日商簿記2級やFP2級について、このブログでは以前の記事で、独学でも十分に合格できるものという判断をしています。この2つの資格試験は僕が実際に自分でやってみた結果ですので、間違いということはまずないと考えてよいでしょう。
しかし、上記2つの資格についても、「簿記2級 ○○の通信講座」などといったような広告を見かけることがあります。こうやって宣伝しているということは、簿記やFPの「2級」の試験でも資格スクールの試験対策講座は一定の需要があるということなんですね。なかには独学でやることを一切考えず、最初から講座の受講でスタートする受験者もいるんじゃないでしょうか?
で、今回は「独学でも合格できるけどそういった資格試験で講座を取ること」のメリットについて少し考えていこうと思います。自分で実際に受講したわけではないため予想の範疇を超えないものですが、独学にしようか講座を取ろうか迷っている場合には参考になることがあるかもしれません。
Contents
独学で試験に合格することが偉いわけでは断じてない
このブログでは、普段から度々「FP2級は独学で合格可能」などと書いており、つい最近もFP2級と簿記2級に関しては確実に独学で合格できる、と断定した記事を投稿しました。
また、独学での合格のために”どんな試験対策をしていくべきなのか”ということについても記事にしたことがあります(FP2級に関して)。
このように、何かと独学での試験対策を薦め、普段から自分自身もそうしているわけですが、別に何か思うところがあってのことではなく、単純に講座を取るだけの時間(お金も)が確保し辛く、結局大半が無駄になってしまうことを恐れたためです。
で、もちろん自分のペースで勉強でき、なおかつコスト的にも優れている独学での試験対策ですが、別にそれで合格したからといって講座を受講した受験者よりも”凄い”とか”偉い”、”優秀”などということには一切なってこない、というのは少し考えればわかるかと思います。
とにかく、FP2級・簿記2級レベルの試験では、資格スクールの講座を受講することなく、自力で合格レベルに達することが可能な試験であり、主にコスト面ではそちらの方が有利といえるでしょう。ただし、別に講座を受講しようがしまいが取得できる資格は同じものであり、「独学派」と「講座受講派」の間に優劣はないはずです。
講座を受講することで有利になる点は?
さて、資格試験対策で「独学」を選択する場合のメリットは↓
- コスパが良い
- 自分のペースで勉強できる
という2点になってくるかと思いますが、逆に「講座を受講」した場合のメリットは何でしょうか?と考えてパッと思いつくことは↓
- 短期間で合格できるレベルまで上達する
- そもそもの合格可能性が高まる
という2点になってくるでしょう。で、ちょっとこの2つのメリットについて詳細に確認していきます。なお、デメリットについては「独学のメリット」と表裏一体であるかと思いますのでここでは端折ります。
短期間で合格レベルまで上達
まず、「短期間で合格レベルに達する」というのはかなりの強みではないかと思います。
独学で試験対策を進めていく場合には、すべての試験範囲を少しずつ、徐々にやっていく必要があります。また、勉強時間に関しても「ちょっと今日は遅くなったから明日にしよう…」というお決まりのパターンで先延ばしになって、結局1日あたりでみるとほとんど時間が取れていない、というような事になりがちではないでしょうか?
