不動産投資の採算が合うのか?その判断基準

近年、「貯蓄から投資へ」などという言葉をよく耳にします。
“投資”と聞いて真っ先に考えるのが「株」とか「投資信託」みたいな金融商品でしょう。
最近はNISA(少額投資非課税制度)なんかも徐々に整備され、
これまで貯蓄されることが多かった家計の余剰資金も投資に廻されるようになってきたんじゃないでしょうか。
※NISAについては以下の記事から↓
投資と税金 NISAの概要と対象の金融商品

しかしながら、金融商品だけが投資、というわけではありません。
手持ちの不動産や、収益を得るために新しく取得した不動産に種銭を注ぎ込み、
不動産所得なんかを追及することも「投資」です。
もちろんREITなど、少額からでもはじめられる不動産投資もありますが、
今回は自分で不動産を丸ごと運用することを前提として話を進めていきます。

では、この「不動産投資」で果たしてちゃんと利益を上げることができるのか?
その判断、分析の基準となるものについて記載していきたいと思います。


DCF法で不動産投資の収益性を分析

DCFとは、「ディスカウント キャッシュ フロー」の頭文字だけとったものです。
名前からお察しの通り、この分析方法では
「割引現在価値」の考え方を使って分析を行います。
もう投資の話になると必ずといっていいほどこいつが登場します。
これについてざっくり確認しておくと
、割引現在価値とは、資産や負債から生じる将来キャッシュフローを、
一定の利率で割り引いた現在価値を合計したものをいいます。

で、このDCF法はさらに「正味現在価値法」と「内部収益率法」の2種類に分類することができます。
では、その2種類について、それぞれ細かく確認していきたいと思います。

正味現在価値法

こっちは単純に割引現在価値を算出し、それを合計して投資判断を行う方法です。
尚、このときに用いる割引率についてですが、
「投資のリスクの大きさ」によって適当な率を設定することになるようです。

で、算出された割引現在価値から投資した金額を控除し、
あまった金額が「正味の」現在価値ということになります。

当然ですがこの数字が大きい方がよいとされ、
マイナスになるようであればその投資についてはしない方がいいということになります。

内部収益率法

こっちは逆に「割引率」の方を求めることになります。
まずは将来の割引前のキャッシュフローを算出し、
それが実際の投資額と同じになる割引率が、
この「内部収益率法」で求める数値となります。

「割引率が高い」ということは、単純に考えて
「利率が高い」ということになりますので、
こちらも数値が大きくなるほどよいものであり、
マイナスになってしまう、
すなわち見込みの回収額が投資額より低くなるような状態では、
そのような投資は行わない方が得策であるということになります。

このDCF法によって、投資するか否かの判断要素は与えられます。
では、それによって投資にGOが出て、
実際に投資を行なった場合、そのときの利回りはどのようにして計算するのでしょうか?
いくら予測による判断で「儲かる!」となったとしても、
いざ投資を始めてみたらそんなにうまい話はなかった…
となるようなことはざらだと思います。
以下では、投資による収入と投資額との関係から、
実際にどれだけの利回りが出ているのかを測る方法について記載していきます。
また、事前にアパートが満室となった場合に想定される収益額などがわかれば、
利回りの予測を立てることができ、
他の金融商品等と比べることによって投資の可否を判断する基準にもなりえます。


不動産投資の利回り計算

投資を行っている際の利回りについては、誰もが正確に知りたいと思います。
しかし、普通の商売が売上と仕入れだけで完結せず、
人件費や消耗品費などの諸経費を伴うように、
不動産投資においても投資額以外の経費がかかってきます。
こういった経費を無視して、収支のみから計算した利回り、
すなわち「表面利回り」を算出したところで、それが正確な利回りを示しているとは到底考えられません。

よってここでは、経費額まで考慮に入れた利回り計算と、
もうひとつ自己資本ベースで見た計算についてみていこうと思います。

NOI利回り(実質利回り)

これは単純に年間の収入金額を投資額で割ったものではなく、
収入金額から様々な経費を控除したものを使って計算する方法です。

計算式はそのまま、
「(年間収入金額-経費額)/投資金額」となります。
経費を考慮している分、単なる収入金額と比べて正確な利回りを計算することが可能になります。

自己資本手取額利回り

こちらは利回りを自己資本ベースで捉えたもの。
「手取額」は厳禁による収入額を示し、
また、計算に使う投資額は、総投下資本ではなく、「自己資本部分のみ」です。
よって計算式は「現金手取り額/自己資本」となります。

自己資本手取額利回りを計算することによって、
借入金の利率と投資の利益率の差を知ることができ、
負債のコストを支払った後、どれだけの利益を得ることができるのかを算出できます。

現物でも十分できてしまう株や投資信託などと違って、
金額の大きくなる不動産投資は「借入金」によってレバレッジをかけて行うのが普通かと思います。
(大金持ちなら知りませんが…)
借入を起こせば一定の利子割引料がかかってくることになります。
その部分も考慮に入れ、自分が投資した金額で生じる利益率を計算するのがこいつです。

正直、この2つの利回りのうち、
どちらをより「使えるもの」と考えるべきなのかはちょっとわかりません。
そのあたりは実際に不動産投資を始めようと思い立ったときに、
信頼できるコンサルの人なんかの指示を仰ぐのがベストなんじゃないでしょうか。


まとめ

さまざまな金融商品が存在する現代においても、
不動産投資はいまだその地位を確かなものとしています。
そんな不動産投資においても、他の商品と同様に「儲かるのか?」ということを意識して投資判断を行う必要があります。
そこには今回挙げたような様々な判断基準が存在し、
どれがいいとは一概に言えない状況です。
しかし、専門家の意見を聞きながら、これらの指標を総合的に見て判断することが最も正解に近いんじゃないかなと思います。
そういった意味では、細かいところまではわからないにしても、指標の種類と、何を示すものなのか、ということぐらいについては覚えておくべきかと思い、記事にしておきました。
僕はカネがないのでこれらの指標を実践で生かす機会はないかと思いますが、
カネと興味がある方は、投資の選択肢の一つに不動産を加えてみてはいかがでしょうか。

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