FP試験対策 FP2級、実技試験の配点は?

FP2級の実技試験は配点が公表されていないため、受験後に自己採点をしたとしてもその結果でどのぐらいの得点できているのかを正確に知ることは難しく、合否が微妙な場合には合格発表の日まで悶々とした日々を過ごすことになってしまう可能性があります。

で、この間受験したFP2級試験について感想を書いたところ、「FP2級 実技 配点」といったような検索ワードからの来訪が見受けられました。
※FP2級の試験(2018年1月試験)を受験した感想は以下↓
2級FP試験を受験して、感想と今後の課題

いえ、僕も試験が終わって家に帰ったら速攻で似たようなキーワードで検索したんです。やっぱり日本FP協会の実技試験に関して「公開されていない配点」っていうのはかなり気になりますよね…

特に僕は今回初めてFP2級の試験を受験したため、自分の得点がどの程度の水準に達しているのか、知りたいのは言うまでもありません。

そこでここでは、FP2級の実技試験である資産設計提案業務(日本FP協会)の配点について調べたことなどについて記載していきます。

※この記事は、今後も新しい試験の問題・模範解答を参照して追記していきます。現時点での予想は以下↓

FP2級(資産設計提案業務)実技試験 配点予想

  • 一問一解答形式の問題は「配点2」
  • 一問で複数個所解答欄があるものは、解答欄ごと「配点1」
  • 余りのの1点ないし2点(点数が余る場合)は途中の計算問題に配分されている可能性が高い

この配点予想に至った過程については以下の記事本文に記載しています。

なお、2019年9月8日試験について一部追記をしました(9月9日)。この試験ではこれまでと少し違い法則に当て嵌めた場合の得点が「96点」となりそうです。

それに関しての記載は本文の一番下にあります。そこのみ参照したい方は目次から飛ぶことをお勧めします。

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Contents

FP2級、実技試験の形式と公表されない配点

日本FP協会におけるFP2級の実技試験は記述式での出題となり、計40問で試験時間は90分、その合格基準は「100点満点中60点以上の得点」となっています。

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で、早速ここで気になるのが、「40問をどうやって100点にしているのか?」というところです。単純に計算すると「100点÷40問=各2.5点」というようになるわけですが、どうもそんなに単純な話ではないようです。

そもそもそのような配点形式になっていた場合には、わざわざ配点を公開しない理由がありません。普通に掛け算すれば点数が出てくるわけですから…

で、そうじゃないとしたら何か点数に差が付けられている問題があるわけで、
それがどこなのかということになってきます。それについていろいろ調べた結果、カギとなるのは○×問題や一度に何箇所か埋めるタイプの問題であるとのことでした。

○か×をつける問題は1箇所1点?

実技試験の問題を見ていると、「計算問題」や「選択問題」とは別に、「○または×」を解答用紙に直接書き込んで解答する問題が出題されています。

例えば僕が受験したFP2級の実技試験(2018.1.28)の場合、第1問の問1からそのような形式の問題になっており、ところどころで出題されている感じでした。

そのような問題について、普通に考えたら「全部解答して何点」とかいう形式になっているように思いますが、これが○または×一個に対して1点が加点されており、他の問題についても一箇所ごとに1点である。という予想がなされていました。

しかしこれはどうなんでしょう?確かに答えている数は○×の数だけありますが、解答に要する時間を考えた場合、電卓まで使って結構計算しなくてはならない問題と比べるとちょっとアレな気がします…

一度に何箇所か答える問題も1個1点?

○×問題以外にも、「問」ひとつに対して複数回答する問題がありました。例えば、「穴埋めになっていて記号または選択肢をそのまま解答用紙に記入する問題」とか、「保険証券をもとにいくつかの保険事故で受け取れる金額を計算する問題」などがありました(※この問題が実技試験の配点に関して重要である可能性が高いことが以下で判明します)。

当時ネット上などで出回っていた予想では、これらの問題についても「1箇所1点」として計算されている可能性が高いとのことでした。

これらについて感じたのは、保険証券についてなど、計算を要する問題については確かに他の問題と比べても1箇所あたりに要する労力も時間も同等かと思いますし、選択肢ではなく数字を解答用紙に直接記入する形式であることから、計算が絡むとミスが生じる可能性もありますし、簿記でよくやらかす(僕だけ?)数字の転記ミスが生じる可能性もあり、配点としては妥当かと思いました。

しかし、「穴埋め問題」お前はどうなんだ…

穴埋めだけならその項目についてわかっている場合にはさっと解答できてしまうわけですし、適切または不適切なものを選択する問題と違って、読まなくてはならない文章も短くなることは間違いありません。果たしてこれらひとつが他と同じ点数となっているのでしょうか?

