「DCプランナー」の資格試験、難易度や合格率、FPとの関連は?

最近FPの資格についていろいろと調べていたんですが、そのなかでちょいちょい検索に引っかかったりしていた「DCプランナー」の資格に興味が出てきまして、これについてもちょっと詳しく確認してみました。

DCプランナーは、「DC(確定拠出年金)」についての資格であるようなんですが、試験実施団体である「金融財政事情研究会」によれば、それだけでなく年金制度全般や投資、ライフプランに関する知識も必要であるとのことで、どうやら内容的にFPの資格とも結構関連するもののようです。

まだ受験者数は非常に少ない資格試験ですが、もしかしたら今後メジャーな資格となってくるかもしれません。

ということで今回は、このDCプランナーの資格試験について資格試験の概要や難易度、FPの試験との関連性について見ていこうと思います。

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Contents

DCプランナーの資格試験概要

DCプランナー認定試験は、日本商工会議所ときんざい(金融財政事情研究会)が共同実施している資格試験で、年金や退職給付、投資に関する知識やスキルを審査する試験です。

DCプランナー認定試験の概要

きんざいのHPでは、試験の概要として以下の3点が挙げられていました↓

DCプランナー 試験の概要

  • 確定拠出年金をはじめとする年金・退職給付制度の知識・技能を審査します。
  • 投資教育や老後生活設計の知識を身につけ、確定拠出年金制度の利用を図る企業や個人へ適切な情報を提供できる人材を育成します。
  • 1級または2級プランナーDC認定試験合格者のうち、所定の資格登録手続を行った方を、「DCプランナー(企業年金総合プランナー)」として認定します。

金融財政事情研究会HP「試験の概要」より抜粋

試験の形式と試験時間、出題範囲について

DCプランナー認定試験の形式と試験時間は以下のようになっています↓

  • 1級
    基礎編:マークシート150分
    応用編:記述式120分
  • 2級
    マークシート150分

2級の試験はマークシート単体であるのに対し、1級になると記述式の試験が追加されています。「基礎編」「応用編」と分かれているため、記述式の「応用編」の方がが難しそうな感じですね…

試験の範囲は膨大なので、以下のリンクをご参照ください↓

DCプランナー認定試験 出題範囲の参考リンク

DCプランナーの資格の分類

DCプランナーの資格には「1級」と「2級」があり、2級は誰でも受験可能であるのに対し、1級は「2級の合格者のみ」受験資格が得られることになります。なお、2糾合覚悟に資格登録をしていなくても受験資格はあるとのことでした。

で、DCプランナーの1級と2級それぞれの試験は、以下のような立場の人を養成するものとなっているようです。

DCプランナー認定試験の養成対象者

1級・企業の年金管理者

・退職給付コンサルタント

2級・企業の年金担当者

・金融機関の渉外担当者

金融財政事情研究会HP「試験の概要」に基づき作成

まぁ、ぶっちゃけそれ以外の立場の人であっても、「自分の確定拠出年金についてしっかりしておきたい」等の理由で受験することがあるかと思いますが、一応公式ではこんな感じのようです。

「3級」の試験については廃止済みのようです

ちなみに、DCプランナーには「3級」の試験もあるという情報がネットなどで出ていましたが、きんざいと商工会議所、どちらのHPにも記載がないことから、現在では実施されていないようです。

ということは、DCプランナーの資格を取得したい場合にはまず「2級」を、そしてそれに合格した後、必要であれば「1級」を目指す、ということになりそうです。

資格登録制度

で、上記の試験概要にもあるとおり、認定試験に合格した後に「資格登録手続」をすることによってはじめてDCプランナーとして認められるようで、この登録手続は日本商工会議所の方で行うことになっているようです。

DCプランナーとして登録した後は、FPの資格と同様に「2年ごとの資格更新」が必要になってくるようで、日本商工会議所のHP「DCプランナーQ&A」で確認したところ「資格更新通信講座等の受講」によって更新要件を満たすことが可能であるとのことです。

