今(5月上旬)からおよそ3ヵ月後に迫った税理士試験に向けて、簿記論を中心に試験対策を続けています。
現在はついこの間購入した、5つの資格スクールが本試験の出題を予想して作成した問題が収録されている「直前予想問題集(中央経済社)」をやりつつありますが、1題あたりに時間がかかるうえに、どの問題も難易度が高く、苦労しています。
そして、その問題集に収録されている問題の中には、第3問の総合問題において「工業簿記」の絡んだものがいくつかありました。
今回はそんな「税理士試験の簿記論における工業簿記」について、どこまで勉強するべきなのか?などについてちょっと考えていこうと思います。
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工業簿記に関する出題もあるようです
税理士試験の簿記論の試験においても、日商簿記(2級以上)と同様に「工業簿記」に関する出題があるようです。
そして、今のところ問題集等に収録されている問題を見る限りですが、その出題の方法は日商簿記のように「第4問と第5問を丸ごと使う」というタイプではなく、総合問題において取り上げている事業が「工業簿記」に関係するものであるという感じのようです。
実際に過去問を全て調べ上げたとかいうわけではありませんので、もしかしたら個別問題で材料仕入がどうのこうの、とかいう問題が出てこないとも限りませんが、現実的には「総合問題」での出題だけ注意すべきであるといえそうです。
それも、完全に工業簿記メインの問題というわけではなく、問題集に収録されている問題では”普通の総合問題”の中に工業簿記に関する要素も混じっているというような出題となっており、「工業簿記の問題」であったとしても実際には普通の総合問題と同じようなことをやる割合の方が多いようにも思えます。
まぁ、これは税理士試験の簿記論では日商簿記ほど「工業簿記」に関しては重要視していないということなのでしょうが、それでも出題される可能性がある限りある程度は勉強しておかないと、いざ本試験で出てきたときに困ってしまうことになります。
そこで以下では、税理士試験の簿記論の試験対策において、「工業簿記」をどの程度まで勉強しておくべきなのか?について考えていくことにします。
工業簿記といっても…
さて、税理士試験の簿記論に関する問題、特に本試験形式の演習問題を解いている限りでは、そこで出題されている「工業簿記」に関する問題はそこまで難しいものばかりではないような気がしています。
今のところではありますが、税理士試験対策の問題集等で見かけた「工業簿記」に関する問題は、どれも「製造原価報告書」の作成ぐらいであり、日商簿記2級を受験した際に出てきたような複雑なものはありません。
いくつかの問題集、もちろん一般的な問題集や、ここまでやっていた「堀川の簿記論 合格レベル個別論点100チャレ」などの「個別形式」の問題集でも工業簿記に関する出題がありましたが、それに関してもそこまで複雑なものではありませんでした。
ただ、堀川の簿記論にあった「本社工場会計」は他の問題集にあるような問題とかなり違うような感じでした。これに関しては本試験で出題されてもしっかり対応できるよう何度も解き直し(2題しかありませんが)しておく必要がありそうです。
とりあえず当期製品製造原価の計算ができれば良いはず
で、とりあえずなんですが今のところ問題集等に収録されている問題を見る限りでは、税理士試験の簿記論対策においては「製造原価報告書をしっかり完成させることができればよいのではないか?」という感じです。
「税理士試験」というと、全てが、何もかもが難解な気がしていたのですが、工業簿記の練習問題に関しては拍子抜けするようなものも多く、やはりこの試験は商業簿記がメインというか”ほぼ商業簿記”で構成されているように思えます。
ただ、「簡単な工業簿記」といっても営業と製造の両方で使っている減価償却費や、従業員の給料賃金、福利厚生費などといった費用を按分する必要があるため、そこで集計を間違えてしまった場合、製造原価報告書だけでなく、損益計算書の解答ポイントまで間違えてしまう可能性もあります。
もし、簿記論の本試験工業簿記に関する出題があった場合そういった「分量の多い集計」があるということは容易に想像できますので、その点に注意して解答を進めていかないと思わぬところで大幅な失点をしてしまうことになりかねません。
また、「材料の棚卸減耗などが原価性を有するか否か」など、他にもしっかりと問題文を確認しておかないと大変なことに成ってしまう要素もあるはずです。
「製造原価報告書を完成させることができればよい」とはいえ、そこに至るまでのプロセスでやられてしまいそうなところがいくつもありますから、簿記論の本試験で出題された際に、そんなところでミスをしないように注意していきたいと思います。
仕掛品の計算をミスしないように気をつけたい
また、簿記論の総合問題で出題の可能性がある工業簿記の問題においては、日商簿記に比べて”出題される可能性がある箇所”が少ないわけですから、「仕掛品の計算」はまず間違いなく出てくるような気がします。
その計算にあたり、先入先出法なのか平均法なのか?材料は始点投入なのか平均投入なのか?など、ひとつ見間違えると大幅に解答が変わってきてしまうような要素もあります。
そこで意味のわからない読み間違いや計算ミスなどをしてしまった場合、「期末仕掛品棚卸高」から始まって「当期製品製造原価」や「製品の棚卸高」まで次々不正解になってしまうことになります。
最終的な「解答」を作成するうえでは、先程も述べたようにいろいろと「引っ掛かる」ポイントがあるかと思います。しかし、この「仕掛品の計算」はそこに至るまでの最も重要なポイントであるかと思いますので、万が一でもミスする、分からない、なんてことがないようにしていきたいところです。
まとめ
今回は、税理士試験 簿記論の「直前予想問題集」をやってみて、その総合問題で出題されていた「工業簿記」に関して気になったので記事にしました。
税理士試験の簿記論では、かつてやった日商簿記2級のように大問を2つも使った大掛かりなものではなく、総合問題のなかで一部出題されるもののようです。
とはいえ、出題の可能性がある限りはしっかり対策しておかなくてはなりませんから、この先、たまたま問題集等で出てきたときにはそのわずかな問題を無駄にしないためにも、何度も解き直しておきたいと思います。
なお、現時点の感じでは今年も簿記論の試験に合格できるかといえばちょっと、というかかなり怪しいため、もし今年の試験までに工業簿記に関して十分な勉強ができなかったとしたら来年もう少しやっていくことにします。