大手スクールによる合否判定

FP2級の試験を受験した当時、ネットの情報よりも信頼性が高いものと考えられる「配点予想」として、大手スクールである「LEC 東京リーガルマインド」さんが独自に行っている「合否判定」なるものも試してみました。

LEC 東京リーガルマインドHP インターネット合否判定

こちらは利用するために一旦マイページに登録してコード的なものを交付してもらう必要がありましたが、無料でできるようなのでやってみました。

ただ、いくら大手の資格スクールがやっているものであるとはいえ、配点の「予想」であるため「ギリギリのラインだった」みたいな感じの場合にはまだわかりません。ここで「合格・不合格」どちらの判定を受けたにせよ、合格発表までは気が抜けません。

また、合否判定は日本FP協会(資産設計提案業務)、きんざい(4課目)のどちらにも対応しているようで、きんざいでFP2級の実技試験を受けた方も試してみてはどうでしょうか。

※2018年3月10日追記
本日、FP2級の結果通知が郵送されてきました。記載されていた実技試験の得点は「89点」、試験後にLECさんのページで判定をかけたときには「85点」となっていたので、予測と実際の乖離は4点になります。配点が一切公開されていないなかでこの程度の乖離幅というのは、相当に精度が高いといえるんじゃないでしょうか?

1x1.trans - FP試験対策 FP2級、実技試験の配点は?
右に表示されているのが実技試験の試験結果、100点満点中89点だったことがわかると思います。

また、得点の詳細については今後、持ち帰った問題用紙と比べて分析していこうと思います。

日本FP協会の実技試験(資産設計提案業務)における配点予想

ここから先は、僕自身が2018年の1月に受験したFP2級の実技試験(資産設計提案業務)の結果から、配点に関する分析を行っていこうと思います。

なお、ここから先のことに関しては「1回のみの結果」によるものですので、この先の試験に役立つかどうか、ということに関しては不明です。

※わりと法則がありそうなことがわかってきました

しかし、同一の試験であれば試験の形式等に何か大きな改正が加えられたりしない限り、おおむね同様の配点になることが予想できます。ゆえに、ここの内容は参考程度に見ておいていただけると幸いです。

2018年1月の資産設計提案業務では解答欄が71箇所あった

まず、僕の受験した2018年1月28日実施のFP2級「資産設計提案業務」では、解答欄に記入すべき箇所が全部で71箇所ありました。

この71箇所という数字は、試しに数えてみた2017年9月試験、2018年5月試験でも同じであり、日本FP協会でFP2級の実技試験を受験した場合には「設問40に対して解答欄71ということになる可能性が高い」と予想できます。

では、この解答欄の数を如何にして100点満点にしているのでしょうか?少し考えてみました。

正解箇所は62箇所で得点は89点

僕が実際に受験したFP2級の実技試験の結果は「100点満点中89点」となっていましたが、改めて解答欄ごと、正答なのか誤答なのかを調べてみました。

すると、前71箇所の解答欄のうち、正答62箇所、誤答9箇所という結果になっていました。

ここから単純に計算すると[62÷71=0.8732…]ということになり、解答欄ごとの得点率は「87.32%」ということになります。実際の得点が89点ですから、これでもどこか不足している部分があるということになりますが、上で紹介した合否判定で出た点数(85点)よりも若干本来あるべき得点に近づいたようです。

つまり、日本FP協会で実施されるFP2級の実技試験では、解答欄ごとの正答率からおおよその得点を予想できると考えてよいのではないでしょうか?

それでもこの正答率と実際の得点の間にはまだ約2点の開きがあります。では、その残り2点分の差異はどこから来るものなんでしょうか?

やはり1箇所1点ではなく、配点の大きい問題も存在するはず

上記で確認した自分の正答率と得点との関係から、実技試験のおおよその配点が予想できました。しかし、残りの2点分についてはその差異の原因が不明であり、以前ネットなどで情報収集をしたときに得た「1箇所1点」という配点ではない、ということがわかります。

ここで考えられるのが、やはり「他の問題よりも配点の大きい問題が複数存在している」ということです。

特に気になるのが、問ごとに解答がひとつしかないものと、複数個所解答しなくてはならない問題があるということです。このことを考慮して、さらに詳細な分析を進めていきます。

問題ごとの「解答要求数」によって配点が違う?