試験日程と受験手数料

DCプランナーの試験は1級と2級、それぞれ年1回ずつしか実施されていないようで、級ごとに日程が異なるようです。

以下、2020年度分のDCプランナー認定試験の日程と受験手数料になります。2019年の10月に消費税が増税したことにより、当該年度の1月試験(DCプランナー1級)より受験手数料も若干変更されているようです。

DCプランナー認定試験 試験日程・受験手数料(2020年度)

試験日程受験手数料
1級・2021年1月税込11,000円
2級・2020年9月税込6,600円

金融財政事情研究会HP「試験の概要」に基づき作成

1級の受験手数料がなんとなくお高くとまっていることが気になりますが、2級に関しては資格試験として標準的な金額設定なんじゃないかと思います。

ただ、試験の日程は「FP2級・3級」の9月試験・1月試験とモロにかぶってきそうな感じです。FP技能検定と同時に受験することは不可能でしょう。

※各種資格試験の試験日程については以下の記事から↓

c6b9ca161740d73598397cf145c6521a 100x100 - 「DCプランナー」の資格試験、難易度や合格率、FPとの関連は?
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DCプランナーの難易度、合格率について

続いて気になる「試験の難易度・合格率」についてです。しかしこのDCプランナーの試験、受験者数が非常に少ない状態であるため、合格率については当てにならなさそうです。1級なんて1,000人以下のときもあるぐらいです。割と受験者数の多いFP技能検定との違いはどこから来るんでしょうか?

で、一応合格率をみてみたところ、以下のようになっていました↓

  • 1級:9.3%~44.1%(試験実施回によってバラバラ)
  • 2級:26.9%~65.1%(おおむね40%程度)

1級は受験者数の関係であまり参考になりませんが、2級の試験についてはFPの2級とほぼ同じぐらいの難易度なんじゃないでしょうか?

また、1級については「2級に合格していること」が受験資格になっているため、受験しているのはある程度の知識を持った人ばかりであるはずです。それでこの合格率となるということは、DCプランナー1級の試験は相当に難易度の高いものといってよいのではないでしょうか?

FP技能検定との関連は?

さて、DCプランナーの試験範囲は先程リンクを貼っておきましたが、これはFP技能検定とどの程度関連があるのでしょうか?

で、範囲をざっくりみた感じだと、FPの試験で出題される「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」の2つの分野を抜き出して、さらに深く掘り下げたような感じであり、従って関連性のほうはかなり高いといってよいかと思います。

ただ、先程も確認したように、FP2級・3級の試験とは試験日程の関係で同時にはいけそうにありません…

しかし、CFP資格審査試験であれば話は別です。CFPの試験は「課目ごと」受験していくことが可能であるため上記2つの分野の試験対策として同時に勉強していくことができそうです。よって、これとはかなり相性の良い資格試験と言えるでしょう。

CFP資格審査試験の「ライフプランニング」や「金融資産運用」を受験する際に、同時にDCプランナーの試験対策にも手をつける、という作戦も考えられそうです。

DCプランナーは使える資格なのか?

最後に「DCプランナーの資格は使えるのか?」についても考えてみましたが、これについては”非常に知名度が低い”ことを考えると、まだ使えそうな感じはしません。

しかし、今後「企業年金をしっかりしたい」と考える企業が増えていき、資格の知名度も上がってくれば使えるようになるんじゃないかと思います。

また、関連する他の資格を持っている人が追加で取得する場合には、知名度に関係なく「退職給付や企業年金に強い」と認めてもらうために十分な強さを持っているかもしれません。

とにかく、FPと関連する資格であることは間違いなく、今後の動向次第ではすごく有用な資格となり得るものですので、FPの試験(1級まで)が一段落したら受験を考えてみてもいいかな…と思っています。

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