その点、高い学費を支払って講座を受講している場合には「サボる」なんてことはまずしませんし、「講義を受ける」わけですから、結果としてかなりの時間を試験対策に充てることになります。
また、資格スクールに在籍するプロの講師陣が考えた「効率のよい学習方法または学習の順序」を用いて講義を進めるでしょうから、その辺の素人である受験者がゼロからスタートして勉強していくよりも、はるかに少ない労力で合格レベルに到達できるはずです。
試験対策において「講座を受講する」ことは、独学よりも高い費用を支払う分、勉強のスピードを上げ、合格までの所要期間を短縮することになるといってよいでしょう。
合格可能性が高まる
次に、そもそも「試験」を受けるわけですから、独学だろうが何だろうが、当然「合格」または「不合格」のどちらかの結果に行き着きます。
両者のうち、「合格」になる受験者の割合はそれぞれの資格試験によって異なりますが、実はそちら(合格)側に入ることができる受験者はFP2級も簿記2級も、常に”半分かそれ以下”になっています。
・FP2級合格率推移
試験実施日 | 実技試験合格率 | 学科試験合格率 |
2018年1月 | 45.63% | 57.45% |
2017年9月 | 47.82% | 58.34% |
5月 | 38.97% | 58.69% |
1月 | 39.43% | 63.87% |
2016年9月 | 40.12% | 50.60% |
5月 | 38.97% | 58.69% |
1月 | 34.76% | 45.89% |
※日本FP協会HP「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」参照
・日商簿記2級合格率推移
試験実施日 | 合格率 |
2018年2月 | 29.6% |
2017年11月 | 21.2% |
6月 | 47.5% |
2月 | 25.0% |
2016年11月 | 13.4% |
6月 | 25.8% |
2月 | 14.8% |
簿記2級の方は実施回によっては悲惨な結果になっているところもあります…
ちなみに日商簿記は何年か前に出題範囲が大幅に改正され、かなり難化したといわれていますが、昔からこの程度の合格率であったと記憶しています↓
で、どちらの資格試験においても、この「合格」の中に入るためには、試験対策において「正しい勉強方法」を選択することが必要となってくるはずです。でも”何が正しい”勉強方法なのかについては、初めて受験する側の立場では全くわからず、そこで誤った方法を取って失敗してしまう可能性があります。
僕の場合、FPの試験は3級(超簡単)から受験しましたし、簿記に関しては2級以前には受験こそしなかったものの、それに触れる機会が多く、どちらの試験にしてもある程度何をやっていけばよいのか、ということがわかっている状態でのチャレンジでした。しかし、そうではない、「完全な初学者」の場合には、独学で効率の良い勉強方法を見つけるまで苦労するかもしれません。
その点、多くの合格実績を持っている資格スクールの講座を受講したのであれば、「勉強方法が間違っていた」などということはまずないでしょう。先程も述べたように、プロの講師が研究した高効率な勉強方法を提供してくれるはずです。
結果として、独学で闇雲に勉強していくのに比べて、講座を取った場合の合格率、というか合格できる実力までの到達率というのはかなり高くなってくると思われます。独学での合格が十分に可能な資格試験であっても、「確実に」合格したい受験者は資格スクールで開講されている講座を受講するとより良いのかもしれません。
最近ではスマホで受講できる講座なんかもあるようです
資格試験の対策講座というと、それを受講するためにわざわざ通学したり、家などでやるにしてもDVDをどうこうしたりしなくてはならない印象が強かったんですが、最近ではスマホで通勤時間などに勉強することができる講座もでてきているようです。
しかし、「通勤時間」にしても「昼休み」にしても、そこまで長い時間が確保できるわけではないと思いますが、一体どの程度の講義時間なんでしょうか?おそらく相当短い講義を、回数を多くして全範囲廻しているんじゃないかと予想しますが、これは独学でスキマ時間を利用して勉強するのと、ガッツリ講座を取って勉強する方針の「ハイブリット」といったところでしょうか?
今後、というか現時点で既にスマホやタブレットはものすごい普及率ですので、こういった出先で簡単に受講できるタイプの講座も増えてくるんじゃないでしょうか?
FP2級に関しては「AFP認定研修」を先に受けるとより確実?
最後に、FP2級の試験に関して言うのであれば、「AFP認定研修」を先に受けてから2級を受験する、という方法が「講座を取る」方法に当てはまるんじゃないかと思います。
※AFP認定研修とFP2級、どちらを先に受けるかについては以下の記事から↓
日々の勉強時間が十分に確保できる状態であれば、AFP認定研修を受講することによって独学でFP3級から受験し、2級に合格するまでに要する時間よりも短期間で「FP2級・AFP」の資格を取得することができそうです。
もちろん、2級の合格後に受講した方が金額的には随分安く済みますが、その差額を支払ってでも「短期間で確実に」合格したいという場合には先付けで受講してみると良いかもしれません。
これについては、大手の資格スクールであれば、知識ゼロから合格まで全部コミコミになったプランがあったりすると思いますので、ネットで調べたりその辺の電車広告なんかを見て探してみると、気に入ったものが見つかるのではないでしょうか?
まとめ
日商簿記検定・FP技能検定のそれぞれ2級の試験は、地道に試験対策を進めていけば確実に独学で合格できるものです。
しかし、だからといって「講座を受講するべきではない」ということではなく、「どうしても合格したい」「短時間で合格したい」と考えている受験者は講座の受講を選択しているのかもしれません。
また、そこには独学にはない一定のメリットも存在するはずで、資格スクールに支払った対価に見合う「アドバンテージ」が提供されることになるはずです。
今後、簿記・FPそれぞれの2級を受験しようと考えている方には、基本的には独学での試験対策をお勧めします。しかし、それ以外の方法もある、ということを覚えておき、”どうしても”というときが来たら資格試験対策講座に頼ってみるのも選択肢の一つかもしれません。