
日商簿記といえば「入門」の3級、「安定」の2級、「難関」の1級、と考えるのが普通かと思います。しかしながら以前より、3級のひとつ下に「日商簿...

日商簿記と全商簿記、対応する各級の合格率の差

最後に日商簿記と全商簿記、それぞれ対応していると考えられる「日商2級・全商1級」および「日商3級・全商2級」の合格率をアバウトに比較しておきましょう。なお、全商簿記1級に関しては試験が2つに分かれているため合計ではなんともいえませんが、とりあえず「会計」と「原価計算」に分けて掲載していくことにます。

日商簿記2級・全商簿記1級 比較

  • 日商簿記2級 合格率
    ⇒過去3年ほどで11.8%~47.5%とバラバラ
  • 全商簿記「会計」・「原価計算」合格率
    ⇒会計は20%台後半から50%近いときもあるなど安定しない
    ⇒原価計算は40%台で推移している

日商簿記3級・全商簿記2級 比較

  • 日商簿記3級 合格率
    ⇒過去3年ほどで26.1%~52.7%、こちらも安定しない…
  • 全商簿記2級合格率
    ⇒大体40%~60%程度、日商簿記3級と比べて高め

※いずれも「日本商工会議所HP」及び「全国商業高等学校協会HP」参照

どちらかといえば合格率は全商簿記の方が高いように見えますが、日商簿記の合格率の安定感のなさは異常で、実施回によってコロコロ難易度が変化するためなんともいえませんね…

しかし、やはり日商簿記2級の方が全商簿記1級よりも、そして日商簿記3級の方が全商簿記2級よりも”若干ではあるが”難しい問題がでてくると思って臨むべきではあるかと思います。

まとめ

今回は日商簿記検定と、主に商業高校の学生が受験する全商簿記の比較をしてみました。

簿記の資格としてはやはり日商簿記の方が知名度も高く、何かと役立つものであると思いますので、過去に全商簿記を取得した、またはこれから受験するような場合には日商簿記の受験も考えてみてはいかがでしょうか?

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