1問1答の問題と複数解答を要求する問題についてもう少し調べてみたところ、全71箇所の解答欄のうち、”ひとつだけ”解答する問ものが27箇所、その他が複数の回答を要求している問によるものでした。

FP2級実技試験(資産設計提案業務)の解答欄
☆全部で71箇所☆
⇒そのうち1問1答のもの27箇所
⇒1問で複数解答を求める問によるもの44箇所(13問)

そしてここで「複数解答の問題は各解答欄ごとに1点」、「1問1答のものは各2点」であると考えた場合、以下のようになります。

  1. 複数解答問題の解答欄44箇所×1点=44点
  2. 1問1答27箇所×2点=54点
  3. 「1.+2.=98点」

この計算ですと合計点が98点となってしまい満点である100点には2点足りないことになります。

そこで、もう一度試験の問題と解答を確認してみたところ、複数回答を要求している問題の中で「計算によって解答を導き出さなくてはならない問題が2問ある」ということがわかりました。

その問題は「問3の預金保険制度に関する問題(解答要求数2)」と「問11の保険契約による補償内容の問題(解答要求数3)」となっています。

複数回答の問題で数字を記入する解答欄はこの5箇所だけとなっており、このうち計算量が多く、解答を導き出すことに時間を要する2箇所について配点が「2」となっているのではないでしょうか?

(※ちなみに、僕は問11の一番最初、最も計算量が少ない解答欄につき、足し算のミスで失点しています。)

これで上記の計算で得た98点+計算問題の追加分2点の合計100点という結果になるわけですが、これを僕自身の試験結果に当てはめて検証してみます。

配点の予想と実際の試験結果の比較

まず、僕のFP2級の実技試験における結果について、1問1解答形式の問題と複数解答形式の問題に分けて確認してみます。

2018年1月 FP2級実技試験(資産設計提案業務)の試験結果

  • 1問1答形式の問題(27問・解答欄27箇所)
    ⇒正答:25問(21箇所)
    ⇒誤答:2問(2箇所)
  • 複数解答形式の問題(13問・解答欄44箇所)
    ⇒正答:37箇所
    ⇒誤答:7箇所

上記より、誤った解答欄9箇所のうち、2箇所が1問1答問題(各失点2)、7箇所が複数解答問題(各失点1)と考えた場合、合計の失点数は11となり、これを100点満点から控除した場合の得点は89点、見事に実際の試験結果と合致します。

そして、先ほど挙げた「複数解答だが計算問題であり、配点が高い部分があると予想される問題」については、5箇所中4箇所を正答しており、この4つのうちどれか2つが「配点2」となっている可能性が高いのではないかと予想します。

(※不正解だった問11の最初の問題は非常に単純な計算でした、問題冊子に100+10=130とのメモ書きがありました…)

これで、僕が実際に受験したFP2級の実技試験と今回の配点予想で算出できる値を一致させることができました。

結論:問題の解答要求数によって配点が違う可能性が高い

今回のFP2級の実技試験(資産設計提案業務)に関する配点予想の結果、問題の解答要求数に応じて配点が1点なのか、2点なのか分かれてくる可能性が高いということがわかりました。

さらに、そこで合致しなかった2点分については、複数解答を要求しているものの計算をしなくては解答が導き出せない問題の中に「配点2」のものがあると予想します。

以下、今回の予想の要約です↓

  • 1問1解答形式の問題は「各2点」
  • 複数解答形式の問題は「解答欄ごと1点」
  • 複数解答問題のうち、計算を要する問題には解答欄ごと2点のものがある

なお、ここで分析した実技試験の配点予想は、2018年1月28日に実施されたFP2級の実技試験のうち、日本FP協会が実施する「資産設計提案業務」に関するものです。

実技試験をきんざいで受験した場合には当然問題の形式も違いますから、当然今回の予想は当てはまりませんし、また、FP協会の試験でも実施回によって多少異なる配点をしている場合があるかもしれません。

今後、FP2級の試験を受験する場合には、今回の分析は参考程度に考え、大手の資格スクールによる合否判定や配点の予想なども確認し、総合的にみて本試験後も次の試験に向けて勉強を続けるのかどうかなどを判断することをお勧めします。

2018年5月・9月の試験に関する追記

一旦「FP2級 2018年1月試験」の実技試験の配点予想に関しての結論を挟んだところで、ここからはそれ以降の試験である2018年5月試験および2018年9月試験について見ていくことにします。

2018年5月試験(FP2級 資産設計提案業務)

まず、2018年のFP2級5月試験では1月試験の配点予想と同様のことが言えそうです。

1問1答形式の問題を「配点2」、複数解答形式の問題のそれぞれの解答欄を「配点1」と考え、それらの合計点を算出すると98点となり、残りの2点分はやはり「問11」の保険に関する問題に配分されていると考えます。

2018年の5月試験は、解答欄の数や問題の雰囲気など1月試験と似通ったものとなっており、FP2級の試験対策として、過去問をしっかりやっておくことの重要性が伺えます。

2018年9月試験(FP2級 資産設計提案業務)

一方、9月試験ではそれまでのものと少し様子が異なっていました。試験委員の方が変わったりしたのでしょうか?とはいえそこまで大きな変化は無いようで、以下のような配点の予想となります。

まず、1問1答形式と複数解答形式の解答欄の数は次のような配分でした↓

  • 1問1答形式の問題:解答欄数29箇所
  • 複数解答形式の問題:解答乱数41箇所

そして、これを1月試験で予想した計算式に当てはめた場合以下のような配点の予想となります↓

  1. 1問1答29箇所×2=58点
  2. 複数解答41箇所×1点=41点
  3. 「1.+2.=99点」

これまでの2つでは、ともに計算式に当てはめた結果が「98点」となり、複数解答の問題のうち2箇所が「配点2」になっているのではないかとの予想でした。

しかし、今回は解答形式の配分が変化し、これまでの計算式を使った計算での合計点は「99点」となっています。1点の違いですが、これは「複数解答でも計算して数字を書き込む問題」の難易度によるものではないかと推測します。

2018年の1月試験と5月試験では、第11問として出題された「保険の契約書類を用いた問題」に関して、その解答欄のうち(イ)と(ウ)に2点が配点されてもおかしくないような内容でした。

一方で、9月試験(問10)では(イ)については単純に入院日数の2日分のみ保険料が支払われることがわかればそれで正解できてしまうもので、最初の解答欄であり、これまでも「配点1」であると予想した(ア)と変わらないレベルのものでした。

このことから、FP2級の実技試験「資産設計提案業務」の2018年9月試験では、保険に関する出題である「問10」の(ウ)のみが複数解答形式での「配点2」となり、それを前述の99点と足して「100点満点」としているものと予想します。

2019年9月のFP2級実技試験の配点に関して

2019年の9月8日に実施され、9月9日に問題が公表された資産設計提案業務については、「単発解答2点・複数回答各1点」とした場合、合計点が96点となるようです(数え間違いとかでなければ)。

これまで見てきた2018年までの資産設計提案業務の試験では、法則に当て嵌めた場合にはその得点は「98点ないし99点」でしたが、今回は「4点の開き」が生じています。

ではこのズレの原因はどこにあるのか?

その答えとして僕が現時点で有力だと考えているのは、今まで複数解答の箇所に「配点2」があるのではないかと予想していた「問11」の2つ下にある「問13」について、その2つの解答箇所が2点となっているのではないかというものです。

なぜならば、ここ最近の試験の「問13」を見ていると、基本的に○×問題が出題されているのに対し、今回(2019年9月試験)のものは「数字(日数)をそのまま記入しなくてはならない問題」でした。

ここに、過去数回分のFP2級(資産設計提案業務)との差があり、それをこれまでの「配点1」から「配点2」に変更したことにより、”FP2級実技試験の配点法則(予想)”に当て嵌めた場合には、これまでよりも2点低い「96点」となったのだと考えます。

まとめ

日本FP協会の実技試験について、いろいろと調べてみた結果いろいろな情報が出てきました。

その配点について、実際にはどのようになっているのか?というのは正確にはわかりませんし、もしかしたら採点したときの得点率等によって何か調整を行うのかもしれません。こちら側(受験者側)でできることは、実際の試験データに基づく予想のみです。

既にFP2級の試験を受験し、合格発表待ちの方には自己採点の際の参考として、今後受験される方については、配点が不透明なFP2級の実技試験の得点力を増加するために、この記事が何か役に立てば良いなと思っています。

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